漫画「空挺ドラゴンズ」3巻のネタバレ感想!ジブリっぽさ増々の龍狩物語

空挺ドラゴンズ(3)

漫画「空挺ドラゴンズ」3巻のあらすじ

今日も今日とて何処かの空を渡り歩くクィン・ザザ号。“渡り”と呼ばれる小型龍の大群と遭遇し、狩りに挑むのだが、そのさなかに、タキタ(2巻でもクローズアップされていた龍捕りの少女)が事故で、龍ともつれ合いながら船から落下してしまうという大事件が起こる。

クイン・ザザ号はしばらくその場にとどまり、タキタの救出を試みることになるのだが……。

ざっくり結論を言ってしまうと、タキタは墜死してはいない。龍ともつれ合ったおかげで、どうにか生きて谷底(その地上は谷と山の入り組んだ複雑な地形であった)に墜ち、そこで、土地の狩人の少女と出会う。

狩人と言うのは龍捕りとは別のものである。主にはカモシカを狩って生きている、狩猟生活者で、隠れ里のようなところで暮らしているが、いちおうそこそこの文明水準は持って暮らしているらしい。

この巻では、タキタが遭遇した龍の赤ん坊を群れに返そうと努力をする中で、龍の生態に関する様々なことが明かされていくことになる。

空挺ドラゴンズ(2)

漫画「空挺ドラゴンズ」3巻のネタバレ

龍の“渡り”というのは、なんというか、鳥の渡りとはちょっと違う。粘液を出して、塊を作った状態で宙に浮いているのである。ちなみに、龍は一体どうやって空を飛んでいるのか、という物語当初からの疑問に、今巻でいちおう解説が示される。龍は(姿かたちの違うものでも、龍である限りは全て共通して)「震臓(しんぞう)」という器官を必ず持っており、それが浮遊器官であるらしい。ちなみに震臓は硬く、食用にはならない。

落下したタキタは、猟師(マタギ)のアスケラと名乗る少女に遭遇する。最初、フードで顔を隠しているので、脅威を感じたタキタは武器を向けて相手に素性を問うのだが、「誰だはこっちの台詞だよ 挨拶も無しに人の縄張りで何をやっているのさ」などと言われる。言われるが、アスケラは基本友好的な人間である。龍の解体を手伝ってくれ、また、落下時に負っていた裂傷のために失神したタキタの手当までしてくれる。

そして、その狩った龍の子が、懐いてついてくるのを連れて、2人と1匹で里へと向かう。そこでタキタは村人たちにそれなりに歓迎され、傷の手術までしてもらう。といっても、傷を縫合するという程度のことだが。いちおう麻酔手段はあるが、葉を口で噛むというだけのもので(ちなみに、そういう麻酔方法は古代南アメリカで実際に存在した)、あんまり効果は強くないらしくだいぶ痛むのだが命には代えられない。

一方のクイン・ザザ号は、地形が悪いので探索に苦戦している。捜索期限は48時間、それを過ぎたら諦めて去る、と決めている。

例の“渡り”が高山の頂に向かうのを見たタキタは、龍の子をそこに返すため山に向かい、そして、やはりその山に向かっていたクイン・ザザ号に無事救出され、アスケラに感謝と別れを告げる。

さて、話は終わりではない。“渡り”は、他の大型龍を呼ぶ。これは「龍の回廊」と呼ばれる、滅多に見られるものではない大狩場であるらしい。「三色錦王」とあだ名される大物の龍までもが登場する。

狩りはこれから、というその刹那、突如現れた別の船と衝突事故を起こしそうになった、というところで、次巻への引きとなる。

漫画「空挺ドラゴンズ」3巻の感想

空挺ドラゴンズ(3)

1巻の頃の、正直に言ってしまえば未熟さはだいぶなりをひそめ、かなりいい感じに作品として洗練され始めている。もうわざとやっているとしか思えないから名前を出すが「ジブリっぽさ」については、なくなっていないどころかむしろ増してすらいるが。

一巻からいきなり全力全開に面白い作品というのも、もちろんいいが、作品が進むほどに作者が成長していくのを感じさせてくれる作品というのも、それはそれで悪くないものだと、思う。


空挺ドラゴンズ

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