ベタなボーイミーツガール物語も織り交ぜる漫画「空挺ドラゴンズ」2巻の内容やネタバレ感想

空挺ドラゴンズ(2)
空挺ドラゴンズ(2)
作品名:空挺ドラゴンズ(2)
作者・著者:桑原太矩
出版社:講談社
ジャンル:青年マンガ

漫画「空挺ドラゴンズ」2巻のあらすじ

2巻である。クィン・ザザ号は、捕龍基地として古くから栄える「港町」(といっても、空挺のための港であるから海はない。クレーターの中にある)、クオーン市に到達し、ほぼ一巻まるまるかけてここに滞在することになる。

タキタ、という若い女の乗組員にスポットが当たる。まだ経験が浅く、龍の解体に参加させてもらうのも初めて、というひよっこの新人である。

タキタはこの作品において主人公っぽいポジションにいる龍捕りミカ(という名前だが男)に連れられ、クオーンの長老のもとを訪れる。

そしてさらに、この巻で出番が多いキャラクターがもう一人。ジロー。こちらは少年である。おそらくまだ女を知らないので、先輩たちから娼館に連れていかれる。

そこで、一人の見習いの少女、カーチャと出会う。まあ、ボーイミーツガールというやつだ。典型的な。

空挺ドラゴンズ

漫画「空挺ドラゴンズ」2巻のネタバレ&感想

ミカは、年はそんなに行っているように見えないが、風格はベテランである。根っからの龍捕りだ。龍が大好きだから龍捕りをやっている、などと語っている一幕もある。

さて、ミカがタキタを連れて会いに行く長老は、名はウラ、“千剖士”(せんぼうし)と呼ばれる老人である。古くから龍の解体・加工を生業としてきた一族の族長、だそうだ。ちなみにどれくらい古くからかというと、捕龍船というものが発明される以前、人がまだ地に墜ちた龍だけを狩っていた頃からずっと、だそうである。漠然とした話ではあるが、なんとなく世界観に奥行きが出てきたようだ。結構なことである。

ミカはウラと2年ぶりに対面するのだそうだが、その間に集めてきた「龍の革」をウラに託す。ウラの部族は、その革に細工をして、タペストリーを作っている。一頭の龍から一枚ずつ。一つ一つの模様が別々の龍の革で作られていて、つまり、模様の数が、これまで人が狩り集めてきた龍の数を表しているというわけだ。

そのタペストリーは売り物ではなく、族長が代々受け継いでいくものである。宗教的なものなのか、民俗的風習というべきか、ともかく、そういう倣いなのだ。

タペストリーの中には、ミカが初めて捕った龍の革がある。タキタが初めて解体に加わった龍の革も加えられる。

この世界では、人の営みは龍とともにある。そういう挿話である。悪くない。

では、次はボーイミーツガールの方の話をしよう。カーチャは水揚げ前(この世界にそういう概念や言い回しがあるかどうかはともかく、とにかくそれに類する)の見習い娼婦であり、まだ客を取ったことがない。

そんなカーチャだが客とトラブルになって、それを見ていたジローが割って入り、客同士でケンカになる。ちなみにケンカは大騒ぎになり、廓に弁償だなんだで大変なことになるのだが、ジローはそれをきっかけにカーチャといい雰囲気になるわけである。

ところで、クオーン市では祭が近い。ジローとカーチャは祭りに行く約束をする。ところが、祭は中止になってしまう。大事件が起こったからである。

拘束され、解体を待つばかりの状態で地上に下ろされていた大型の龍(ちなみにクィン・ザザ号が捕ったものではなく別の捕龍船が持ち込んだもの)が、暴れ出したのだ。毒を使って狩ったそうなのだが、毒が足りなかったのである。

死にかけの龍で、ほっとけばそのうちには死にそうではあるが、街が壊されては困る。というわけで、クィン・ザザ号のメンバーでとどめを刺すことになる。それでまたひと騒動。

祭は中止になったが、大物を仕留めてどんちゃん騒ぎとなる。その祭の席で、ジローとカーチャは物哀しくもロマンティックな別れをする。

まあ、何度も言うようにベタなボーイミーツガールなのだが、まあ、青春なんてそんなものだといえばそんなものだ、という話であろう。これも、悪くはない。

といったところで、『空挺ドラゴンズ』の紹介を終える。


空挺ドラゴンズ

空挺ドラゴンズ

原作・著者桑原太矩
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