忍者と極道 2巻ネタバレ感想

忍者と極道(2)

すみません、前巻の紹介に誤りがありました。「壊左の亡骸を見てシノハが激高するシーン」で1巻が終わると書いたんですけど、実はそのあとにも話が続いてました。

いや、そのシーンのあまりのインパクトに終わったかのような気がしてしまったんだけどまだ全然続いていたという……まあ、残ってたのは主にはキャラクター紹介のターンだから、この2巻紹介に混ぜてしまいますが。

忍者と極道【2巻】あらすじ

忍者と極道(2)

今巻は大きく、二つのバトルからなる。

まず一戦目は、極道側の刺客、“破壊の八極道”のひとり“仁義の大侠(おおおとこ)”夢澤恒星(ゆざわ こうせい)vs、“帝都八忍”祭下陽日(まつもと のどか)。

もう一戦は、シノハvs、“破壊の八極道”ガムテ。ガムテは謎の多いキャラクターである。筆者は先の方まで連載を追っているから一通りの公開済み設定を知ってはいるが。まず、ガムテという名前だが、顔にガムテープを巻いている。そしてスカートを履いているが、少年である。性質は殺人狂。本名は2巻時点では不明。

さて、以上ふたつの戦いであるが、どっちも引き分ける。

ただし、一戦目は両者相打ちにより死亡、二戦目は痛み分け(といってもガムテは片腕を奪われる)という、かなり様相の違う引き分けではあるが。

忍者と極道

忍者と極道【2巻】ネタバレ

忍者と極道(2)

さて、夢澤の極道技巧(ごくどうスキル)であるが、“進撃の極道電車道(ヤクザライナー)”という。

名前はすごそうだが実際のところ単に体が頑丈で、再生能力が高いというだけである。キワミによれば、破壊の八極道のうちで最弱であるという。だが、最弱の使い手を前線に繰り出すのは捨て駒だからではない。最弱の八極道が忍者を斃せれば、ほかのメンバーの戦いに希望が産まれるという道理があるからだ。

また、夢澤は(無差別殺人をまったく辞さないことを除外すれば)情に厚い、昔気質のヤクザ者である。子分の中で二十歳未満のチンピラたちを、戦場から事前に逃がす。それも、「スポーツドリンクを買ってこい」とか無茶なことを言ってだ。

一方の陽日はというと、いわゆる一つの火炎系能力者である。炎を操り、そして宙に浮く。今更それくらいで驚くような漫画でもないが、なんでも「特異体質」なのだそうだ。シノハ以外の帝都八忍は、みんな何らかの特異体質の持ち主であるらしい(シノハが弱いという意味ではない)。

陽日も忍者なんかやっている割には情のある人間なので、夢澤が子分を逃がすところを知っていて見逃す。そんな彼の態度に別の場面から懸念を示すのは、忍者たちの長、神賽惨蔵(かさい ざんぞう)である。ちなみにこの人は、「全姿全能」という特異体質の持ち主で、なんにでも変身できる。また本人の発言を信じるなら数百年生きているらしい。

さて惨蔵によれば、「“情”に心揺れし忍者はいとも容易く誤断(ミス)って死ぬ!」のだそうである。

夢澤は書いた通り単純明快な能力しか持っていないので、麻薬の力でパワーアップしているとはいえ、ほとんど異次元の強さを持った陽日にあっという間に“灼華繚乱”なる謎の技でもって部下たちもろとも焼かれる。

だが、死なない。抜き手で胴体を貫かれてなお夢澤は死なず、部下たちも焼けこげながら生きていた。そして、どこからどう見ても瀕死の身体にドス一本で立ち上がった夢澤は、おもむろに自分の腹にそのドスを突き立てた。気合を入れるため、だそうである。

そして、夢澤の部下たち(こっちも決死)に身体の自由を拘束された陽日は、夢澤と相打ちになって致命傷を負う。

極道たちのパワーアップの秘密が「薬物」にあると気付いた陽日は瀕死の身体でそれを仲間に伝えようとするのだが、“破壊の八極道”三人(キワミ、ガムテ、それからもう一人はあとでまた説明するが新キャラ)と遭遇してしまい、頭を撃ち抜かれ背中を斬られる。

その場にさらにシノハが現れるのだが、キワミと新キャラは敵の顔を確認せずに撤退してしまい、後詰めを任されたガムテがシノハと戦うことになる。

仲間を目の前で殺されて怒り心頭のシノハ(この人も情にもろいのである)はガムテを追い詰めるが、ガムテは極道技巧“やまいだれ”なる技を(名前だけ言って)披露せずに撤退していく。ちなみにシノハの方も片目を切り裂かれた。

このあと、キワミが戦闘現場の歌舞伎町を「爆破」して八万人の犠牲者を出し(理由は考えてはいけない)、また忍者・極道双方の新キャラが何人か顔出しをし、2巻は終了である。

忍者と極道【2巻】感想

忍者と極道(2)

1巻の感想で、少しだけ『バジリスク』について触れた。

原作は『甲賀忍法帖』といって、山田風太郎のデビュー作である。甲賀忍者と伊賀忍者が十対十で戦う、というプロットの作品だ。この構造的類似というか明らかなオマージュ、お分かりだろうか。といったところで、続きはまた3巻の紹介で。


忍者と極道

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原作・著者近藤信輔
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トラウマから笑えない少年・忍者<しのは>、表向きはエリート会社員ながら裏では組を牛耳る極道<きわみ>。そんな2人が出会った時、300年にわたる忍者<ニンジャ>と極道<ゴクドウ>の殺し合いの炎が熱く燃え盛る!孤独を抱えた漢達による、情熱と哀切に彩られた命のやり取り。決めようか…忍者と極道、どちらが生きるかくたばるか!

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