『空挺ドラゴンズ』9巻である。今巻では懐かしいキャラが出てくる。
空挺ドラゴンズ【9巻】あらすじ
前巻末で天山迷路の幻の龍を仕留めた直後、クィン・ザザ号はまた新しい龍に遭遇する。船長代理クロッコはその竜を見て、迅速な撤退を指示する。せっかく獲った龍を棄ててまで、だ。
その龍の通称は「震天王テュポーン」。船喰いと呼ばれる、船を襲う龍の中でも世界で最も恐れられる四体(ほかにレヴィアサン、ヴリトラ、マカラというのがいるらしい)の狂暴な龍のうちの一体で、先代のクィン・ザザ号を沈めた張本人だ。クィン・ザザの「船長」は、そのとき船と運命をともにしたらしい。
テュポーンは(どういう原理か)雷を操る能力を持っており、クィン・ザザ号に攻撃を仕掛けてくる。大破させられたがかろうじて墜落だけは免れたクィン・ザザ号、例の屠龍船に曳航されて町まで戻ることになる。
空挺ドラゴンズ【9巻】ネタバレ

さて、クロッコは一つの決意をした。
クィン・ザザ号を改良し、震天王テュポーンとケリをつけにいこう、というのである。
今まで日和見で落ち着いた性格かと思われていたこの人物だが、テュポーンに対してだけは含むところがあるのか、それとも実は根はこういうタイプだったのか。
まずは船を修理・改装しなければならないわけだが、ざっと見積もって最低限必要な資金が5億クーラム。幻の龍にかかっていた懸賞金1億を屠龍船から譲ってもらって残りは4億。幻の龍からの獲得品を市に出してみたところ、一億二億の言い値は付いたのだが、足りない。
そこで結局、リーの母親であるところの商会長に話を持ち掛け、現金ではなく株式で4億、かろうじて用立ててもらうことになる。
で、なんとか資金は集まったが、問題はどこに修理改装を依頼するかである。
ここでヴァナベルが「心当たりがある」という。誰かと思えば、ブルノ(3巻参照)であった。
「テュポーンに遭遇した」という話を電報で伝えたところ、向こうから飛んできて、いつの間にか新装していたオボロカスカ号で、ブルノの拠点である工業都市メロエまで曳航してくれることになる。
そしてクィン・ザザ号はテュポーンを狩るための改造を施されることになるわけだが、まあ当分時間はかかるのでその間船乗りたちは暇である。町でのんびり過ごすのか……と思ったら、そうはならなかった。
実はメロエ市ではいま大きな問題が起こっている。龍が墜ちてくるのである。
何しろ質量がでかいので、完全に災害だ。で、メロエ市では近づく龍すべてを事前に撃ち落とすという政治決定がなされたのだが、龍を愛するブルノはそれが許せない。で、自分が原因を究明して解決したいから(すごい大それた発想だ)と言って、クィン・ザザの水夫を何人か、オボロカスカ号で連れて行くことになる。
龍を生け捕りにして調べてみようとか、なかなか無茶なことを言い出してそれを実行に移すことになってすったもんだあったりするのだが、最終的にはブルノはほとんど直感だけで真相を突き止めてしまった。最近町で使われるようになった無線電波、これが龍の方向器官などを狂わせていたらしいのである。といったあたりで、この巻は終わりとなる。
空挺ドラゴンズ【9巻】感想

巻末には次巻予告(10巻は2021年3月の予定だそうだ)が載っているのだが、それによると10巻はテュポーンとの対決の始まり……ではなくヴァ二―編の開幕だそうである。
今巻でちょっとだけ、内戦の行なわれている都市の出身であるということが明かされたヴァ二ーだが、それがさらに深く掘り下げられるといったようなことらしい。
しかし、妙にヴァ二ーがプッシュされてるのは、アニメ化の際に人気でも出たのであろうか。個人的にはタキタの方が好きなのだが。

空挺ドラゴンズ
龍を追って、世界の空を往く捕龍船『クィン・ザザ号』。大物を捕まえれば一獲千金、獲りたての肉も食べ放題。でも、失敗したらもちろんお陀仏。空と龍に魅せられた乗組員たちの大冒険の旅&世界グルメ紀行!
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