漫画「せんせいのお人形」2巻ネタバレ感想!急激な成長を遂げていく元ネグレクト児!?

せんせいのお人形(2巻)

せんせいのお人形』2巻である。もう表紙からして、一巻ではまったくのネグレクト児であったスミカが「淑女」という感じになっているのが流れを感じさせる。

せんせいのお人形

漫画「せんせいのお人形」2巻あらすじ

1巻の終わりの方でスミカを女学院の編入試験に合格させてみせるとかいう話になったわけであるが、その編入試験のところまでまだ話は進まない。

流れらしい流れといえばスミカに友人ができることくらいで、あとは大きな動きはないのだが、スミカの人間としての成長が少しずつ紡がれ描かれていく。

漫画「せんせいのお人形」2巻ネタバレ

せんせいのお人形(2巻)

スミカに勉強をさせなければならないわけだが、昭明が教えるのかと思ったらそうではない(というか、時間がないよね、仕事あるんだし)。家庭教師をつけよう、ということになるんだが(一巻でスタイリストを呼んできたときなどと同様、発想がやっぱりブルジョワジーだ)、そもそもスミカの基礎学力が低すぎたりなんだりで、うまくいかない。スミカは落ち込むし、昭明も悩んでいる。

そこで、スミカが新しいことを言い出す。

「辺見クン、辺見類(へんみるい)っていう友達の家に行って勉強を習いたい。今度の休み親がいないから気楽に来ていいよって言われた」

昭明はポーカーフェイスになった挙句、「……それはいいが、その勉強会はここでやりなさい」と言う。

引っ張るほどのことでもないので書いてしまうが、辺見類は実は女の子である。で、昭明がいるときに(男にしか見えない恰好で)昭明の家に来るのだが、逆に類の方が突っ込んでくる。

「二人暮らしだと聞いていましたが、てっきり女性なのかと」

類は数学の天才であるらしい。教えるのも非常にうまく、玄人はだしである。それはいいのだが、教えるときに二人の距離が近いので昭明はやきもきする。スミカは相手が女だと知っているのでまったく気にしていないが、昭明はそれが非常に気になるのである。

まあ結局、「天才数学少女 辺見類」が昔テレビに出ていたのを見たことがある、それがあの子か、「よかった」と思いかけたところで、はっと昭明は思う。「良かったって、何が?」その感情にはまだ名前はついていない。少なくとも本人はつけていない。周りは安直に、それは恋愛なのだろうとラベリングしてくるのだが。

さて、学問に興味を持ち始めたスミカに、昭明は哲学史の基礎を教え始める。ピタゴラスがどうしたとか、タレスがどうしたとか、そういったレベルの話だ。スミカは綿が水を吸うようにそれらの知識を吸収していく。やがて学問を学ぶことに夢中になり始めたスミカを見て、昭明は思わず感涙の涙を流してしまう。よくもまあここまで来たものである。

その後、日常が過ぎていく。年越しなので一緒に初詣でに行ったりであるとか。で、その後友達に「初詣で何お願いした?」と言われて、スミカはあっけからんと「昭明さんと一緒にいられますようにって」と言い放つ。

女友達ふたり(片方は類)が血相を変える。そりゃそうだ。しかしスミカには、そこまで言っておいてそれが恋愛感情あるいはそれに類するものだという認識はないのだった。あんまりなので女友達に言われて少女漫画を読まされたりもするが、「こういうのとはなんか違うなあ」くらいにしか思わないスミカである。2巻はだいたいそんな感じだ。

漫画「せんせいのお人形」2巻の感想

せんせいのお人形(2巻)

ぐいぐい成長していくスミカがまぶしい。輝いてすらいるようである。

それに比して陰影を帯びているのはむしろ昭明だ。昭明の過去などにスポットライトが当たる回が来そうな雰囲気をびしびしと感じているのであるが、この先がどうなっているのか(WEB連載なのでけっこう先まで描かれてはいるはずだが、筆者はそちらまではチェックしていない)、把握はしていないのだが、そちらにも焦点が当たる日は来るのであろうか。


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