漫画「センコウガール」1巻ネタバレ感想!少女達の人間模様を描くガール・ミーツ・ガールミステリー!

センコウガール(1巻)

センコウガール』全5巻。タイトルや表紙から全くジャンルが想像できなかったのだが、ミステリーである。

ちなみに電子書籍版のみで刊行されている作品で、紙版はいまのところ、あるいは今後も、ない。だがそれはこの作品の面白さとは無関係の問題だ。これからの時代こういうパターンはどんどん増えていくのだろうな。

漫画「センコウガール」1巻あらすじ

本作品はとある女子高とそこに通う少女たちにスポットライトを当てたミステリーだ。

主人公の名前は如月民子。

開幕、民子が全身返り血まみれで、ナイフを持っている姿が描かれるところから始まる。場所がどこなのかは分からないし、死体などは描かれていない。民子は、「私は黒い箱の中にいる」などと謎めいた述懐をしている。

次のシーンでは、民子はなんだか異常なハイテンションで学校に向かっている。学校では、七子という少女の机に花やお菓子が供えられている。ごく最近亡くなったらしい。

少女たちの会話によると、七子の死は学校の屋上からの飛び降り自殺であるというのだが……?

漫画「センコウガール」1巻ネタバレ

ミステリーの鉄板である「犯人」と「死人」がさっそく出揃ったが、ナイフと飛び降り自殺では状況に違いがあり過ぎ、話がかみ合わない。

ちなみに筆者は既に『センコウガール』全5巻を読破しているので、ミスディレクションには引っかからないのである(当たり前)。

1巻の時点ではネタバレというほどのネタバレのしようもないほど本筋の謎は明かされないので、淡々と話を進めていくとしよう。

この作品全体を通してなのだが、重要キャラクターは主人公のほか主に4人いる。七子と一番仲が良かったという、梨香。派手な外見の少女、英子(ふさこ)。怪我をして走れなくなった挫折アスリート、隼子(としこ)。そして過食症の少女、曜子である。

本巻でスポットが当たるのは英子である。人間の価値なんてものは外見の美しさだけで決まるもので、自分は美しいうちに死にたいのだ、と常々主張している自殺志願者だ。この英子が、民子に目をつけられる。

民子はしばらく不登校であったのだが、その日突然学校にやってくる。三ヶ月ぶりだそうである。で、わけのわからないことをまくしたてたかと思えば、英子、隼子、曜子の名前を読んで、異様な表情でにやありと笑って、保健室へと去っていく。

周囲の生徒たちは、イジメに対する復讐の宣言なのではないか、七子もイジメの加害者の一人だったから民子に殺されたのではないか、などと口さがなく噂している。

ちなみにイジメの事実そのものは本当であるのだが、脇から書いてしまうとこの作品はそういうことを主題にした作品ではほとんどない。

英子は民子におちょくられ、屋上におびき出され、「イジメに対する仕返しのつもりか」と詰め寄るのだが、民子にはまったく話が通じない。

民子は英子に刃物を突きつけ、「いつも死にたいって言ってたから殺してあげる。本当に死にたがってる人が死ぬ時の顔が見たいの」などと言っている。

結局、民子はよく分からない理屈で怯える英子に対する関心を失い、屋上から去っていく。

1巻はこのシーンで終わりである。

漫画「センコウガール」1巻の感想

センコウガール(1巻)

はっきり言って、1巻だけ読んでも全然意味が分からない。だが次の巻に手を伸ばしたくなる誘引力のようなものがあるのは確かだ。

さすがに1巻のネタバレ紹介で作品の全容を全部語ってしまうのも筋が違うとは思うのだが、簡単なところだけ説明すると、この作品は1巻のエキセントリックで暗い印象とはかなり違ったところに着地する漫画である。

よりストレートに言えば「深く考えずに全巻買って一気読みするのがいい。そうすれば分かる」ということを筆者としては主張したいのだが、それだけではあまりにも無責任というものであるので、残り4巻分の解説を通じて、その意味と理由をご説明していきたいと思う。


センコウガール(1巻)

センコウガール

原作・著者永井三郎
価格590円(税別)

七子(ななこ)が死んだ。同時に生まれ変わったような姿で現れた美少女不登校児・如月民子(きさらぎたみこ)。彼女に「名指し」された3人のクラスメイトは、民子の狂気の行動に追い詰められていくが…? 民子の真 の目的は、復讐か、それとも…?? そして民子の自宅の「腐乱した何か」の正体は?? いじめ、マウンティング、毒親…… 全ての「女の子」の呪縛を解き放つ、ガール・ミーツ・ガールミステリー!

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