もっこり半兵衛【6巻】あらすじ
もっこり半兵衛、第6巻。今巻には5つの短編が収録されている。直接的な連続性のある物語はないので、いつものように各話完結方式で紹介していくとしよう。
もっこり半兵衛【6巻】ネタバレ&感想
草を食う男
謎めいたタイトルであるが何のことはない、飢饉に備えて食べられる野草の研究をしている植物学者を主役に据えた話である。岡部清庵と言うのだが、調べた限りでは架空の人物のようだ。清庵は「食べられる草と間違えないために」という理由で毒草の研究もしていたのだが、その研究成果を出版したことが謀反の罪に問われ、処刑されてしまう。しかし、その研究はさる凶作の年に多くのひとびとを救ったのであった。
性獣まら吉
江戸の町に、政吉という髪結いがいた。仕事で訪れた先々で女を抱くので「まら吉」とあだ名されていたのだが、醜女(しこめ)ばかりを相手にするので「悪食」としても評判であった。ある大店の娘に惚れこまれてしまい命を狙われる羽目になり、半兵衛が護衛することになるのだが、まら吉のもう一つの趣味である「薬食い」(※獣の肉を食べること。江戸時代には文化として存在してはいたが、鼻つまみ者の所業であった)が知れ渡るに至り、大店の娘はまら吉を嫌うようになって、事態は一件落着を見る。
お銀の結婚
藤吉という自身番が、お銀という女と付き合っていた。だがお銀は結婚を求められても渋る。半兵衛は昔のお銀を知っているので事情が分かるのだが、実はお銀はもと盗賊なのである。お銀は、むかし自分が属していた盗賊団の頭領が戻ってくることを非常に恐れている。実はその頭領という男は以前に半兵衛に殺害されていたのだが、結局お銀と藤吉が結ばれることはなかった。お銀はある大火の日、燃える家に取り残された幼い子供を救助して、そしてそのまま江戸から姿をくらましたのである。
暁の用心棒
何度も説明するようだが、半兵衛が警邏(けいら)しているのは江戸の中でも町人たちが暮らしているエリアである。最近、武家地にも似たような真似をする者たちが現れたという。旗本や御家人の次男三男といった連中で、自称「暁(あかつき)の用心棒」。ある日、半兵衛はそいつらと遭遇する羽目になるのだが、喧嘩を売られでもするかと思ったらそんなことはなく、かれらは半兵衛のファンであると言い、半兵衛から手柄話などを聞きたがる。それはいいのだが、「暁の用心棒」たちは人を斬っていた。盗賊を勝手に斬ったり、そのへんの通りすがりの浪人に喧嘩を売って斬り合いに持ち込んだりと、自警組織なのかゴロツキの集団なのか紙一重と言った連中である。しかし、「暁の用心棒」のことをつけ狙う者たちもいるらしくて、メンバーは一人減り二人減りとしているらしいのだが……。
集英会の出入り
何巻以来だか忘れたが、竹二郎というヤクザ者が久しぶりに登場する。竹二郎は集英会に属しているのだが、北武蔵の白泉会というヤクザが江戸のシマを狙い、抗争を仕掛けてきているのだという。竹二郎の小細工に乗せられ、半兵衛はその抗争に参加することになる。ところが、出入りの現場にいざ直面してみると相手は百人以上もいた。半兵衛は竹二郎から真剣を借り(半兵衛は普段は木刀を持ってるが、別に不殺の誓いとかをやっているわけではないので)、敵陣に踊り込む。集英会は白泉会と半兵衛が共倒れになることを狙っているのでなかなか助勢してくれないのだが、半兵衛は一人で白泉会の兵隊をほとんど打ち取ってしまう。その戦いの中で、半兵衛は久しぶりの高揚感に身を任せ、同時に、自分の中の人斬りとしての本性が蘇るのを感じてしまう。修羅のような顔をして自宅に帰った半兵衛を、しかし家族や友人たちは暖かく迎えてくれるのであった。
もっこり半兵衛
月並半兵衛はある藩の剣術指南役。あることで脱藩し、江戸へ。ひょんなことで江戸の夜廻りの仕事を月一両ですることに…。それから八年。家族は、こまっしゃくれた八才の娘さやか。夜鷹の協力も得て江戸の夜の悪を退治するのだ。
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