もっこり半兵衛【7巻ネタバレ】連作短編で紡がれる人情大江戸物語が熱い!

もっこり半兵衛(7)

もっこり半兵衛も7巻まできた。

もっこり半兵衛【7巻】あらすじ

もっこり半兵衛(7)

例によって連作短編なので、さくっとネタバレに進もう。

もっこり半兵衛(6)

もっこり半兵衛【7巻】ネタバレ

もっこり半兵衛(7)

将軍様の鷹狩

この作品、時代は徳川吉宗の時代なわけだが、吉宗が鷹狩を計画している。そんなことは別に好きにすりゃいいだろうという話かと思いきや、鷹狩にかこつけて農地を調査し、年貢を上げようと企んでいる。農民たちはそれを嫌がり、「幽霊が出るので」と言って鷹狩を拒もうとする。半兵衛が行ってみると、幽霊はいなかったが、草の生えない不思議な場所があり、掘ってみると温泉が出た。温泉は人気になり、「観光客が多くなりましたから鷹狩には向きません」と半兵衛は報告し、農民たちを守ったのであった。

水茶屋のお千代

半兵衛の友人の町娘が、大名家に側室に上がることになった。いい話かと思いきやこれがとんでもなく、娘は大名に手打ちにされて死んでしまった。半兵衛はブチ切れる。なんと、その大名の暗殺をひとりで企て、本当に(まあ協力してくれる仲間はいるが)本当に実行し、大名をひそかに殺してしまったのであった。かたき討ち成功である。

居合の達人・梶

半兵衛の長屋に、梶という浪人が引っ越してきた。中年男で、居合の達人である。剣術はすごいが町人や百姓には向いておらず、剣術指南役をやって再仕官したい、という。半兵衛は「技量の面から言えばそれだけの実力がある」と太鼓判を押すのだが、そんな世の中は甘くないのである。結局、ほとんどどこの藩邸も門前払い。しかし、一ヶ所だけ、「人斬り半兵衛の首を取ったら、仕官させてやろう」と言ってきたところがあった。半兵衛は梶に頼み込まれ、立ち合うことになる。半兵衛が勝った。しかし、梶は死んではいなかった。梶も強いが半兵衛はもっと強いので、手加減ができるほどの実力差があったというわけだ。

夢二の弔い

乱丸という、レギュラーキャラクターの少年がメインの話。前にも何度も出てきている陰間(男性で売春をやる人のこと)。乱丸の仲間が死んだので、葬儀をあげてやりたい、という。50両くらい要る。実はその死んだ仲間が幽霊になっていて、乱丸とコミュニケーションが取れるので、博打でいかさまができる(幽霊にさいころを読ませて丁半をやるのだ)。で、半兵衛に護衛をさせて、みごとに60両ほど稼いだ。死んだ仲間の死骸を実家に送り届ける。実家では「捨てた子」という扱いになっていたので態度はよくはなかったが、かろうじて死体を引き取ってはもらえたのであった。

宮本伊織の武士道

半兵衛はむかし荒巻藩というところで剣術指南役をやっていた。五年間。天下無双であった。で、脱藩したわけだが、荒巻藩はその後どうなったかというと、宮本伊織という剣客が新しい剣術指南役になり、六年在任していた。ところが藩主が剣術指南役を廃止すると言い出したので、伊織は怒った。あれだけ人を死に追いやったのだからお前も剣で死ね、というのである。伊織は大名行列にたった一人で斬り込み、半兵衛と深い因縁のある荒巻藩藩主の首級をみごとあげた。さすがに自分も鉄砲を喰らってもう助からない状態であるが、その状態で半兵衛に立ち合いを申し込む。半兵衛は勝負を受けた。半兵衛が勝ち、伊織は半兵衛にとどめを刺されて死んだが、半兵衛は「宮本伊織の武士道」に深い敬意を払い、その死を悼むのであった。

もっこり半兵衛【7巻】感想

もっこり半兵衛(7)

同じひとつの巻のうちに大名がふたりも死亡したのでびっくりした。デンジャラスな江戸時代だ。

なお、ソースは作者自身のあとがきだから確実だが、この作品けっこう売れているそうです。私も紹介している甲斐があるというものです。というわけで、また次巻の紹介でお会いしましょう。


もっこり半兵衛

もっこり半兵衛

原作・著者徳弘正也
価格627円(税込)

月並半兵衛はある藩の剣術指南役。あることで脱藩し、江戸へ。ひょんなことで江戸の夜廻りの仕事を月一両ですることに…。それから八年。家族は、こまっしゃくれた八才の娘さやか。夜鷹の協力も得て江戸の夜の悪を退治するのだ。

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