すべてがひっくり返る2巻である。
漫画「終末の天気」2巻あらすじ
どこだかよく分からない場所。あるいは「この世界」ではない場所。透に能力を寄越したフードの男が登場し、その場に、「BAN」で選別された百人の人間がいる。
ここは別の世界とかではないらしく、背景は真っ白で、みんな気を失っている状態だが、まもなく目を覚ます。みんなBANの瞬間から時間が止まっていた(あるいは時間を跳躍している)らしく、記憶はその時点で止まっている。
坂東もいるしその他大勢の人々もみんないる。もちろん、ガールフレンドのサヤもいる。無事である。
そこから話は始まる。
漫画「終末の天気」2巻ネタバレ&感想

さて、サヤと再会した透であるが、人間性は破綻したままである。いや、もともとそういう人間だったのかもしれない。いきなり「セックスしよう!」と言い出す。その場でである。その他大勢の人が大勢いる状態でである。
バカだとかクズだとかいう次元を超えている。狂人の域である。
さすがにここではちょっと、というサヤに対し、自分は他人を消す能力を持っているのだ、と豪語する透。
「BANBANBANBAN!」
とやるのだが、例の人を選別する能力は既に失われていて、何も起こらない。ところで透は現実世界でさっきまで通り魔をやっていたところであるので、周囲の人間の中にはそれを認識している者が大勢おり、あっという間に袋叩きにされかかる。
というところでフードの人物が演説を始める。世界の終わりと、方舟計画なるものについてだ。
だが君たちは選ばれた人間である、と言って、100枚ある(らしい)方舟乗車券、なる紙切れを配り始める。
フードの人物も割とろくな人間(?)ではないらしく、文句を言い始めたチンピラが超能力らしきもので首をへし折られて死んだりするのだが、もはや些事である。
さて、主人公の透、いやもう名前を呼ぶのも嫌だからクズ野郎とでも呼びたいレベルなのだが流石にやめておくか、は、「自分は選別を担当したのだからもっとたくさんチケットを寄越せ」と言い出して、がめつい奴には何もやらない、と言ってサヤの分も含めて2枚ともチケットをもらえない。欲しけりゃどうにかして手に入れるか、他の奴から奪え、とのことである。
で、みんな元の世界に戻される。BANされた場所に戻っているらしい。透はいろいろ策を弄して、なんとか他のチケットを手に入れようとするが、なかなかうまくいかない。
そうこうしているうちに重大なことが分かる。このチケットを持っている人間は、チケットを持っている間に限っては不死身でいられるらしいのである。
たまたまチケットを持っているときに突然出てきたホッケーマスクの殺人鬼に襲われ、頭をかち割られた主人公であるが、死なないのだ。
そうしてチケットを手に入れ、問題はサヤの分なのだが、サヤに状況を話したところ、サヤは透を騙し、チケットを盗んで透のもとから去って行ったのであった。
その後、例の友人が行方不明になっていた間に仕事を首になっていたので、絶望して自殺する直前にチケットをくれたので、透はどうにか自分のチケットを無事に確保する。
2巻ラストシーンは、主人公がどうにかチケットを手に入れたところで、「終末の始まりだ!」と叫ぶところで締めくくられている。
さて。この漫画、はっきり描いてしまうと打ち切られて終了したらしい。それはよく分かる。1巻のときはまだしもだが、2巻ははっきりと見ていて不愉快な典型が増えてどうしようもないレベルである。連載でアンケートでという環境では厳しかろう。
だが、主人公のぶっちぎりの突き抜けたクズさは、見ものではある。
ほんとうに褒めるところが一つもないクズががんばってクズ道を貫いている様には逆に一見の価値があるとこれは嘘ではなしにそう思う。
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