漫画「終末の天気」あらすじ
主人公・黒川透(25歳)はある日、夢を見る。フードをまとった謎の人物にこう言われるのだ。
「お前が選べ…お前が選別しろ 要る人間 要らない人間を…そして選別のとき相手に指をさしこう言うんだ……BAN!」
よくある話であるが、夢ではなかったらしい。謎の超越者らしき存在が、彼に「人を選別する能力」を与えて行った、という、まあなんていうかよくあるアレである。
さて、この作品世界は全体的に暗い。とても暗い。主人公・透もクズ野郎なのだが、その他の登場人物たちもだいたいまんべんなくろくでもない連中ばっかりである。
夢を見たその日、透はバイト先を首になる。「なんか雰囲気が暗いから」という雑な理由でである。ひどい話だが、夜中に生卵を閉店している店にぶつけに行く主人公もそれはそれで大概なのである。
さて、「BAN」の能力であるが、友人と話しているときに偶然から「坂東」(友人の名)と言ってひとさし指を向けたら、坂東は消えてしまった。「選別」されたのである。
なんだかよく分からないが自分は超常の力を手に入れたのだ、ということを理解した主人公は、とりあえず適当にどうでもよさそうな町の人々相手に能力を乱用し、自分の能力の限界などを確かめてみる。右手の人差し指以外ではダメらしい。その他、いろいろ制約があるが、まあたいしたことではない。
それはそうと、透の周りで人が消えまくるので、刑事などにも怪しまれるようになる。「BAN」の一言で簡単に消してしまうことができる、だから問題ない、と透は甘い認識を抱いているのだが。
さて、そうこうしている間に、透にはガールフレンドができる。アパートの隣人である。名前はサヤ。とんとん拍子でいい雰囲気になり、今夜はベッドイン、という感じにまでなるのだが、うっかり「この映画の劇場版が〜」とかなんとか人差し指を向けて言ってしまったがばっかりに、サヤは消えてしまう。
主人公はただでさえダメなフリーターなのだが、これをきっかけに完全に人として破綻してしまう。しばらくは部屋に引きこもる。サヤの友人だという人間がサヤを心配してたずねてくるのだが、サヤを殺したものと疑われ、例によって「BAN」である。
これで完全にタガが外れてしまった透は街に出て無差別「BAN」を始める。バスに乗り合わせた人々、運転手、たまたま街角で演説をしていた政治家、エトセトラエトセトラ。
ところで一つだけ感心なことには、透はBANで消した人間の数を数えていた。その数がちょうど100になったところで、透自身も世界から消える。
そして。
漫画「終末の天気」ネタバレ
夢に出てきた例のフードの人物が出てきて「おつかれさま」と言う。
選別は終わったか、と言うので、「いらない人間をBANして消しまくった」と透は言うのだが。
謎の人物は言う。
「逆」
「君は要る人間をBANの力で選んだの」
漫画「終末の天気」感想

まだ一巻しか読んでいないのだが、基本的にこの作品、評判が悪い。特に、ストーリーと絵柄の評判が悪い。何もかも悪いと言っているに等しいかも知れないが、まあストーリーについてはまだなにしろここまでしか筆者も把握していないから置いておこう。
ただ、絵柄については、どうかな、と思う部分もある。
確かに、いわゆる一般受けのする絵柄ではない。さわやかさのかけらもないし。ただ、作品の暗い雰囲気にはマッチしているし、画力はともかく漫画力の面では悪くはないんじゃないかなあ、という気もする。
「BAN」で人が消えるときの演出の仕方とか、上手といってもいいんじゃないかと思うのだが。
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