幼なじみと神さまと【1巻ネタバレ】神に取り憑かれた少女…幼馴染と子作りに励む!?

幼なじみと神さまと

紹介順は前後したが、『瓜を破る』が始まるより前に描かれた完結済みの作品である。全2巻。続けてご紹介していく。

幼なじみと神さまと【1巻】あらすじ

幼なじみと神さまと

千秋(表紙左の少年)としろね(表紙の少女)は比南島(ひなみじま)という小さな島の出身。

島に高校はないので、中学を卒業するとみな東京の寄宿学校に入るのだが、人口1500人ほどの島のこととて、今年の卒業生は千秋としろねの二人だけであった。

出発の前の日、しろねは謎の存在に取り憑かれてしまう。東京で最初の夜、突然しろねが男子寮の千秋の部屋(二人部屋なのだが一人で使っている)に押しかけてきて、「子供を作る」とか言い出す。

実はそれはしろね本人ではなく、しろねに取り憑いた島の神「ヒナミノガミ」であった。ちなみに、ヒナミノガミの意識が表に出てくるときは頭に角が出る。

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幼なじみと神さまと【1巻】ネタバレ

幼なじみと神さまと

話は続く。なんでも、子供をたくさん作って、自分のいた森を破壊した(リゾート開発のために伐採されたのである)人間たちに復讐するのだという。穏やかではない。

しかし、そのあとすぐしろねが意識を取り戻し、ヒナミノガミの意識の方は引っ込んでしまった。翌日、学校でまたヒナミノガミが現れ、白昼堂々と「子作り」とか言い出したので千秋は慌ててその手を掴んで人気のないとことに連れて行く。

ヒナミノガミが言うには、神様とは言うもののもともと意識だけの存在であり、人間に取り憑く以外ほとんど何もできないのだという。そのあと次第に分かってくるのだが、この神様何もできない上に、知識すらほとんどない。子供を作るとか言っていた割に、性の営みの詳細についてすら実は知らなかったのである。

千秋はしろねのためにヒナミノガミをなんとか追い出そうとするのだが、本人が言うには出ていくことも既にできなくなっているらしい。とことん何にもできない神様である。

しろねが寝ているときしか出てこれないヒナミノガミは、しろねと寮で同室のももという少女に、とりあえず性について教えてもらう。参考資料として示されたのは漫画であった。

そうこうしている間に、しろねが状況の不審さに違和感を抱き始める。自分は夢遊病か何かないのではないかということで、千秋にも相談する。千秋はヒナミノガミに迫られて唇を重ねてしまったりしたことに後ろめたさがあるので、真相を話すことができない。

それから、しろねの両方の顔を知っているにも関わらずヒナミノガミとしろねが別の人格だということにまったく気づかないももが、気を利かせたつもりで二人を街に連れ出す。ヒナミノガミは人間の多さに驚いたりしている(まあ、所詮孤島の土着神だしね……)。人間に復讐するとかなんとか最初のうちは息巻いていたのだが、割と人間の暮らしをエンジョイしている神様であった。

そして1巻の最後の方で、仙堂という編入生が出てくる。寺の息子で、なんか修行を積んでいるらしく、若干の霊能力がある。寮では千秋と同室となった。

仙堂が部屋にいるとつゆ知らないヒナミノガミはいつものように押しかけてくるのだが、鉢合わせた矢先に仙堂少年は言う。人間じゃないな、祓ってやる、と。

幼なじみと神さまと【1巻】感想

幼なじみと神さまと

復讐がどうだとか言ってるのは最初の方だけであり、基本的にはのんびりとしたちょいエロコメディーである。前に板倉梓の作風は「ほのぼの」と「毒」の二系統があると書いたが、この作品は「ほのぼの」の系譜に属すると判定してよかろう。

ただ、千秋の思考からたまーにかすかなゲス野郎の臭いがしたり(紹介したことはないが、その系統だと『間くんは選べない』という凄い作品がある)、ほんのり漂うエロさからいかにもな「板倉梓らしさ」が感じられる部分もあるのだが。

というわけで1巻の紹介はこのくらいにしておこう。前述の通り次の2巻で完結である。


幼なじみと神さまと

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原作・著者板倉梓
価格660円(税込)

美少女に憑依した神さまが子作りを迫る!?東京の高校に進学するために、幼なじみのしろねと共に故郷の島を出た千秋。ところが、しろねの体には島の土地神が憑依していた。森を破壊した人間どもへの復讐として神さまが千秋に求めてきたのは……子作り!? しろねの体を借りて、夜な夜な関係を迫ってくる神さまとの学園生活が開幕!!

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