漫画「無能なナナ」ネタバレ感想!非能力者が能力者に立ち向かうロマン溢れる作品!

無能なナナ

ネタバレと銘打っておきながらこんなことをいきなり言い出すのも恐縮であるが、この漫画、1話の時点ですごいトリックが仕掛けられている。そして1話は会員登録等一切なしでまるごと読める状態で公開されている。

というわけで、できればこの文章をこのまま下へと進まずに、まずは1話だけ読んできていただいてからここに戻ってこられることをお勧めしたい。

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無能なナナ 1話
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漫画「無能なナナ」あらすじ

さて、では1から解説を始めよう。ひとつの小さな島がある。孤島であり離島であるが無人島ではない。学校が一つある。超能力者たちが集められた学校である。

そこに一人の能力者がまた転校してくる。柊(ひいらぎ)ナナ。人の心が読める能力の持ち主、エスパーであるという。

ナナたち超能力者は、「人類の敵」と呼称されている存在と戦うため、という理由でこの学校で訓練を受けている。

この物語のもう一人の主人公は、中島ナナオ。「無能」とさげすまれ、クラスでも日陰者なのだが、その彼の持つ可能性に、ナナが気付く。ナナは、ナナオが「クラスのリーダー」になるべきだというのだが……。

漫画「無能なナナ」ネタバレ

さて。「あらすじ」欄に書いたことが、最初に述べた「1話におけるトリック」そのものである。

ここからはざっくりとネタバレをしていくが、ナナはナナオに接近し、仲良くなる。ナナオは自分の能力を隠していて、誰もその能力を知らないのだが、その正体を知るためである。

ナナオの能力は「他者の超能力の効果を消滅させる」というもの。それ自体はいいのだが、彼は潜在的にはカリスマ的指導者の器をもっており、超能力者たちの真の統率者に成長する高い可能性を秘めている。

だから。抹殺しなければならないのである。なぜなら、「人類の敵」とは彼ら超能力者のことであり、ナナは実は心を読む能力など持っていない、人類の敵すべてを抹殺する任務を与えられている、人類の側の殺し屋だからだ。

1話のラストで、ナナオはナナによって崖から突き落とされ、海に転落して消える。死体は見つかることがなかった。

その先、ナナは自分の能力を隠したまま、淡々と能力者を一人ずつ一人ずつ抹殺していく。

一巻目のターゲットは、ナナオのほか、時間遡行能力者が一人と、キョウヤという名の謎の能力者。

ナナはある程度までは学校の生徒たちの能力を事前に把握しているが、本人が隠していて分からなかったり、或いは能力を偽っていて実は情報とは別の能力を持っていたりするので、それを暴くのも仕事のうちである。なお、たいがいの能力者は能力の代償として発動条件であるとか弱点であるとかを持っているので、それを暴く必要もある。

時間遡行者は割と簡単に抹殺できたのだが、キョウヤについては能力が分からないまま焼き殺そうとして失敗する。彼は不老不死の能力者だったのである。そしてキョウヤはナナに問う。「お前、心が読めるはずなのに、なぜ俺が不老不死だということを知らなかった?」

漫画「無能なナナ」感想

無能なナナ

とても面白いんだけどとても荒削りな作品である。たとえていうならば岩塩を削り出して作っているがごとき荒削りさだ。ちょっとの湿気でダメになってしまう危うさがある。

「能力を持たない人間が超能力者と戦う」。ロマンである。古くからある、異能力バトルものにおける一つのテーゼであるといえる。

ただ問題は、そういうものを書くのは非常に難しい、ということだ。非常に難しいことに挑戦している気概はとても高く評価したいのだが、遺憾なことには粗探しをすればいくらでも粗が見つかってしまう危うさがある。しかし面白いのである。

現在、3巻まで出ている。ともかくはそこまでご紹介していこう。


無能なナナ

無能なナナ

原作・著者るーすぼーい / 古屋庵
価格628円(税込)

絶海の孤島にある学園。そこでは人類の敵に対抗すべく、若き能力者達が訓練に明け暮れていた。そして転校生の主人公も同様に「人類の敵抹殺」を胸に、行動を開始する…。想像をことごとく裏切る、正義と悪の知略サスペンス開幕!!

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