どこから説明したものか話が長いのだが、とりあえず「同名のアニメ映画のコミカライズ」である。上下二分冊。それ以上のことはまた後で。
ジョゼと虎と魚たち（上）あらすじ
鈴川恒夫（以下ツネオ）はダイビングショップでアルバイトをしている22歳の大学生。
あるバイト帰りの道すがら、坂の上から暴走してくる車椅子を身体を張って止めたところ、その相手は可憐な少女だった（とツネオは思った。実は小柄で若作りなだけで自分よりも年上なのだが）。
なんとなくその少女（だとツネオは思っている）の祖母に招かれて家についていくことになり、なんとなくその生まれながらに足が不自由な少女（否、実際には24歳である）の世話係として雇われることになるのだが、その相手ジョゼ（本名はクミ子であるが、自分はジョゼであると言い張って聞かない）はとんでもないじゃじゃ馬娘（でも24歳）で……。
というところから始まるラブストーリーである。
ジョゼと虎と魚たち（上）ネタバレ
ジョゼは最初、ものすごく態度が悪い。婆ちゃんの手前というものも考えず、悪態のつき放題である。
バイトとして雇われて最初のうちは、やれ正座のまま何時間耐えられるか試せだの、畳の目を数えろだの、無茶苦茶を言われまくる。
ツネオははじめジョゼに対して険悪な感情を抱いていたようでもあるのだが、ある日、ジョゼのいないジョゼの部屋（入るなと言われていたが入ってしまった）に入り、多くの絵に彩られた空間に感銘を受ける。
そのころジョゼはどこにいたのかといえば、車椅子でひとり脱走を図っていたのである。祖母から、一人で外には出るなと言われているのだが。
ツネオはジョゼを、本人の望むままに海に連れていく。海に来るのは人生で実に二度目で、そのときは怖くて近づけなかったのだが、海が本当に塩辛いのかどうか、確かめたかったのだという。
で、ツネオはジョゼをお姫様抱っこして浜辺を歩く。海が本当にしょっぱいことを知るジョゼである。
その後、ジョゼは祖母の目を盗んで（もちろんバレているが）しょっちゅうツネオと外出するようになる。完全に完璧にどこからどう見てもデートである。
そんなある日、図書館でジョゼは一人の司書の女性と出会い友人同士になる。ジョゼという名前はサガンという小説家（実在）の作品の登場人物に由来するらしいのだが、司書の人も同好だったのだ。
その後、ジョゼは図書館で子供たちに絵本の読み聞かせをする機会を得るが、失敗してしまう。だが、ホワイトボードに「人魚姫のお城」を描いてみせたらそれはすごかった。これは伏線である。
ジョゼとツネオは（喧嘩したりもするけど）とてもいい感じになってくるのだが、ある日、祖母が亡くなる。
ジョゼひとりの生活では、ツネオを雇い続けることはできない。
そう告げる場面で、とりあえず「下巻に続く」となる。
ジョゼと虎と魚たち（上）感想
最初から話を始めよう。この物語の本当の原作は、田辺聖子による同名の短編小説である。1980年代に書かれ、同題の短編集の表題作となった。
内容はかなり違うし、そもそも非常に短い（読了済みである）。十数年前に実写映画になったりもしたのだが（これは未見）、その後さらに2020年、コミカライズとアニメ映画が平行して製作され発表された。それがこの作品である。
ちなみに余談だが、同時にノベライズも出ている。そもそも小説が原作なのに、そのリアレンジ版が企画され、ノベライズされる。割とあまり聞かない話であろう。
読んでいてしみじみと思ったのだが、このコミカライズはほぼ99％、アニメ映画版そのままである。よって、内容に対する感想は映画に対する感想と全く同じものにならざるを得んのだが、それについては下巻まで筋書きを解説してからそこで触れていくとしよう。というわけで、そう先にはならないので下巻の紹介をお待ちいただきたい。
ジョゼと虎と魚たち
幼いころから車椅子で、絵と本と想像の中で生きるジョゼ。彼女はある日、大学生の恒夫と出会う。最初はぶつかりあいながら、やがて距離を縮めていくふたり。彼女はあるきかっけで、外の世界へ恒夫と共に飛び出すことを決めるが……。
※電子書籍ストア内の検索窓にて「ジョゼと虎と魚たち」と入力すれば素早く絞り込んで作品を表示してくれます。
＼＼ NEXT ／／
✅ ジョゼと虎と魚たち（下）ネタバレ！過酷な運命に抗う二人の恋に終幕！
この漫画は電子書籍ストア「BookLive!」で配信中！ 試し読みも可能となっています！
今すぐ試し読みする
※電子書籍ストア内の検索窓にて「ジョゼと虎と魚たち」と入力すれば素早く絞り込んで作品を表示してくれます。