というわけで下巻である。
そういえば説明が遅れたが、この作者というか作画(映画でもキャラクター原案にクレジットされている)の人は、『荒ぶる季節の乙女どもよ。』という漫画が代表作である。基本的に原作のある漫画ばかり描いている人らしい。
ジョゼと虎と魚たち(下)あらすじ

祖母が死んで一人になったジョゼであるが、これからの身の振り方を考えなければならない。絵を描いて生計を立てていきたいと本人は考えているのだが、足のハンデのこともあり、自活というのはなかなか難しい、と本人は悩んでいる。
そこでツネオが背中を押すようなことを言うのだが、ジョゼは「健常者にはわからん」と言って突き放してしまう。
車椅子でひとり帰ろうとするジョゼ、追いかけるツネオ、そこでツネオが車にはねられる。
命に別状はなかったが、足に大きな怪我を負い、少なくともリハビリが必要で、悪くするともう健常者には戻れないかもしれない、という。障害者もう一丁上がりというわけである。
ジョゼと虎と魚たち(下)ネタバレ

説明してこなかったが、ツネオには夢がある。南米の海でダイビングをするのである。そのためにメキシコの大学に留学するための努力をしていて、バイトをしているのも資金稼ぎだ。だった。
怪我をしたので、もう留学も無理だし、そもそもダイバーに復帰できないかもしれない。そういう事態である。
ツネオは落ち込む。深刻に落ち込む。
ところで、紹介しなかったがツネオのバイト先の同僚の女の子で、ツネオにぞっこんホの字の子がいる。ジョゼとも面識があるのだが険悪である。
その子が、もう留学もダイビングもどうでもいいやと焼けばちになっているツネオに告白をする。恋愛感情を持たれていないのは分かっていたが、告白をするのである。ちなみに名前は舞という。
舞は振られた足でジョゼのところに行き、宣戦布告をする。夢をあきらめたツネオを自分に夢中にさせてお前から奪ってやる、というのである。だが、ジョゼは「ツネオは諦めたりせえへん」と言って、見栄を切る。
ここから、ツネオを励ますためのジョゼの一世一代が始まる。画力を生かし、紙芝居を作るのである。
『人魚姫』をベースに、自分とツネオの話を盛り込んだ創作の物語だ。図書館で、子供たちの前で、ツネオも見ている前で、ジョゼはいっしょうけんめい紙芝居を上演し、そして大喝采を受ける。
その後、意気を取り戻したツネオはリハビリをがんばって、どうにか自力で歩けるようになる。なんとかなりそうである。
そして退院の日が決まる。迎えに来てくれと告げるツネオであるが、その日なぜかジョゼは逃げる。逃げて逃げて、坂道で転がり落ちそうになり、そしてツネオにまた助けられる。二人はそのまま愛の告白をお互いにして、そして口づけを交わす。
ジョゼは言う。「想像と違った。いい方にな」
というわけで、これで完結である。
ジョゼと虎と魚たち(下)感想

いやー、映画って本当にいいものですね。と映画館で見たときに思った。よい映画だった。今回それを漫画として読んだわけであるが、なんか、そのリバイバルを紙で(いや、電子書籍だけど)で見たような読後感のコミックである。この漫画もいいが、映画版もいいぞ。そろそろレンタル出てるかな?(本末転倒)
物語についてであるが、ラブロマンスであるというのはいいとして、要するに障害者とそれを取り巻く問題についての作品になっているわけである。その真摯で、安易に障害を美化したりなんだりしない物語構成はとても澄んでいたと思う。
最後に原作の話をしよう。田辺聖子の小説版である。
原作の二人は登場当初からただれた同棲関係にあるカップルである。性描写もばっちりある。だから何だというわけではないが。

ジョゼと虎と魚たち
幼いころから車椅子で、絵と本と想像の中で生きるジョゼ。彼女はある日、大学生の恒夫と出会う。最初はぶつかりあいながら、やがて距離を縮めていくふたり。彼女はあるきかっけで、外の世界へ恒夫と共に飛び出すことを決めるが……。
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\\ 最初から! //
✅ ジョゼと虎と魚たち(上)ネタバレ!大学生と車椅子少女のヒューマンラブストーリー!
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