漫画「不滅のあなたへ」8巻ネタバレ感想!主人公の新たな力に驚愕!

不滅のあなたへ(8)

前巻ではただ「バカ王子」とのみ紹介したキャラクターだが、正しくは「ウラリス王国のボンシェン・ニコリ・ラ・ティスティピーチ=ウラリス」。通称ボン。第一王子であるが、現在のところ王太子は弟。現行の「ウラリス編」の中心人物である。

なお、少なくとも9巻まではウラリス編が続く模様。

不滅のあなたへ(7)

漫画「不滅のあなたへ」8巻あらすじ

ウラリス編であるが、おおむねボン王子と行動をともにする形で話は進む。

一緒に城に行って歓迎を受けたり(それでそんなに喜んだりするようなフシではないが)、一緒に旅に出たり、帰ってきたらボン王子とフシがいっしょくたに異端審問にかけられてしまったり。

漫画「不滅のあなたへ」8巻ネタバレ

ボン王子はぱっと見には王子というより道化師にしか見えない怪人である。言動も奇矯だ。だが、突然鋭い眼になって鋭いことを言ったり、フシに対してもずばりとした口を利いたりする。

もしかしたらバカのふりをしているだけでほんとうは賢いのかもしれないが、どう考えても地でやってるとしか思えない部分もかなりあり、やっぱり賢い変人なのかもしれない。

今巻は、ハヤセの死以来となる恋愛要素の強い巻でもある。まず、前巻から出てくるハヤセの末裔、カハク。パロナの姿のフシに恋愛感情を抱いていて、今巻でこともあろうにプロポーズをかます。

ここで問題となるのがフシの性自認である。「男でいた時間の方が(比較的)長かった」くらいの自認しかなかったし、そもそも別に男でも女でもないのだが、パロナの姿でカハク(なおカハクは一応断っておくと男)に抱きつかれたら嘔吐した。

カハクは押せ押せなので、他の姿に変身して難を逃れようとするフシに迫りまくるのだが、パロナがその昔ハヤセに殺害されたという事実を聞かされてからはおとなしくなるのであった。

結局、フシは少なくとも男性には性的興味はないらしい。女性に対してならあるのか、というのもまだ謎ではあるが。

さてもうひとり。ボン王子の家来で、トドと呼ばれている子供がいる。男として扱われているのだが、実は女の子である。ボン王子のことを恋愛的な意味で慕っている。それでどうにかなろうとかいう野心を持っているわけではないらしいが。

もう1点。今巻で、フシの性質というか能力というかについて、非常に重要なことが明らかになる。

フシは現在この世界における有名人であり、不死の力を持つという事実も知られている。だがいろいろと誤解されている部分も多く、「病気で死にそうな娘を助けてくれ」とか旅先で言われるのである。

フシはそんなことは無理だ、と言い張る。そうこうしているうちに娘は死ぬ。

今度は「生き返らせてくれ」と言われるので、フシは物質を作り出す能力を使って、娘の死体をもう一つ作ってみせる。「俺にできるのはこれだけだ」と言って。

ところが。フシがその場を離れた後、ボンが見ている前で、その死体が蘇ったのである。フシは、まだ自分でも気付いていないが、死者を蘇らせる力を持っているのだ。

漫画「不滅のあなたへ」8巻の感想

不滅のあなたへ(8)

今回明らかになった「死者を蘇らせる力」は、世界の摂理そのものを根幹から揺るがしかねない力である。ボン王子はいろいろと考えを巡らせて、とりあえずフシにもその事実を伝えないようにしている。

読者の視点からしても、「これ、どうするんだ?」という感じである。

回数制限でもあるならともかく、無制限の死者蘇生というのは、いろいろ不味い気がする。もう既にそうだといえばそうなのだが、フシは神ともなれてしまうからだ。異端がどうとかいう次元の問題ではなくなる。

だがこの作者はなんといっても辣腕(らつわん)であるので、この大振りな設定もなんとかねじ伏せてみせてくれるのであろう。先に期待である。


不滅のあなたへ

不滅のあなたへ

原作・著者大今良時
価格462円(税込)

何者かによって”球”がこの地上に投げ入れられた。その球体は、情報を収集するために機能し、姿をあらゆるものに変化させられる。死さえも超越するその謎の存在はある日、少年と出会い、そして別れる。光、匂い、音、暖かさ、痛み、喜び、哀しみ……刺激に満ちたこの世界を彷徨う永遠の旅が始まった。これは自分を獲得していく物語。

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