漫画「でっちあげ」は福田ますみ先生のノンフィクション小説「でっちあげ」をコミカライズした作品。実話ベースの事件を漫画化した衝撃作である。
教え子に苛め、虐待をしたと訴訟されていく教師・杉谷。
メディアでも杉谷は「殺人教師」といったレッテルが張られていく。そんな中、法廷に立った杉谷は誰もが驚愕する言葉を口にしていく。全ては「でっちあげ」であり、自分は無実であると主張していく杉谷。
モンスターはどちらなのか…全て現実に起こった実話ベースの衝撃作が登場です!
でっちあげ【ネタバレ】
第1話〜3話までは序章・史上最悪の殺人教師といった章立てになっている。第4話〜5話は第一章・血が穢れているといったエピソードになる。
1話ネタバレ
小4男児に自殺を強要した教師の事件が週刊誌を賑わしていく。悍ましい事件。その背景が明かされていく事へ。時は遡って平成17年5月12日へ。
この物語のキーマンである小4男児である秀二(しゅうじ)…彼の自宅に担任教師である杉谷先生が家庭訪問でやってくる。母親も快く出迎えていくが席に着いたと同時に杉谷先生は差別発言をしていく。
『秀二君は血が混じっているんですよね?』
どこの血が混じっているのか具体的に聞いていく杉谷。母親は祖父がアメリカ人とのハーフだと答えていく。
『純粋ではないんですね』
杉谷は突然、怒りを露わにしていく。そして太平洋戦争を引き合いに出してアメリカが日本にしてきた事は絶対に忘れないと語気を強めていく。
秀二の母、杉谷の発言は差別だと主張。
彼女の言葉を鼻で笑う杉谷…彼は外国人の血=穢れた血であると答えていく。タイミング良く帰宅してくる秀二。二人のやり取りを聞いており、翌日になると母親に尋ねていく。自分の血は汚いのかと…。
そんな彼を抱きしめて落ち着かせていく母親。夫が帰宅してからは杉谷先生や秀二の事について相談をしていく。取り敢えずは先生を無視していれば良いだろうと結論を出していく夫。
その後、学校では杉谷による秀二への苛めがエスカレートしていく。
テンカウント以内に片付けが終わらなければ「天狗さん」と称して杉谷は秀二の鼻をつまみ捻り上げていく。
明らかに様子のおかしい秀二から話を聞いて驚愕していく母親。彼女は杉谷と闘う覚悟をしていく。
2話ネタバレ
秀二の母親は学校に乗り込んで自分の息子が担任教師に苛めを受けている事を校長、教頭に告げていく。家族の願いは秀二のクラスである4年3組から担任の杉谷を外して欲しいといった旨を告げていく。
しかし、新学期も始まったばかりで生徒が混乱するような事は避けたい学校側。それを察知した母親は杉谷を監視していて欲しいとお願い。
そして吉野といった女性の先生が杉谷の監視役として抜擢されていく。
体育の授業中、マットや跳び箱の準備をする秀二に近寄っていちゃもんをつけていく杉谷。お前のせいで監視がついてしまったと…。右腕を振りかぶっていくと吉野先生が現れる。彼女は一部始終を上の先生達に報告。
杉谷は4年3組の担任から外される事になっていく。
担任では無くなったが登校時に校門前で杉谷と対面をしていく秀二。杉谷は秀二に恨みつらみを吐き出していき、外道な言葉を放っていく。
『死ね…自分で死ね…死に方教えてやろうか』
秀二は住んでいるマンションから飛び降りる。騒がしい駐車場。自分の息子の名前が呼ばれており、嫌な予感を感じていく母親。
3話ネタバレ
足から落ちていたので命に別状はなかった秀二。
その後、メディアで秀二と杉谷の関係が報道されていく。教育委員会も調査の結果、杉谷が教え子に苛めと虐待していた事実を認めていく。そして杉谷は6ヶ月の懲戒処分を受ける事へ。
月日は経過して秀二も退院。
しかし、彼はPTSDを発症。息子が未だに苦しめられている事に怒りを隠せない両親。
そんな中、沢渡家(秀二の名字)に一本の連絡が入る。相手はとある週刊誌の小島真吾といった男であった。彼は秀二の話が聞きたいと取材を申し込んでいく。最初は断る母親。
小島は今回の事件を全国へ知らしめて糾弾したいといった強い意思を見せていく。彼の信念、そして息子である秀二に日常を取り戻してあげたい母親。小島の取材を受ける事を承諾。
そして沢渡夫婦は息子のPTSDを理由に教諭や市を相手取り1300万円の損害賠償を求める訴訟を起こしていく。始まる第1回口頭弁論。法定の前に立たされた杉谷。彼は公の場で思いよらない言葉を発していく。
『沢渡さんは嘘をついています』
杉谷は全て嘘だと発言。
人種差別的発言も教え子に対する苛めや虐待についても一度だってしていないと口にしていく杉谷。
『沢渡さん…そしてその周りの方達のでっちあげです』
体を震わせながら答えていく杉谷。目を見開き…何とも言えない怖い表情で杉谷をじっと見つめていく秀二の母親。
4話ネタバレ
1話〜3話までは秀二、秀二の家族の視点から見た出来事が明かされていたが、4話からは杉谷視点で今までの過程が明かされていく。
杉谷には妻、息子がいる。
高校受験を控えている息子に人生の先輩としてアドバイスをしていく杉谷。まったく生徒に苛めや虐待をするような先生には見えない。
そんな中、彼は学校から連絡が入って『沢渡さんから連絡あって家庭訪問に来ていない』といったクレームがあったと知らされていく。
沢渡家の家庭訪問は13日であった。
しかし、学校側からの連絡もあった為、再度日程確認の為、沢渡家に連絡する杉谷。秀二の母親は本日12日が家庭訪問の日程日だと無茶苦茶な事を言い出していく。
ここは穏便に済ませようと自分の勘違いであったと謝罪していく杉谷。夜8時を過ぎていたが今からでも構わないと言われてしまったので沢渡家に伺う事へ。
そして杉谷にとって恐怖の家庭訪問が始まっていく。
5話ネタバレ
杉谷は家庭訪問の日程を間違えていた事で秀二の母親が怒っていると思っていたが実際はそんな事もなく安堵していく。そして秀二の事について話してく訳だが…杉谷はちょっと掴めない母親の言動に困惑をしていく。
そして母親は自分の息子である秀二は「ADD児」だと考えている事を明かす。ADDとは注意欠陥障害だそうだ。ADHDは若干違う模様。次第に話も秀二の事から自分自身の話にすり替わっていく母親。
ここで母親側のパートと杉谷側のパートで二人のやり取りに大きな違いがある事が浮き彫りになっていく。自分の祖父はアメリカ人だと自ら伝えていく母親。そんな話を聞いて杉谷は答えていく。
『アメリカの方と血が混じっているから秀二君はハーフのような顔立なんでしょうね』
目鼻立ちがはっきりしていて凛々しいと褒めていく杉谷。沢渡家の電話が鳴る。一呼吸置く杉谷。家庭訪問に来てから既に1時間が経過していた。そろそろ終わりにして帰宅する旨を告げようとしていく杉谷。
しかし、母親はまったく杉谷を帰そうとしなかった。身の上話をしていく母親。途中インターホンも鳴って、母親の話が止まったのタイミングで帰ろうとする杉谷であったが玄関先の相手は秀二の兄に任せていく母親。
帰ろうとうする杉谷にコップに飲み物を入れて『おかわりどうぞ…冷めても美味しいんですよ』と語りかけてくる母親。まったく帰らせてもらえない事に恐怖を感じていく杉谷。
でっちあげ【感想】
秀二の母親側の視点と杉谷本人の視点ではまったく発言や状況に違いがあり、どちらが真実を話しているのか1巻では判断がつかない状態。そして杉谷に対する印象も前半と後半では大きく変わってくる。
モンスターはどちらなのか…!?
そして、この漫画はノンフィクション小説をベースに作られている実際に全て現実で起こった事が描かれている。調べればすぐに事件の真相は判明していくのだが、そこを堪えて漫画で真相を知っていきたいと思う。
緊迫した空気とヒリヒリとした雰囲気が伝わってくるヒューマンサスペンスドラマ。興味が出た人は是非、チェックしてみてくださいね☆彡
でっちあげ
どこにでもあるような街の、どこにでもあるような学校。どこにでもいるような母親と、どこにでもいるような先生。どこにでもあるようなありふれた関係、のはずだった。悪夢の“家庭訪問”までは――。小さな街で起きた“体罰事件”は全国を駆け巡り、やがて裁判へと発展する。世論の見守る中、正義の鉄槌が下るはずが……。
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