来夏にアニメ化が決まった『よふかしのうた』、8巻である。
よふかしのうた【8巻】あらすじ
前巻の紹介で、次は平田ニコの過去篇になるっぽい、みたいなことを書いたのだが、結論から言えばほぼ外れであった。この8巻はほぼナズナの過去篇である。ページ数にして半分くらいは純粋な回想シーンだし。
実はナズナには十年くらい前、つまりコウ以前に親しい人間がいて、そいつは女性なのだがかなり親密で、ナズナの最初の眷属候補であった。
8巻の中心人物は（現在時点では生死すら不明で、登場もしないが）実質的にそのキャラクターである。
よふかしのうた【8巻】ネタバレ
さて、平田ニコのいる夜間学校（普通科高校の定時制らしい）にやってきたナズナとニコ。ちょっと会話をして、そこから「ナズナがヴァンピールである事実をニコはこれまで知らなかった」ということが分かる。カブラは仲間にもその事実を教えていなかったようだ。
さて、ニコは二人に「ちょっと授業を受けていけ」と言う。そうしたら、クラスメイトの中に変な惚れっぽい女がいて、コウは告白されてしまう。で、その女が占拠している文芸部の部室にナズナの過去の手がかりがあるということで、コウは「どうせ一週間くらいで飽きるから」と説得され、変な女（名前はリラ）と付き合い出すことになる。
で、リラが所在を知っていた過去の部誌の中に、ナズナに関する記述が見つかった。それを読むコウ。しかし、詳しいことは載っていなかったので、けっきょくナズナ本人に話を聞くことになる。ナズナ自身の口から、十年くらい前の過去篇が語られ始める。
この頃のナズナは、自我を確立したばかりで非常に未熟な状態にあった。ほとんど人間未満みたいな状態の精神性しかなく、また、ここも重要なのだが、この頃既に自分の出生や、ナズナとの関係をほとんど忘れていた。ニコは、彼女の未熟さを案じ、自分の学校で学ばせることにした。
で、ある日、ナズナは目代（めじろ）という少女と出会う。彼女は一人しかいない文芸部の部員であった。細かいことは省くが、仲良くなり、部室で一緒にクダをまく感じになった。
目代は問題を抱えた家庭に所属している少女であった。どうも、父親が浮気をしている疑惑があり、母親がそれをなじる、そして泣く、という状況が繰り返されていたのだそうである。で、家にいたくないので部室にずっといる生活をしていたわけだ。
ナズナは精神的に未熟なので、面白半分に話を聞いているかと思ったら、突然目代に共感を示して怒ったりする。不安定なのである。
さて、ナズナと目代はその父親が本当に浮気調査をしているのかどうかを確かめるため、探偵ごっこを始めることになった。父親の職場の前で張り込んでいたら父親が本当にやってきたのだが、しょせん素人なので、鉢合わせそうになる。かろうじてテーブルの下に隠れる目代。その後、ナズナはその父親を尾行し始める。
車に乗られてしまい、これは普通に追跡するのは無理かな、と思って吸血鬼の能力を使って（身体能力が高いのである）追跡を始めたのだが、それでもなぜか失敗してしまった。で、手にけがをした。それを目代に見られた。その傷がみるみるうちに回復するところも、である。これで正体バレした。
で、ナズナは言う。「わたしの眷属にならないか？」と。
よふかしのうた【8巻】感想
「お前も鬼にならないか？」（これが言いたかっただけです）というわけで、実はコウと出会うより前にしっかりそういう過去があったことが判明した回である。
ちなみに、コウは本人からその話を聞かされているわけだが、めちゃくちゃ嫉妬している。かわいい。ちなみに、結論から言えば目代は「吸血鬼にはならなかった」そうなのだが、その詳細はまた次巻で、ということのようだ。
よふかしのうた
『だがしかし』コトヤマ待望の最新作！！恋と青春は、夜に生まれる__さあ、たのしい夜ふかしの時間だ！不眠が続く中2・夜守コウは、初めて一人外に出た夜、美しい吸血鬼・七草ナズナと出会う。「今日に満足できるまで、夜ふかししてみろよ。少年」彼女との二人きりの夜ふかしがコウの運命を大きく変えていく__「これは、僕が、七草ナズナに恋をするための物語だ」眠れない夜を過ごす全ての人へ贈る__真夜中のボーイ・ミーツ・ガール！
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