波よ聞いてくれ【9巻ネタバレ】再び新興宗教が登場…拉致監禁されて窮地に陥ってしまう!?

波よ聞いてくれ(9巻)

波よ聞いてくれ』9巻が刊行された。

波よ聞いてくれ【9巻】あらすじ

波よ聞いてくれ(9巻)

この作品はそもそも作中人物たちの丁々発止の軽妙なやり取りに一番の妙味があり、「あらすじに書き起こした作品のストーリーが面白い」というような性質のものではあんまりないわけだが、それにしても今巻は比較的ストーリーらしいストーリーがある。

なんとなれば、瑞穂が怪しい男に攫われて拉致監禁されてしまうのである。犯行の主体は誰かというと、またしても例の新興宗教団体であった。教祖が獄中にあるにも関わらず、残された信徒たちがまだ活動していたらしい。

波よ聞いてくれ(8)

波よ聞いてくれ【9巻】ネタバレ

波よ聞いてくれ(9巻)

外国からのお客さんをゲストに招いてラジオ放送をするミナレである。この外人がえらくフリーダムなおっさんで、二人で酒を酌み交わしながら(マジで飲酒しながら)ラジオ放送をする。実にこの内容が面白いのだが、まさか文章そのものを引用するわけにもいかないのでどう面白いのか伝えるのが容易でない。手抜きで済まないがぜひ読んでみてほしい。

ふざけたおっさんだなあと思ってミナレは呆れているのだが、おっさん本人自身がやっている外国でのラジオ放送(※外国の放送だが内容は日本語。そういうラジオ番組をやっている)そのものは、非常に真面目でかつ日本への親愛にあふれた誠実な内容で、ミナレすらも感動するのであった。

さて、次の企画として、バレンタインのイベントというのがある。複数のラジオ局が共同でイベントをやって、お互いの番組に出演したりとかなんだりとかそういうことをするのだが、ミナレも出ることになり、一番新人なので他局にあいさつ回りに行く。初対面の芸能人とかもいるので、ミナレもびびっている。

それを終えたミナレがプロデューサーと居酒屋で飲んでいたら、瑞穂のところに電話がかかってきた。番組『波よ聞いてくれ』に対する取材の申し込みである、というのだが、なんとなくおかしい。まず、名乗っている取材主体が、既に休刊になっている雑誌であり、それを復刊するから復刊号の企画として取材したい、というのである。

他にも怪しい点はいろいろある。だいたい、腐ってもラジオ局である。表の代表電話というものがある。ADに過ぎない瑞穂に直接電話をかけてくるのはおかしいんじゃないか、ということである。

でもって、待ち合わせ場所も問題だった。カフェである。こういう場合、ホテルのラウンジなどを使うのが業界的に常識なのだそうだが、そのへんもおかしい。

だが、いろいろ「なんか変じゃない?」とみんなが心配していたら、瑞穂はキレた。相手が怪しい相手かどうかの判断くらい自分でできます、とか言って。

結論から言えば浅慮であった。取材の打ち合わせもそこそこに車に乗せられた瑞穂、ヤバいと気付いて逃げようとするのだが失敗。あらかじめ用意されてあったらしい小屋に放り込まれて外から鍵をかけられてしまう。

小屋の中にはもちろん暖房器具があり(なかったら監禁ではなく殺人になってしまうからな)、簡易式とはいえ用を足す手段もあり、食料、水、ヒマを潰すための本まであった。至れり尽くせりとは言わんまでも、「三日後に解放する」みたいなことも言われている。だが、本人は自力で脱走することを考え始める。

一方、連絡がないので不審に思ったミナレのところに「拉致された」という内容のメールが届く。ミナレはタクシーで飛んで行く。たまたま一緒にいた茅代まどかも、猟銃(本人はエアガンだと言っている)持参でついていくことになった。火急である。というところで、次巻に続く。

波よ聞いてくれ【9巻】感想

波よ聞いてくれ(9巻)

面白い作品ではあるのだが、正直言って新興宗教編はもうこれ以上引っ張らないでほしいなあというのが正直なところ。さっさと解決してくれないものだろうか。次のイベントも待ってるし。


波よ聞いてくれ(1)

波よ聞いてくれ

原作・著者沙村広明
価格660円(税込)

舞台は北海道サッポロ。主人公の鼓田ミナレは酒場で知り合ったラジオ局員にグチまじりに失恋トークを披露する。すると翌日、録音されていたトークがラジオの生放送で流されてしまった。激高したミナレはラジオ局に突撃するも、ディレクターの口車に乗せられアドリブで自身の恋愛観を叫ぶハメに。この縁でラジオ業界から勧誘されるミナレを中心に、個性あふれる面々の人生が激しく動き出す。まさに、波よ聞いてくれ、なのだ!

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