波よ聞いてくれ【8巻ネタバレ感想】震災編も終わって新章の幕開けを示唆!?

波よ聞いてくれ(8)

変換するたびに「奈美代聞いてくれ」になって困る『波よ聞いてくれ』8巻である。

波よ聞いてくれ【8巻】あらすじ

波よ聞いてくれ(8)

引き続き、震災編と、いろいろな意味でグダグダになった感のある(話がつまらないという意味ではないが)引きこもり編がいずれもおおよその落着(厳密なことを言えば震災に終わりというものはないが)まで、描かれる。

そしてこれは後述するが、新章らしきものもスタートする。

二回目読み返していて気が付いたのだが、現実に起きた「平成30年北海道胆振東部地震」(気象庁による正式名称)と、この漫画の作中での震災は、季節が微妙に違う。作中では、11月の末くらいに地震が起きている。北海道における11月の末は、事実上冬である。

一方、平成30年北海道胆振東部地震が起きたのは同年9月6日である。前巻紹介で書いた通り筆者は実地にこの震災を経験しているので、「冬だったらもっと大変だった」と多くの人が胸をなでおろしていたのを記憶している。

そのあたりの違いは、作中の描写にも細かく反映されている。

波よ聞いてくれ

波よ聞いてくれ【7巻ネタバレ感想】ざっくり新章突入!引きこもり編スタート!

波よ聞いてくれ【8巻】ネタバレ

波よ聞いてくれ(8)

さて話は震災当日からである。ミナレは、例の引きこもりの家のキックボードを借りて、藻岩山ラジオに夜のうちに駆け付けた。本当は自転車がよかったが、キックボードしかなかったのである。いや、ミナレは車を持っているのだが、道路が液状化していてなおかつ信号が止まっている(これは実話)、という情報を受けて、車に乗っていくのは避けたのである(結果的には無用の用心だったのだが)。

到着したミナレを待っていたのは、「今から(午前)6時まで波よ聞いてくれ』(※作中のラジオ番組名)の特別放送をやれ」という命令であった。さすがに肝の太いミナレも青くなる。だが、まさか拒否するわけにもいかないしやることになる。

というわけで、放送である。地震情報を適宜流しつつ、合間に個人パーソナリティのラジオ番組らしく、リスナーからのメールを読んでいく。

「リーフ(電気自動車)のバッテリーが非常用に使える」といった便利情報を流したり、こんなときだからこそあえて視聴者を安心させるために日常感のあるほのぼのとしたメールを読んだり。そういう塩梅は既にプロ級のミナレである。

というわけで、特にトチったりすることもなく放送は無事終了した。

また、この作品は群像劇的な側面が強いわけであるが、その間カレー屋「ボイジャー」の人たちはどうしていたかというと、深夜に炊き出しをしていた。引きこもりとその一家は、暖房器具が震災で損傷したために(凍死を避けるため)避難所暮らしをすることになった。

だが引きこもりは避難所でなど暮らせない。しばらくして、避難所から逃げて寒い自宅に逃げ戻っていた引きこもり青年に対し、ミナレは「無理やり連れて行ってボイジャーの人々の手伝いをさせる」という強硬策をとった。

結果的にこれが奏功し、青年は社会復帰を果たすことになる。といっても、ボイジャーで働き始めたとかではなく、「一人暮らしをし、公務員になるための勉強を始めた」という落ちだが。ちなみに、その後公務員にはちゃんとなれたようである。

震災編はまだ続くのだが、割愛する。
最終的に、ミナレはラジオパーソナリティとしてかなり評価されるようになった。番組『波よ聞いてくれ』は同時間帯の北海道のラジオ番組としては人気一位という地位を獲得し、放送時間枠も拡張される。

さらに、なんか英国からやってきたラジオ業界の大先輩なる人物がミナレの震災時の放送をベタ褒めし、一緒に企画番組をやる、という話になる。8巻はおおむねここまでである。

波よ聞いてくれ【8巻】感想

波よ聞いてくれ(8)

しかし、もう2年も経つんですなあ、胆振震災。まさか二年も経ってからこんな形で震災の話をすることになるとは思わなかった。

ところで、全然関係ない話をするがミナレは相撲ファンである。普段から「鶴竜と結婚したい」などと実名を出して言っているし(※鶴竜関ご本人は既婚です)、今巻でもファンレターが来たときに「本当に!?日ハムの二軍選手か前頭二枚目以上の力士がいいな」などと言っている。

前者のことは知らないが、後者難しいだろうなあ……。世界中に10人くらいしかいないからなあ……。


波よ聞いてくれ(1)

波よ聞いてくれ

原作・著者沙村広明
価格660円(税込)

舞台は北海道サッポロ。主人公の鼓田ミナレは酒場で知り合ったラジオ局員にグチまじりに失恋トークを披露する。すると翌日、録音されていたトークがラジオの生放送で流されてしまった。激高したミナレはラジオ局に突撃するも、ディレクターの口車に乗せられアドリブで自身の恋愛観を叫ぶハメに。この縁でラジオ業界から勧誘されるミナレを中心に、個性あふれる面々の人生が激しく動き出す。まさに、波よ聞いてくれ、なのだ!

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