どのへんで打ち切りが決まっていたのかは分からないが、ともかく急転直下の打ち切り巻である。
漫画「うるわし怪盗アリス」2巻あらすじ
まず、大英博物館に忍び込む話が数話続く。続くというか、この巻で普通に展開される話はこれで終わりである。
後は一気に話が進み、クイーンとの決着がつけられて終わり。なのだがまずは博物館の話の方からしていこう。
漫画「うるわし怪盗アリス」2巻ネタバレ
巻頭、アリスは牡丹とロゼを連れてさっそうと大英博物館に侵入しようとしている。いつもの怪盗コスチュームで。これだけならいわゆるルパン三世とかああいう感じのアレであるが、別に美術品を盗みに行くのが目的ではない(不法侵入は不法侵入だけど)。マスコミで報道されていたのだが、大英博物館にとある宝飾剣が展示されている。それ自体はただの剣だが(8世紀頃、フランク王国で作られた宝飾剣で、昔から色々奪い合いの種になっている悲劇の剣というので有名らしい)、それとペアになるべき鞘が実はアリスの家にあるのである。
なんで忍び込んだかというと、もしかしたらレプリカとかだったりするかもしれないので、その剣のビジューに鞘を確認してもらうためである。ちなみに、天下の大英博物館なので、アリスと関係のないビジューも大勢いる。
で、カサブランカと名乗るビジューの前で持ってきた鞘を剣に収めて確認してもらったところ、確かにペアとなる剣と鞘で間違いないらしい。ただ、鞘の方にはビジューがいない。リリーと言うビジューが、カサブランカとは別に存在していたはずなのだという。
で、じゃあリリーを探し出そう、というところでカサブランカが面倒なことを言い出す。協力させたかったら自分を捕まえてみろ、というのである。まともに追いかけっこ(というかかくれんぼ)をしても絶対に勝ち目はないと判断したアリス、他の大英博物館のビジューたちを手なづけて代わりにカサブランカを捕まえさせる作戦に出、無事にカサブランカの協力を取り付けることに成功したのだった。
ちなみにリリーの居場所そのものはカサブランカの力で簡単に分かった。要するに近くにいたのである。なんか、落ち目になった女優が永遠の若さを求めて生き血を啜っていたらしい。本当にそんな効果があるのかは不明(たぶんない)であるが、とにかく事実を公表されたくなかったらリリーを解放しろという脅しに女優はあっさりと屈し、リリーは解放される。
おそらくここまでが普通に描かれた最後のエピソードではないかと思う。この話の落ちで、リリーの鞘を大英博物館に置いてくる(剣の方を盗むのではなく鞘の方を勝手に置いてくる)のだが、それが原因で不思議なトラブルが発生したというのが次のエピソード。そこに、大英博物館の学芸員で、自分もビジューが見えるという女性が出てくる。ここから引っ張ってもしょうがないので書いてしまうと、これはクイーンの変装である。
最後の対決であるが、クイーンは牡丹を盗み出してアリスに挑戦状を叩きつける。クイーンの本当の狙いは何かというと、美術品を集めるとかそういうことではなくて、ビジューが一生に一度だけ生み出す宝石を集めているらしい。この設定自体がぽっと出で、いかにもまいて展開している感じだが話を進めよう。物凄い勢いで話が展開し、実はクイーン自身もビジューだった、ということが分かる。カサブランカの力でクイーンは倒され、記憶を失った元クイーンもアリスのコレクションに収まり、めでたしめでたしである。
漫画「うるわし怪盗アリス」2巻の感想
打ち切り展開に関するコメントはやめておくとして、作品自体はそれなりに面白かった。
ただ、田中ロミオ的なテイストはやっぱりあんまりなかったのがちょっと残念といえば残念。そっち方面からはかなりマニアックなコレクターアイテムだと言うべきかもしれない。
うるわし怪盗アリス
美術商の父と死別したアリスは、メイドとして働き日々食いつないでいた。そんなある日、家の倉庫の片隅で、ホコリを被った手鏡を発見する。その鏡には“妖精”が宿っていて――。