『ウマ娘 シンデレラグレイ』、現状最新刊となる2巻である。来月には新刊が出るが。
ウマ娘シンデレラグレイ【2巻】あらすじ
「序章カサマツ篇」(だったらしい)の完結までが描かれる。
内容的には、笠松競馬において独走状態で活躍するオグリキャップの姿を少しだけ描いたあと、中央競馬からスカウトがやってきて、オグリが中央デビューの道を選ぶか選ばないかの葛藤が描かれ、そして最終的には当然オグリは中央に行くわけなので、北原との涙の別れを描いてフィニッシュである。
ウマ娘シンデレラグレイ【2巻】ネタバレ
まずは「ジュニアクラウン」でのフジマサマーチとの再戦から。残り600メートル、このレースではやや早いタイミングでフジマサとオグリがほぼ同時にラストスパートを仕掛ける。フジマサマーチの優位でことは進むかに見えたのだが、最後の最後にオグリがさらにギアを上げ、僅差で勝利を収める。雪辱である。
さて、それで次のレースだが、北原は中京盃というレースを考えている。しかし、先輩トレーナーから「東海ダービーが目標なら、中京盃はやめておけ」と止められる。なぜなのか、北原にはよくわからない。常識的に考えれば、ごく普通のレース選びなのである。
中京盃は中京レース場、つまり愛知が舞台で笠松競馬場よりはるかに立派である。
しかしそんなことはいいのだが、そこにシンボリルドルフというウマ娘が来ていた。シンボリルドルフとは何者かというと、中央競馬のウマ娘育成機関「トレセン学園(日本ウマ娘トレーニングセンター学園)」の生徒会長である。といってもトレセン学園の生徒会長というのはただの学生なんぞではなく、北原は「大物」と表現している。
彼女は、早くもオグリキャップの才能に目を付け、中央へとスカウトしにやってきたのだ。なんで中京盃がダメかといえば、これがあるから、ということだったらしい。
ここで北原は悩む。オグリキャップには確かに中央でも通用する才能があることが既に分かっている。しかし、オグリはいいが北原には、中央のトレーナーライセンスが無いのである。つまり、オグリを中央に送り出すことはできるが、北原がついていくことはできないわけだ。
黙ってるわけにもいかないので一通りの事情をオグリに話すと、「だったら行かない 東海ダービーが私達の夢だろう」とにべもない。
北原はさらに悩む。オグリキャップという大器を、東海ダービーで終わらせて本当にいいのか。それで、結局、次のレースは「ゴールドジュニア」という舞台を選ぶのだが、このレースで勝ったら中央に行き、負けたら東海ダービーを目指せ、と北原は言う。
話を聞いたシンボリルドルフは冷ややかに、「あなたはオグリのトレーナーにふさわしくない」と断ずる。また、この事実は報道される。オグリキャップが中央に行くかもしれない、と言う話がである。
当然、フジマサマーチ(ゴールドジュニアにも出る)も話を知って、オグリに食って掛かる。私と東海ダービーで戦うんじゃなかったのか、と。
オグリは言う。「だったら私に勝て」と。
フジマサマーチは吼える。「貴様を中央になど行かせない!」と。
で、オグリとフジマサはゴールドジュニアに出走するのだが、オグリの走りにはキレがない。悩んでいるのである。北原はといえば、レースから目を背けている。
だが、このままレースが終わってしまう、というところで、北原はとうとう絶叫した。「オグリ、走れ」と。
結局、圧倒的なラストスパートでオグリはフジマサマーチに圧勝、一着でレースを終えるのだった。フジマサマーチは、私などが敵う相手ではないのだ、永遠に、と否応もなく悟らされることになる。
で、北原はオグリを中央に送り出すことになる。「田舎の灰被り娘が、中央の猛者たちを圧倒する そんな夢をみなさんも見てみたくないですか」と演説して。
最後のページは、オグリキャップとベルノライト(驚いたことについてきたらしい)が、トレセン学園の門を潜るところで締めくくられている。
ウマ娘シンデレラグレイ【2巻】感想
熱い。本当に熱いスポ根漫画である。
まだ2巻でまだ序章だが、既に名作だと断じていい水準にある。
ちなみに、ゲームの『ウマ娘 プリティダービー』もかなりスポ根的色彩の強いシナリオを持っているのだが、このシンデレラグレイは輪をかけてすごいからすごいよ。3巻が待ち遠しいです。
ウマ娘 シンデレラグレイ
寂れたカサマツの地に現れた、ひとりの灰被りの少女。後に“怪物”と呼ばれるその少女は、どこを目指して疾るのか――。地方から中央の伝説へ。青春“駆ける”シンデレラストーリー、遂に出走!!
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