せんせいのお人形【4巻ネタバレ感想】電子版のみの体裁になり急激に面白くなる!

せんせいのお人形(4)

これを紹介する日が来るとは正直思っていなかった。

いったん3巻までで刊行が打ち切られていた『せんせいのお人形』、3巻までとは違って電子版のみという体裁だが、4巻以降も完結最終話まで発売される運びとなったので、ここにこうしてご紹介する次第である。

せんせいのお人形【4巻】あらすじ

せんせいのお人形(4)

えー、えらく長い話になったがスミカが賭けに勝って六花女子學院というお嬢様学校に通うことになったので、実際に通うようになる。それに先立ち、スミカは「大磯 澄花」と名乗るようになる。

例のイヤな奴、一佐から「これが君の本当の名だ」みたいな感じで言われたのである。

ただし、スミカの出自と背景にはまだ色々と謎と問題が多いらしく、何が困るって戸籍が確認できないので、身分証明証が作れない。パスポートも。女子学院の修学旅行先はイタリアなのだが(※スミカは二年次編入だから二年生)、パスポートが作れないので行かれない。

その間、一佐が「うちで預かろう」などと言い出す。昭明は止めようとするのだが、なんとスミカは「行く」と言い出した。

せんせいのお人形

せんせいのお人形【4巻】ネタバレ

せんせいのお人形(4)

さて、最初の方に戻ろう。合格祝いということで、昭明は美術館に連れていく。スミカのリクエストである。なんでも、お気に入りの公園の施設の全制覇が目的で、この美術館に来たことで残りは動物園だけなのだそうだ。

美術館の帰り、スミカは高級レストランに連れていかれる。昭明は慣れたものらしいが、スミカはガチガチになっている。それはいいのだが、この場で、昭明は「一緒に出掛けるのは今日で最後だ」とスミカに告げる。同じ学校の教師と生徒という立場に変わるから、いろいろまずいのである。

スミカは悲しげな顔で「今まで楽しかった……ありがとう」などと言って、明らかに別れ話をしているカップルにしか(他人には)見えないので周囲をざわつかせる。

昭明はせめてもの何かとして「動物園だけは一緒に行こう」と言うのだが、スミカは「じゃあ、いつにするかは決めないでおこう そのほうがずっと楽しみにしていられるもんね」と言う。正直、このシーンで筆者は「女は怖ぇ」と思いました。

で、お嬢様学校に通うようになったスミカであるが、友達もすぐできて、だいたいすぐになじむ。ただ、奇妙な上級生が一人いる。天羽(あもう)先輩と言うのだが、初対面(?)のスミカに対して、この学校には「姉妹の契り」という制度があるので私のことをおねえさまと呼びなさいとか言い出すのである。嘘なのだが。からかっているのだ。

スミカは天羽のことを知らなかったが、向こうは知っていた。あの日、例の高級レストランにいたらしい。スミカと昭明の様子を見ていて、「別れ話をしている」と思っているのであった。

さて、天羽先輩の話はまだ続く。何がどこまで本気なのかよくわからないが、彼女は昭明に興味があるらしい。

好きなのか、とスミカが訊くと、「いいえ、ただセックスしたいの。あの人絶対エロいよ」と言い放つ。とんでもないお嬢様だ。これがきっかけで、スミカも昭明のことを一時意識するようになってしまう。

それがきっかけだったのか何だったのか、スミカはある日昭明にとんでもないことを言い出す。

「昭明さん わたしのおとうさんになって」

時が止まったような沈黙のあと、昭明はかろうじて答えた。

「考えておくよ」

さて、修学旅行の話に進む。一佐の家で暮らすことになるスミカである。一佐はめっちゃツンツンしていて、スミカはといえば敵意を抱いているのだが、なぜか(ひそかに心中心配しまくっていた)昭明が修学旅行の引率から帰ってきてみると、二人は「喧嘩」をしていた。喧嘩ができるほどの仲になったのである。意外な展開だ。

その後、かなり重要人物なのだが説明が難しい、一佐が「お祖母様」と呼んでいた女性が亡くなる。重要な意味があるらしいが、まだその意味はよく分からない。ただ分かったことは、一佐というキャラクターもかなり複雑な内面を抱えているらしい、ということである。

せんせいのお人形【4巻】感想

せんせいのお人形(4)

正直に書こう。この作品、1巻から3巻にかけて、絵的に少々地味ではあるし、あまり商業的成功を収めないのは必然かなぁと思っていた(そしてそれは事実であったろう)。

しかし、商業的に成功できるかどうかはさておいてだ、4巻を読んだら急激に面白くなっていたので心底驚いた。

というか、肝心の部分を書籍化せず、3巻までで終わっていたら本当にもったいないことになっていただろうと思う。で、ちなみに、5巻は2月末頃の発売だそうだ。それもまた紹介していこうと思っているので、お楽しみに。


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