電人N【3巻ネタバレ】人間vs電人…いよいよ佳境へ!

電人N(3巻)

電人N』、全4巻中の3巻のご紹介である。

電人N【3巻】あらすじ

電人N(3巻)

えー、分かり切っていたことではあるが電人Nが復活する。

しかし、元の電人Nそのものに戻るわけではなく、感情や良心や記憶の一部を失い、ただでさえ馬鹿で狂っていたのがもうどうしようもない、赤ん坊のような癇癪の塊になっている。

神崎みさきに執着していること自体は変わらないのだが、神崎みさきというのが何者だったのかという記憶すら曖昧になっているようだ。

電人N(2巻)

電人N【3巻】ネタバレ

電人N(3巻)

どうやって電人Nが復活するかであるが、まず、トレーラーの中に乗り込む直前、いちおう警戒して(そのくらいの知恵はあったらしい)、自身の意識の一部を外部に飛ばしていたそうだ。その意識にはたいした能力も精神力もないのだが、不気味な人形の身体を操って、神崎みさきのところに現れる。

人形は問う。

「ぼくのやったことは めいわく でしたか」。

みさきは答える。「人を殺すのはダメだよ……」

「ぼくのやったことも ぜんぶ まちがいですか」

これに対し、みさきは「これでもアイドルだから、“応援されること自体”は嬉しかった」と答える。

その後、人形は廃工場で自分自身を改造し、警視庁に乗り込んでいって、自分の本体をノートパソコンから解放する。解放自体には成功するのだが、一人の刑事の抵抗に遭い、人形は破壊されてしまう。そのため、電人Nは完全な形で蘇ることができず、人形の中に電人Nの「良心の部分」だけが残されることになったのだ。

さて、電人Nの解放直後、世界は一斉大停電に襲われた。

その後、神崎みさきと同姓同名の人(文字まで一致しなくても、かんざきみさきという音になる名ならだれかれ構わず)殺されるという事件が起こる。

電人Nはどれが自分の探すみさきなのか分からないのだが、みさきの顔だけは記憶をとどめて居るようで、別の顔をしていた時点で片っ端から殺害して回っているのである。

さて、ここまでくればNの復活は明らかである。スドー兄妹が現れ、みさきを車に乗せる。車はマニュアル車で、カーラジオまで破壊されており、これ自体はNも乗っ取ることができない。

みさきと情報交換したスドーは、Nが現在「邪悪で衝動のままに行動する存在」になり果てていることを把握する(もともとそうだった気もするが、さらに悪化しているのである)。

Nはみさきを呼び続ける。スドーは車から出ないようにはじめは言うのだが、Nが「出てこないなら人類を皆殺しにする」と宣告するに至って、やむなくみさきに時間稼ぎを任せる。

その間に、スドーは人形を回収し、Nに良心を取り戻させて事態を収拾する計画である。

さて、ここから神崎みさきのターンが始まる。三流とはいえ本職のアイドル稼業のプロであるので、完全に狂ってしまっているNの相手を上手にこなす。Nは、次のレッフェのライブの計画を考えている、と言い出す。

みさきはもちろん本心ではドン引きしているが、目の前で人が殺されても動じず、「どんなライブになるのかスッゴい楽しみですっ」と歪んだ笑顔で言い切る。これが3巻の最終ページである。

電人N【3巻】感想

電人N(3巻)

ネタバレ欄から話がそのまま続くが、最後のページの神崎みさきの表情というか、「目」が、良い。とても良い。

自分の行動ひとつで人類の命運が左右されるということを完全に理解し、「覚悟を決めた者」の目なのである。冷たく、暗く、しかし逸らすことなくしっかりと電人Nを見据えているのだ。画像などでご紹介できないのが残念だが、筆者はちょっと感動すらしたぞ。

この電人Nという漫画、悪と正義の頭脳戦になるのかと思ったら、災厄の物語だったようである。泣いても笑っても次巻で最終巻なので、ここまで読んでいただいた方にはぜひ最終巻の紹介までお付き合いいただければと思う。


電人N(1)

電人N

原作・著者イナベカズ / 蔵石ユウ / 田中空
価格660円(税込)

ある日、俺は電気人間になった――。しがないコンビニ店員・那須忠太の唯一の心の救いは、アイドルのVR映像を観ること。不幸な家庭環境のもと高校を中退し、バイト先でも虐げられている現実を、画面の先の神崎さんはいつも癒してくれる。しかしある時、飲んだくれた母との諍いをキッカケに、彼の体にとんでもない異変が発生し‥‥!?『アポカリプスの砦』『食糧人類』の最強タッグが放つ、衝撃の“電人”サイコスリラー!!

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