- 作品名:29歳独身中堅冒険者の日常(3)
- 作者・著者:奈良一平
- 出版社:講談社
- ジャンル:少年漫画
漫画「29歳独身中堅冒険者の日常」3巻のあらすじ
まずはじめに、「水道が使えなくなったからなんとかしてくれ」という村人からの依頼を受けて、地下水道を冒険することになる。
原因は行ってみたらわかった。巨大な怪物が水道に住みついていたから問題が起こっていたのである。ハジメは倒そうとするのだが、リルイが「同じ水の眷属だから説得してみる」とかなんとかいって、本当に説得して出て行ってもらうことになる。
次に、いつぞや市で買った謎の卵が孵化する。スズメドリという鳥の卵だったことが判明する。リルイは小鳥(といってもでかいのだが)にドラゴンという名前をつける。てんやわんやの末に、スズメドリは情報を手に入れるのに便利なペットだということが判明する。
それから、ヴェロニカの店をめぐるトラブルが起こる。なんだか色々あるのだが、最終的に、ダンジョンに潜ってモンスターを倒す早さを競う競争、という話になり、当たり前だが普通に主人公チームが勝利する。
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漫画「29歳独身中堅冒険者の日常」3巻のネタバレ&感想
地下水道にいた怪物は、ドラゴンに見えるのだが、ドラゴンではなく「水のしっぽ(ウォーターテイル)」という種族の「魔獣」だそうである。魔獣と言うのがなんなのかについては特に説明はない。まあ魔の獣なのであろう。そこまで知った上で、ハジメは眠っているウォーターテイルを不意打ちで殺そうとする。そこでリルイが、説得してみる、と言って止めるわけである。
ウォーターテイルは高い知性を持った生物であるらしく、ルリイの説得に応じた上、おそらく水道を破壊したお詫びのつもりなのではないかと思われるが、アイテムをくれる。
このあたりの話は、ほんの脇道の話なのか、それとも大きな伏線になっているのか。今のところはよく分からない。ただ、ハジメは「自分がリルイからものを教わることになるとは」と感心している。
スズメドリについてもよく分からない。重要なキャラクターなのか、マスコットで終わる存在なのか。
ただ一つ分かるのは、ハジメはお人よしではあるが人間(とそれに類するもの)以外に対しては割と酷薄であり、リルイが可愛がっているペットであっても役に立たないなら非常食にしてしまおう、くらいに考えているということだ。
娼館をめぐる騒動の話では、面白いシーンがある。
娼館がトラブルに巻き込まれた、ということが分かったとき、ヴェロニカはハジメによよとしなだれかかる。「私の娼館が……。ハジメ、助けて」とかなんとか調子のいいことを言って。これは計算づくの色仕掛けであり、ヴェロニカはそんなに初心ではないが、ハジメはすっかり引っかかっている(ちなみに二人は共にスラム街で育った幼馴染のような関係らしい)。
その一部始終を、リルイが見ている。そして、ヤキモチを焼くのかと思えばそうではない。感心しているのである。「なるほど、(男をたらしこんで利用するときは)ああするのか」と。
子供っぽく見えても、やっぱりルリイはサキュバスなのだ。血であり、本能なのであろう。
娼館をめぐるトラブルがひと段落したあと、ハジメはルリイを連れて郷里を訪れる。郷里といっても、スラム街である。「墓参りに行く」とハジメは言う。なんとなくしんみりした風情で。ルリイは「ルリイがハジメのお母さん代わりになってやろう」とか言い出す。
これまでも散々分かっていたことではあるが、二人の関係は、パーティーの仲間とかそういったものである前に、家族なのである。恋愛感情のようなものは、まあ、まだこれからといったところなのだろう。
この巻の最後のエピソードとして、「ハジメに留守番を命じられたルリイがギルドからつまらない仕事を依頼される」というのがある。ルリイはつまらないと思いながらも黙々と掃除の仕事をする。そしてほめられる。「地味な仕事を嫌な顔せずに引き受ける才能は、僻地で冒険者をやっているハジメの仲間としては不可欠のものだ」とかなんとか。ルリイは、まんざらでない、という顔をする。
そんなこんなで、次巻に続くのだが、次巻はまだ出ていない。出るのは当分先であろう。それはそのときのお楽しみということで。
29歳独身中堅冒険者の日常
仕事でダンジョンに潜った冒険者・ハジメは、お腹を空かせた少女・リルイと出会う。親に捨てられ、身寄りのない彼女を一人、放っておくことも出来ず──「俺の仲間になるなら泣くな!!」かくして始まった、二人の共同生活。しかしリルイは「ただの」少女ではなくて……!?
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