漫画「センコウガール」5巻あらすじ
『センコウガール』完結巻である。
全ての謎、全ての伏線、綺麗に回収され、物語は終息する。のはいいが、ネタバレなしでは何も語れない内容なので次に移ろう。
漫画「センコウガール」5巻ネタバレ
4巻終わりでやっていたTVのニュースはまだ続いている。
「この家に住む如月麗華さん51歳の行方が分かっておらず……」
民子は母親を殺していないがしかし死んでいると言った。それは事実である。
「長女の16歳の少女は……逃走中で……警察は、この少女が何らかの事情を知っているとみて行方を……」
さて、この期に及んでも修学旅行みたいなテンションでいる民子は、曜子に迫られて打ち明け話を始める。最初に言うことはこれである。
「私、多分もうすぐ死ぬの。病気で」
最初、曜子は悪い冗談だと思うが、そうではない。病気は本当だ。夏の初め頃、ちょっとした頭痛として始まったらしい。だがいつまで経っても収まらないどころかどんどん悪化していくので、民子は病院に行った。そして同行した母親に告げられる。頭の中に既に大きくなりきった腫瘍があって、あと一ヶ月くらいしか生きられないのだと。
あんまりいい母親ではない母親なのだが、さすがの事情に娘をかき抱いて号泣する。そしてある日、民子は母親が、首を絞められて殺されているのを目撃する。犯人は母親の付き合っていた男である。その男が言うには、母親に対する恋愛感情などは最初からまったく無く、民子に近づきたくてその母親を籠絡していたのだが、母親が手に負えなくなってついに殺してしまったのだという。またえらいクズ野郎もあったものである。
その後もなんだかんだと並べ立てる男の脳天に、既に話を聞いていない民子は包丁を突き立てた。そしてそのまま滅多刺しにして、泣き崩れた。刑事が発見したのはこの男の死体である。なお、母親の死体もちょっと離れた別の場所（花壇の下）にやっぱり民子が埋めていた。
で、現在に話は戻る。当たり前だが警察がすみやかに動いて、まず島に渡る前に泊まったホテルに手が回る。確かにうちに泊まった、出て行くとき髪が短くなっていた、と従業員からの証言。
この作品の中の警察はけして無能ではない。防犯カメラの分析、公共交通機関を重点においた聞き込みが始まる。駅。バス停。タクシー。そして、渡船場。民子が佐久良島にいることなど、すぐに分かってしまうことである。
曜子は民子がいなくなってしまうという事実を「さみしい」と言って涙を流し、そして「逃げよう」と言う。外周4キロメートルばかりの島でどこへ逃げるんだという話ではあるが、とにかく逃げるのである。ちなみに例の刑事も、頭を六針縫ったばかりなのだそうだが民子の足取りを掴み佐久良島へと渡ってくる。この人にもプライドと意地があるのである。
最終的に、民子と曜子は刑事に発見される。それが分かった瞬間。民子は曜子にナイフを突きつける。
「このこは わたしが おどして むりやり つれてきたの ぜんぜん かんけいないこなの」
全部ひらがなで書いているのは、病状が深刻化してろれつがおかしくなっているからだ。民子は曜子をかばっているのである。だが一応凶器を出しているわけなので、刑事は民子に銃を向ける。ところが刑事が発砲する前に民子は倒れた。
病死であった。
その後。
民子の最期の時期の病状について、医者がテレビでコメントをしている。
攻撃的な行動や異常な言動は脳腫瘍の影響だったと考えられるが、そもそもにおいてこの病状で、動き回れていたこと自体が医学的に見て「奇跡」であると。
その後、これまで物語の中に登場してきた数人の少女たちが出てきて、曜子と少し話をする。そして最終話で、曜子は母親とちょっとした和解をし、そして海を見ながら民子のことを思い返し、最後にどこへ向かうともなく走り出すのであった。
漫画「センコウガール」5巻の感想
人がざっくり死んでいる作品ではあるのだが、前半の巻での民子の奇行にもきっちりと「ミステリーの解法に基づいた」説明が与えられて、青春グラフィティ的な、実に美しい結末をこの物語は迎える。筆者は清々しいとすら思う。
世の中には、読んで良かったと思う作品がまだまだある。そう信じさせてくれる作品であった。
センコウガール
七子（ななこ）が死んだ。同時に生まれ変わったような姿で現れた美少女不登校児・如月民子（きさらぎたみこ）。彼女に「名指し」された３人のクラスメイトは、民子の狂気の行動に追い詰められていくが…？ 民子の真 の目的は、復讐か、それとも…?? そして民子の自宅の「腐乱した何か」の正体は?? いじめ、マウンティング、毒親…… 全ての「女の子」の呪縛を解き放つ、ガール・ミーツ・ガールミステリー！
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