漫画「サトラレ~嘘つきたちの憂鬱~」は原作:佐藤マコト先生、作画:伊鳴優子先生のタッグで描かれる「サトラレ」新シリーズ。正編となる「サトラレ」はもう18年前後も昔の作品になるようで私自身も読んだことはありませんが、この「サトラレ~嘘つきたちの憂鬱~」を読んで正編に俄然興味が出てきました!
この漫画は「先天性R型脳梁変性症」通称サトラレと言われる奇病を持つ天才少女とサトラレ対策委員会の未成年4人が織りなす葛藤、友情、恋愛模様などを描いた作品。
ちなみに過去作を記したWikiを見てきましたがサトラレを発症する人物は例外なく国益に関わる又は左右する天才らしい。
そしてサトラレ対象人物は自身がサトラレだと気づいてしまうと精神崩壊を招きやすい為、国を挙げてサトラレ対策委員会を設置。サトラレにサトラレだと自覚させない為に試行錯誤をしていきます。(ややこしい笑)
で、この奇病「サトラレ」とは何なのかと言えば、思考が周囲何十メートルに全て筒抜けとなってしまう病気。簡単に言ってしまえば心の声が周囲の人間に全て聞こえてしまうのだ。
この漫画はその天才少女でヒロインの海崎千景(うみざきちかげ)と同級生である未成年4人の対策委員会が織りなす濃厚で儚く脆い青春劇が繰り広げられていきます。
目次
漫画「サトラレ~嘘つきたちの憂鬱~」ネタバレ
メインキャストはヒロイン兼サトラレである海崎千景(16歳)、サトラレ対策委員会の一ノ瀬香(19歳)、吉田透(16歳)、戸叶伊助(17差歳)、神内甚の5人。甚に関しては1巻の中盤辺りから登場してきます。
思念が筒抜けの恐怖…!?
千景はサトラレ対策委員会3人の保護によって自身がサトラレだと微塵も自覚していませんが思念が全て筒抜けの恐怖を読者は味わうことができます。
序盤からかなり面白くて、千景は甲斐谷先輩の事が大好き。口には出しませんが思念で学校中の生徒が千景は甲斐谷先輩が好きといった事を知っており、心の声がダダ漏れ…(笑)
思春期の人には知られたくない小恥ずかしい思念が校内に響き渡っていきます。
また千景の表面上の気持ちと内面がまったく違ったりして、一人の人間の2つの側面を見れたりして非常に面白いのですが、サトラレ対策委員会は千景の気持ちを全て知った上で嘘をつき続ける辛さが滲み出るのが序盤の見所。
新人対策委員派遣でサトラレに自覚症状が芽生える…!?
そして新人対策委員の神内甚が登場してきます。
この男が初っ端からニアミス…。千景の思念を口に出してしまいます。千景は何故、頭で思っていた事を甚が言葉にしたのか疑念を抱くように…。
自覚症状を芽生えさせてしまう一触即発の事態へ…。
ただ、ここはサトラレ対策委員の千景班リーダーである吉田が本当に上手くフォロー…。千景が納得する形で事なき得る結果へと結びつけていきます。
「思念の内容で行動を変えるな」
吉田のアドバイスを肝に銘じて甚は何故かチャラく、千景に付き纏うキャラを演じることに(笑)
自らサトラレに頻繁に接触する道を選んでしまった甚…。
彼は再び千景の思念に動揺してサトラレだと自覚させるような行動を起こしてしまいます。そして苦肉の策として起こした行動によって千景から嫌われる存在へ…。
新人対策委員…涙目へ…
ひょんな出来事から千景の手を引っ張る形になる甚…。
焦りもあって力強く握ってしまったのか千景の思念に「手…痛い…」といった思考が響き渡ります。同時にパッと手を離してしまう甚。
初っ端の出会いといい、手を離した行動といい2度も考えることに反応を見せてしまった甚。千景の脳裏に「もしかして…」といったサトラレだと自覚させる思念を呼び込んでしまいます。
非常にまずい状況…。
そこで甚が起こした行動は千景に無理やりキス…さらに「お前…俺のこと好きなんだ?」的な千景の気持ちを踏み躙る行為をしていきます。
この行動によって甚は千景から最低野郎のレッテルを張られることに(笑)
そして甚は千景に『敵』として認識。言葉には出されない千景の攻撃が甚に襲いかかってきます。
漫画「サトラレ~嘘つきたちの憂鬱~」感想
個人的にこの漫画は非常に面白かったです。次巻も絶対に買う。仕事とはいえ、嘘で塗り固められたサトラレ対策委員の面々。その嘘の数々を本気で信じて信用しているヒロインの千景。
バレれば即崩壊する脆い関係性がなんとも言えない歯痒さを醸し出しています。
サトラレが自覚すれば両者ともに大きな心の傷を抱えるような心理描写が秀逸です。
バレずに1巻のような日常系を観ていきたいですが漫画としてはいずれサトラレだと自覚した方が盛り上がり、展開の幅も増えるはずなので、いつか千景は自覚するんだろうなぁ〜〜〜なんて思っていますが複雑ですね(笑)
読者も複雑な気持ちにさせてくれる出会ってよかった一冊。試し読みも可能なので興味が出た人は是非、チェックしてみてください☆彡
サトラレ~嘘つきたちの憂鬱~
「サトラレにサトラレだと気づかせてはならない」–頭の中で考えたことが、勝手に周囲に伝わってしまう奇病・サトラレ。女子高生サトラレ・海崎千景は、好きな人も、悩みも、夢も、欲望も全て他人に知られてしまっていることを、本人は知らずに暮らしている。そして千景が幸せに暮らせるよう密かに彼女を守っている「未成年対策委員」達。これはサトラレと未成年対策委員達の、優しさと脆さと切なさが詰まった青春物語。
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