悪徳弁護士シリーズ『九条の大罪』、3巻である。
九条の大罪【3巻】あらすじ
3巻には三つのエピソードが収録されている。
まず、「家族の距離」の続きが4エピソード。次に、自殺をテーマとした「死者の心境」というエピソード、これは全3話。最後に、「強者の道理」というのが二話入っている。いちおう別々に記述していくとしよう。
九条の大罪【3巻】ネタバレ
家族の距離
さて、例の施設では入居者にかなりえげつない虐待をしていたわけだが、「それがマスコミにバレる」というのが冒頭である。どこからバレたのかは分からないので、まずはそれを調べているところなわけだが、出どころがどうあれ、これが明るみに出てしまった時点で行政が動く。業務停止は免れない、とのことである。
しかし、菅原というやつはもともと「半グレ」だったらしく、悪徳でも何でもインテリには違いない山城との間には不協和音が流れ始める。
さて、そろそろ足元に火が付いた山城、ここで降参する。「4億全部返す。それで手打ちにしてくれ」と主人公に持ちかけるのである。ところが、主人公は容赦しない。「もう一つ。山城先生、バッヂ外してください」。
さすがにこれで交渉は決裂した。が、結局悪徳介護施設は潰れ、金は四億全部、裁判の結果として返ってくることになった。山城が逮捕なりされたかどうかは不明であるが。このエピソードはそれで終わりである。
死者の心境
このエピソードでは、主人公はヤクザの弁護をしている。どうも、物件の地上げをしているらしいのだが、そこで自殺者が出た。元住人である。家賃を滞納していたので追い出されて当然なのだが、そこに勝手に住み着いていて、結局そこで自殺したらしい。
ちなみに、前のエピソードにもあったかもしれないが、主人公はヤクザの弁護もする。それについて、前にも出てきた刑事が言う。「あの弁護士さん、ヤクザにも人権があるとでも思ってるのかね。ねーよ、ヤクザに人権なんか」。うーん。これは笑いごとではなく、今の日本社会では実際にそのような感じになって行っているわけなので、なんともコメントに困る話である。
このエピソードでは、法律上の事件みたいなものはたいして起こらない。きな臭い世界がきな臭い感じで描かれて終わりだ。
強者の道理
主人公の顧客のヤクザが逮捕される。ひったくりに時計を盗まれそうになり、そいつを制圧したのだが、その際に怪我をさせたので、障害で被害届を出されてしまったのである。普通の人間だったらこんなので捕まらないかもしれないが、基本的にいまの司法はヤクザに対してマジで厳しいので、捕まってしまった。
まあ、ヤクザなので、ヤクザが手を回して、ひったくりに障害届を取り下げさせはした。で放免になった。主人公としてはその方法はあまりお勧めはできないということだったようなのだが。
まあ、だいたいそんな感じで、裏の世界がまたちらっと裏の世界って感じで描かれて、終わりである。
九条の大罪【3巻】感想
『ウシジマくん』というこの作者の代表作がどのような作品なのか、よくは知らないのだが、このシリーズについて言えば、けっこう深みのある作品に仕上がっていると思う。誰が正しいとか誰が悪いとか、善だとか悪だとか、そんな安いところに落とし込まない姿勢が、個人的には好きだ。
ちなみに「強者の道理」は2話で終わりなのかどうなのか、いずれにせよ次巻のメインは「女性の敵」というのがテーマであるらしい。法とモラルの極限ドラマ、次巻もぜひご紹介したいとは思っているので、ご期待のほどを。
九条の大罪
法とモラルの極限ドラマ、開幕!国民的ダークヒーロー漫画『闇金ウシジマくん』の真鍋昌平、最新作!なぜか厄介な案件ばかりを引き受ける弁護士・九条間人(くじょうたいざ)。鼻炎持ちのバツイチで、ビルの屋上でテント生活をしている偏屈な弁護士だ。主な顧客は、半グレ、ヤクザ、前科持ちなど、きな臭い人だらけ!?ネットでは悪徳弁護士と罵られながらも、イソ弁の烏丸(からすま)と共に、依頼人の擁護に務める。ある日、飲酒して轢き逃げをした半グレが、先輩の壬生に連れられて、九条のもとを訪ねる。そこで九条が授けた策は、弁護士にはあるまじき教唆で――!?交通事故ひとつですら、常識がひっくり返る。知ってるだけで、人生が変わる。神か悪魔か弁護士・九条!法とモラルの極限ドラマ、ここに開幕!
※電子書籍ストア内の検索窓にて「九条の大罪」と入力すれば素早く絞り込んで作品を表示してくれます。
\\ NEXT //
✅ 九条の大罪【4巻ネタバレ】ホスト風男に騙され借金漬けにされるメンヘラ女!
この漫画は電子書籍ストア「コミックシーモア」で取り扱い中の作品です!
今すぐ試し読みする
※電子書籍ストア内の検索窓にて「九条の大罪」と入力すれば素早く絞り込んで作品を表示してくれます。