いっそ清々しいくらい屑しか出てこない。多分主人公の九条も含めて。まあ、良くも悪くもそういう作風の作家である。
九条の大罪【4巻】あらすじ
前巻に乗っていた「強者の道理」はやっぱり3巻限りで終わりであった。というわけで、今巻は「消費の産物」という新章の1話から9話までが収録されている。ちなみにこの章は、少なくとも次の6巻までは続くようだ。
さてそれで「強者の道理」はどういう話かと言うと、結論を言うと、男に利用され尽くした女が男を殺す、その殺人事件を九条が弁護することになる（らしい）、というところから始まる話である。
九条の大罪【4巻】ネタバレ
本シリーズの主役は雫（しずく）という名の少女。いっけん地味臭い、どこにでも転がってるようなメンヘラ少女である。で、女を食い物にする種類の若いホスト（名前は修斗）に騙されて風俗に売られ……
というような展開を予想していたのだが、これが微妙に違う。まず、厳密にいえばホストではない（ホストクラブに勤務してはいない。職業がホスト的なものなのは確かだが）。あと、雫は特に騙されていない。男に惚れて借金漬けにされ、そして返済するために男が進めた仕事を言われるがままに……というのは確かなのだが、そのシーンが見ものだ。
「あ、風俗ですね？ 修斗のためなら何でもするよ。似たような子いっぱいいるから、流れは分かってます」
実にサバサバしている。いかす。しかし、修斗は、違う、という。君は自己評価を見誤っている、と。
で、修斗が紹介したのはAV会社であった。風俗ではなくAV女優、しかも企画女優ではなく単体女優でデビューできるという。ここで詳しいことは説明しないが、要するに単体女優の方が地位も高いし金も儲かるのである。
で、実際雫のAVは売れた。いちやく時の人みたいになる。本人も満足している。ちなみに、レイプ被害経験があるというありがちな過去があるが、恐怖がフラッシュバックしたりすることはないようだ。逆だ。性被害にあったのをきっかけにセックスにのめり込んでしまうタイプだったのである。
ここまではよかった。しかし、転落はこのあと始まる。雫の母と義父が、児童虐待だのなんだのと言って、AV会社を訴えたのである。雫はこれでAV女優としては破滅した。
その後は風俗嬢になった。AVで人気者になった過去があるから高く売れる、と修斗は言うのだが、あんまりパッとしなかったらしい。薬物にも溺れ始め、だんだん身も心もすさみ、値段も下がり、やがて修斗からも愛想をつかされ始めた。といったあたりでこの巻そのものは終わる。たぶん転落の果てに修斗を殺したのだと思われるが、そこまでは回想シーンが進まない。
九条の大罪【4巻】感想
ざっくりネタバレをした中では話を出さなかったが、本巻にはフェミニストの人権派弁護士というのが登場している（若い女に見えるが、九条の同期だそうだから、そんなに若くはないだろうと思われる）。
そのフェミ弁護士、AV会社をしょっちゅう訴えている。雫の母と義父が裁判を起こした際の代理人弁護士をやったのもこの女である。
フェミニズムの是非とか善悪理非についてこの場であまり詳しく論評する気はないが、ひとつ明らかなこととして、明らかにこれを描いている漫画家の方はフェミニズムというものが大嫌いであるようだ。この文章を描いている筆者がフェミニズムをどう思っているかについては、あえて伏せるが。
とりあえず、何よりも肝心なことには今やってる章はまだ終わっていないので、総論や総括みたいなものはあとでまたやります。というわけで、本巻の紹介はこのへんで。
九条の大罪
法とモラルの極限ドラマ、開幕！国民的ダークヒーロー漫画『闇金ウシジマくん』の真鍋昌平、最新作！なぜか厄介な案件ばかりを引き受ける弁護士・九条間人（くじょうたいざ）。鼻炎持ちのバツイチで、ビルの屋上でテント生活をしている偏屈な弁護士だ。主な顧客は、半グレ、ヤクザ、前科持ちなど、きな臭い人だらけ！？ネットでは悪徳弁護士と罵られながらも、イソ弁の烏丸（からすま）と共に、依頼人の擁護に務める。ある日、飲酒して轢き逃げをした半グレが、先輩の壬生に連れられて、九条のもとを訪ねる。そこで九条が授けた策は、弁護士にはあるまじき教唆で――！？交通事故ひとつですら、常識がひっくり返る。知ってるだけで、人生が変わる。神か悪魔か弁護士・九条！法とモラルの極限ドラマ、ここに開幕！
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✅ 九条の大罪【5巻ネタバレ】新章開始…刑事が主役で彼の過去が明かされていく！？
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