毎度のご説明。こちらの『キノの旅』はシオミヤイルカ版、そしてこれが5巻目である。刊行ペースが違ってナンバリングがだいぶズレてきたから間違える危険性も減ったかとは思うが、他に「郷」という作家の手によるバージョンもあるので、念の為。
目次
漫画「キノの旅」シオミヤイルカ版5巻あらすじ
原作が短編群なので当然ではあるのだが今回も連作短編が収録されている。
重要な点としては、「仮面の国」という作品はこのコミカライズのために原作者によって書き下ろされた話で、原作小説はない。
漫画「キノの旅」シオミヤイルカ版5巻ネタバレ
優しい国1/3
驚いたことに、「郷版」の1巻に収録されているのとまったく同じ、『優しい国』である。把握している限りここまで郷版とシオミヤイルカ版に重複エピソードはなかったわけだが、どういう心境の変化か何かの計算か、とにかく同じエピソードなわけだが、そんなに詳しく記述したわけではなかったので改めてこの物語のあらすじを解説しよう。
キノはエルメスに乗って、とある国に向かっていた。何でも、非常に評判の悪い国である。無愛想で冷たくて褒めるところが何にもないのだそうだ。ところが、入国審査の段階から、キノは大歓迎を受ける。さくらという少女に案内されて、彼女の両親が経営するホテルに泊まることになる。キノは少女にかつての自分の面影を見る(詳しくはシオミヤイルカ版1巻、『大人の国』を参照のこと)。
優しい国2/3
キノが毎朝の日課、銃の練習をしていたら、通りすがりの人が腕のいいガンスミス(作中表記はパースエイダー・スミス)を紹介してくれたので、そこで銃の手入れをしてもらうことになる。
キノが持っていた銃、師匠から譲り受けたものであるわけだがそれを観たスミスは顔色を変える。どうも、師匠のことを知っているらしいのである。そして、この銃の前の持ち主を知っているか、とキノに聞く。キノはとぼけて、知らないという。
このスミスが何者なのかは原作でも知る限り明らかにされていないが、一説にはかつて師匠とともに旅をしていたあの青年なのではないかと言われている。あくまでも一説には、だが。そしてスミスは、「森の人」と呼ばれるパースエイダーを、かなり強引にキノに押し付ける。
その帰り、さくらは自分の一番好きな景色だという場所にキノを案内する。夜、さくらの両親はそれとなく、さくらに旅に出ることを勧めるが、さくらはこの国に残ると自分から言う。
優しい国3/3
結婚式に参列して、この国の結婚式にはつきものだという記念品(いわゆるブーケトスのあれのようなもの)をキノがゲットし、さくらに渡す。そして出国時、キノは「もうしばらくいようかな」などと言い出すが、急に厳しい態度になった係官にそれは認められないと言われる。
キノが出国してしばし、火砕流に飲み込まれてその国は滅びた。キノが預かっていた手紙を開いてみると、この国の未来に殉じることにした人々の事情と、さくらから贈られた「結婚式の記念品」が入っていたのであった。
狙撃兵の話
師匠と青年の話。無差別殺人を繰り返す狙撃兵を、始末する依頼と「そのままにしておいてほしい」という依頼を二人は受けているのだが……。
仮面の国
人の顔を見て話をすることのできない人々の国が昔あった。師匠と青年が若い頃にそこに行って、みんなで仮面を付けて暮らしたらどうかと勧めた。数十年後、キノとシズが(※時間差で別々に)やってきたとき、パーツの操作で表情まで変えられる仮面を付けて日常を送る人々の姿がそこにあった。
漫画「キノの旅」シオミヤイルカ版5巻の感想
まさか同じ話をやるとは思わなかった。話数が違う分、郷版の同エピソードよりも掘り下げは丁寧である。両方お持ちの方は読み比べてみるのもいいかもしれない。
キノの旅 theBeautifulWorld
短編連作の形で綴られる人間キノと言葉を話す二輪車エルメスの旅の話。1巻では「大人の国」「人の痛みが分かる国」「レールの上の三人の男」を収録。
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