『可愛そうにね、元気くん』3巻である。
可愛そうにね、元気くん【3巻あらすじ】
あらすじが完全にネタバレになるのだが、これで完結というわけでもなし、実際こうだから書いてしまおう。
ざっと書くと、元気が八千緑さんに自分の性癖についてはっきりと打ち明け、それを許容され、そして男女交際を始めることになるというのがメインプロットの巻となる。つまり、大進展だ。
可愛そうにね、元気くん【3巻ネタバレ】
鷺沢さんが励一を問い詰める場面から始まる。
問い詰めて何が分かるかというと、励一はシスコンというか、実の姉に恋愛感情を持ち、ついでに隠しカメラを仕掛けたりしてストーキングまでかましている異常者だということである。例の屋根裏部屋は励一の部屋だったらしい。
それを証拠に例によってゆすりを働く鷺沢さん、今度は励一に対し「元気を泣かせてもいいのは自分だけだ」みたいなことを主張するのだが、その話が終わらないうちに元気が家にやってくる。
で、今度は元気と励一で、お互いの性癖打ち明け合戦となる。
弟の励一の方はそういうアレなわけだが、八千緑さんの方では弟に対して恋愛感情などは特にはないらしい。表だって、家族だというのに目も合わせなくなっているそうだから深刻である。弟の方は、いつか姉と二人で暮らす家庭を作るとかなんとか、かなり道ならぬ深刻かつ本気なことを考え詰めているのだが。
さて、話のはずみで、元気は励一に対してすべてを打ち明ける、と言い放ち、実際にそうする。といっても八千緑さんは鷺沢さんと一緒に縁日(縁日の日だったらしい)に出かけていっていたので、追いかけることになる。んで、告白である。
先日の絶交宣言は本気ではなかったということ、自分の描いている漫画のことについて。
で、元気はこれで八千緑さんに嫌われてしまうだろうと思っているのだが、実際にはさにあらず。八千緑さんは「知っていた」ということを告げる。前に学校で、元気の描いた原稿を見たことがあるというのである(それらしきシーンは1巻に確かにある)。
そして、お互いが好意を持っていることを打ち明けあった二人、それでどうするかというところでなぜか鷺沢さんが背中を押す。だったら二人付き合っちゃいなよ、と。で本当に付き合うことになる。
初デートは水族館だ。ベタだな。しかしそれなりにうまくいく。
おおむね八方丸く収まってしまった感じであるのだが、実際にはそうではない。問題は、元気が「リョナ趣味からは足を洗う」と宣言していることである。
実際には根っからそういう嗜好の持ち主なので、心の奥底でそういうことを考えるのをやめることができない。そしてそれを見透かしている鷺沢さん、そのことをはっきりと元気に向かって指摘してくる。
さて、それはそれとして、美術部(元気は顔を出しているだけで、部員ではなかったらしい)でもって、なんか旅館のチケットが手に入ったとかで合宿に行くことになる。メンバーは、唯一の正式な部員の勝丸(勝丸は姓で、女子である)、顧問の先生、八千緑さん、元気、そしてなぜかついてくることになった鷺沢さんである。
可愛そうにね、元気くん【3巻の感想】
まいて終わるのならこの巻だと綺麗だったろうなあという感じの、まとまった巻なのだが、別に終わりではない。だが、大団円でめでたしめでたしかというとそれもそうではない。
特に根拠はないのだが、どうも筆者には八千緑さんがまだ何かを隠しているような気がしてならないのである。
ちなみに勝丸という子は、よくわからんがどうも顧問の先生(男性。教師にしては割と若い)が好き?なんかな?みたいな感じである。そういうわけで、波瀾(?)の合宿編につづく。
可愛そうにね、元気くん
主人公・廣田元気には、周囲に言えないある“性癖”があった。その異常さから、恋をすることすら諦めようとしていた元気だったが、どんくさいクラスメイト・八千緑七子への想いはどんどんくすぶっていき……!?
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