えー、いまちょうど読み終わったんですけどすごい5巻でした。主要登場人物全員基地外、『可愛そうにね、元気くん』第5巻ご紹介していきます。
可愛そうにね、元気くん【5巻あらすじ】
満を持してというか、ついに八千緑さんが本性を現す。
まあ伏線は各所に敷かれていたし、過去巻の紹介で書いた通り筆者もそうだろうと思ってはいたのだが、彼女はやっぱり「真性のガチのマゾヒスト」だったのである。
殴られているときの彼女は本気でうっとりしていて、実に幸せそうである。
で、実際八千緑さんが望むままに元気くんは彼女に物理的な暴行を働かなければならなくなる。元気くんもそういう趣味を根っから持っているのならそれもよかった(のかもしれない)が、そうではないらしい。
苦悩している。
求められるから殴るには殴るのだが、家に帰ると苦悩のあまり吐いている。難儀なことである。
さて、それでどうなっていくのかというと。
可愛そうにね、元気くん【5巻ネタバレ】
前巻の紹介で触れなかったが、突然鷺沢さんが元気くんの家に押しかけてきて、謎の暴力を元気くんにふるったあげくキスをかまして、「私たちのファーストキス、血の味だね」とか言って艶然と微笑んでいた。そこまでは前巻のラストである。
さすがに困惑している元気くんが鷺沢さんにどういうつもりなのかと問うと、これは予行演習なのだ、と言う。なぜなら八千緑さんはマゾヒストであり、暴力を望んでいるから、君も私のようにすればいい、という。
結論から言えばその通りなのだが、それで話が丸く収まるわけではないのは上で書いた通り。
元気くんはイカれた漫画を描いてたりする人ではあるが社会常識を有しているので、「行き過ぎてしまったときに使う合図などを用意しよう」と八千緑さんに提案する。
しかし八千緑さんは言う。
「別にいいかな 私、元気くんにだったら壊されてもいいもん」
元気くんはこれを聞いてドン引きである。
「壊されてもいいと思うのは、既に壊れているのとどう違うのだろう」。
ちなみに元気くん、こんな精神状態だがバイトは続けている。バイトの先輩、さきこがたたまたま鷺沢と元気くんの一緒にいるところを見かけて、驚く。そして元気に鷺沢の過去を教えてくれる。端折るが、いろいろあったらしい。
最終的に、二人で鷺沢さんちに出かけていく。さきこが鷺沢さんに告白するから、その案内のため、である。
そしたら三人連れになった。鷺沢さんのかつての教師の人が尾行してきていたのである。教師の人は(包丁片手に)熱い狂気と愛の告白をするのだが、鷺沢は鼻もひっかけない。そこで元気が割って入って言う。
「この人は俺の飼い主だ!」
結論をざっくり言うと、元気くんは、というか元気くんもマゾヒストとしての素質があったらしく、鷺沢さんにいじめられているうちに開花してしまったらしい。
八千緑さんを殴っていても幸せを感じなかったのは、それが非常識なことだと考える常識人だったからというより、『元気くんの方もマゾヒストだったから』であったということのようだ。
で、鷺沢さんも受け入れ態勢なので、元気くんは八千緑さんを振って鷺沢さんと付き合う決断をする。しかし、別れ話をするつもりで呼んだのに、八千緑さんはなんだかんだやっぱり可愛いので切り出せない元気くんなのであった。以上、5巻終わり。
可愛そうにね、元気くん【5巻の感想】
すごい巻であった。八千緑さんの本性については予測していたが、元気くんの方は予想の外だった。
物語は混迷を極めていくが、最終的にどこにどう着地するのだろう。ハッピーエンドの匂いはまったくしてこないが、ともあれ次巻を楽しみに待つとしよう。
可愛そうにね、元気くん
主人公・廣田元気には、周囲に言えないある“性癖”があった。その異常さから、恋をすることすら諦めようとしていた元気だったが、どんくさいクラスメイト・八千緑七子への想いはどんどんくすぶっていき……!?
※移動先の電子書籍ストア「BookLive」にて検索窓に「可愛そうにね」と入力して絞り込み検索をすれば素早く作品を表示してくれます。