漫画「鍵つきテラリウム」2巻ネタバレ感想!人間の命や人生の意味に訴えかけてくる深イイ話!

鍵つきテラリウム(2巻)

漫画「鍵つきテラリウム」2巻あらすじ

今巻はひとつの大エピソード(全3話)と、その後の新章(2話)からなる。

大エピソードは「レインフォレスト編」。レインフォレストと呼ばれるコロニーに辿り着いたチコとピノが、そこの人間と交流する話である。そう、レインフォレスト編には生きている人間が出てくるのだ。

鍵つきテラリウム

漫画「鍵つきテラリウム」2巻ネタバレ

レイオンフォレストは生身の人間が暮らしているとはいえ寂れたコロニーである。技官もいない。やってきたチコのことを、「巡検技官」だと思って歓迎する。技官がやってくるのは4年ぶりのことだという。だがチコは巡検技官ではない。調査技官である。調査技官はアルコロジーの崩壊の原因を調査するために辺境を巡る仕事、巡検技官は技官がいないコロニーを巡って人々を助けるのが仕事だ。

レインフォレストは雨の降るコロニーである。といっても屋根はあるので天雨ではない。上に水処理施設の跡地があり、そこから栄養を含んだ水が常に流れ落ちていて、森が育った。それ故にレインフォレストと呼ばれているのである。

それはいいが、計算によればあと20年ほどでレインフォレストは完全に水没してしまう見込みであるという。ここで暮らしているのは、やがて来る滅びを受け入れ、枯れ木のように暮らしている人々である。受け入れなかった人間ももちろんいたが、そういう人たちは既にレインフォレストに見切りを付けて出ていっている。

ここでの主な登場人物は、ケンとレナという兄妹。ケンはただの少年だが、問題はレナである。5年前、重い神経の障害を発症して動くことができなくなった。4年前に技官がやってきたとき、その技官はレナの脊髄に「古代遺産(レガシー)」の一種である医療機器を接続していった。治療は完全ではなく、身体は動くようになったのだが時折激痛が走る。それが年々悪化していっている状態にある。

チコがやってきてまもなく、レナは激痛に襲われて倒れる。チコが軽いメンテナンスを施したことでかろうじて小康状態になったが、この激痛を完全に防ぐためには、前の技官が置いて行ったもう一つの古代遺産である体内埋め込み式の生命維持装置を用いるしかないという。運動能力は完全に回復し、痛みもなくなるのだが、バッテリーに限界がある。一度体内に入れたが最後充電はできなくなり、5年くらいでバッテリーの寿命が尽きたときにレナは死ぬのである。

だが結局、レナとケンは決意し、手術を受ける。そして、未来のことは分からない、自分も技官になってこの装置を充電したりできる古代遺産を探してみようと思う、と言ったようなことをチコに語るのだった。

話はこれで終わりではない。もう一つの問題はレインフォレストについてである。チコはレインフォレストの底にあった排水穴のようなものを見つけ出し、それを開く処置をした。これでレインフォレストは向こう20年で滅びるということはなくなったのである。

レインフォレスト編はこれで終わりだ。次のエピソードでは、またロボットが出てくる。電子戦兵という種類のロボットで、全エネルギーを「そこにあるドアを絶対に開けさせない事」につぎ込んでいる。70年ほどそうしていたらしい。

ピノとチコはロボットを停止させ、扉を開けた。そうしたらなぜか扉の向こうから、戦闘能力が生きている戦闘マシーンが出てきて、大暴れを始める。ピノはチコを庇って大破してしまった。ピンチ。というところで、次巻に続く。

漫画「鍵つきテラリウム」2巻の感想

鍵つきテラリウム(2巻)

レインフォレスト編は人間の命や人生の意味などについて考えさせられる深い話であった。次の話は、正直何がどうなっているのかまだ途中なのでよく分からない。待て次巻、といったところ。


鍵つきテラリウム

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原作・著者平沢ゆうな
価格649円(税込)

人類が衰退し、荒廃した世界――。生き残った数少ない人類は、【アルコロジー】と呼ばれる完全環境施設でのみ生きることが許されていた。しかし【アルコロジー】の機能は少しずつ低下し、人類は確実に滅びの道を辿りつつある。“調査技官”のチコとその弟のピノは、世界崩壊の原因を探す旅をしているが、ある日、ひとりぼっちで稼動し続ける医療ロボットに出会い……? 少女とその弟が紡ぐ、終末冒険ファンタジー。

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