漫画「泉さんは未亡人ですし…」ネタバレ感想!添い寝×未亡人…医学生悶々の新感覚ラブコメ!

泉さんは未亡人ですし…

紹介するのは『タオの城』以来となる、板倉梓の新作である。あれもそうだったが、これも一巻完結。

漫画「泉さんは未亡人ですし…」あらすじ

泉透子という、看護婦で未亡人で下宿をやっていて(女性の)下宿人を探していた表紙の女性と、(男の下宿人を募集している)下宿を探していた肇という医学生が手違いから一緒に暮らすようになり、恋に落ち、最終的にはゴールインという、まあぶっちゃけてしまえばハッピーエンドで終わる比較的ほのぼのライクなラブコメである。

漫画「泉さんは未亡人ですし…」ネタバレ

舞台は昭和のはじめ頃の日本(といっても、軍靴の音が聞こえてきたりしないし、時代設定はたいして重要ではないのだが)、浅草。肇少年は下宿する予定になっている未亡人の「泉さん」の家を探していた。この時点で肇少年は泉さんなる人物のことを「高齢の女性」だと誤解していた。

いっぽう、泉さんの方は女学生の下宿人が来るものだと思っていた。そんなこんなで初対面。開口一番、肇の声を聴いた透子は、「泰輔さん……?」と言う。死に別れた夫に声が似ていたのである。

「女学生だって聞いていたんだけど」「僕もおばさんで未亡人だと聞いていました」「未亡人は私ですよ。学生さんからしたらおばさんですよね(※22歳)」

ということで、手違いだったということで下宿の話は無かったことになりかけるのだが、行き場もない少年を放っておくのもなんなので、透子は「一晩だけ」肇を泊めることにする。

その晩。実は不眠症に悩んでいる透子は、既に眠っている肇の隣で添い寝をしていたら、うっかりそのまま眠り込んでしまった。

で、あなたがいるとよく眠れるからという理由で、透子は肇を引き留め、毎晩添い寝をするようになる。この時点でいろいろ無理があるのは誰の目にも明らかなのだが気にしてはいけない。ラブコメなんてそうしたものである。

さて、肇は医学生なわけであるが、「自分は医師(志望)なので女性を性的な目で見たりしません」とか大法螺を吹いてしまう。透子はそれを真に受ける(受けるなよ)。純情にして純真なる肇少年はもう爆発寸前である。

そんな事情を知った医学校の悪友が、悪所に誘ってくる。無理やり連れて来られて、やっぱり帰ろうとしていたところで、肇は透子に見つかってしまう。逃げられる。お約束であるので追いかける。で、結局「女性に興味が無いというのは嘘」というのがバレてしまう。

で、さすがにそのまま添い寝を続けるわけにもいかなくなったので肇は下宿を出ていく。でも忘れ物をしたので取りに戻ってばったり出くわして、なんとなく勢いで肇は透子に愛の告白をしてしまう。

その後、結局また下宿をすることになった肇のもとに、また「添い寝」をしに透子はやってくる。「何もしない自信がありません」と言って肇は固辞しようとするのだが、透子は言う。「私は構いません」

このあと、1ページだけだが「結婚後の二人の姿」が描かれて、めでたしめでたしである。

漫画「泉さんは未亡人ですし…」感想

泉さんは未亡人ですし…

この漫画は平和なラブコメである。少なくとも人が死んだり苦しんだりするような類の話ではない。せいぜい童貞小僧が悶々する程度である。

しかし筆者はこの作品に「毒」を感じるのである。板倉梓の画風というのは、比較的漫画的な漫画寄りの漫画絵であるのだが、なんとなく、それだけでは済まされない独自の色気のようなものがある。それでもって、「未亡人」が手出し無用の「添い寝」を迫ってくる。これはやはり、一種の毒である。毒なのである。

前に、板倉梓の作風には二つの流れがあると書いた。これは、その両方の潮流を両方とも取り込んだ作品なのではないかと、筆者は思うところである。


泉さんは未亡人ですし…

泉さんは未亡人ですし…

原作・著者板倉梓
価格660円(税別)

昭和のはじめ頃、東京。未亡人・泉透子は看護婦として働きながら、空き部屋で下宿を営むことに。しかしそこに現れたのは、聞いていた女学生ではなく男子医学生の肇だった。手違いで共に暮らすことになった二人はある事情のもの、毎晩添い寝をする約束をしてしまい!?止まっていた時間が再び動き始める――。

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