もっこり半兵衛、2巻である。
目次
漫画「もっこり半兵衛」2巻あらすじ
一巻同様、各話完結方式の話になっている。のでネタバレに進もう。
漫画「もっこり半兵衛」2巻ネタバレ
第七話 伊助の武芸指南
当たり前だが半兵衛はひとりで広い江戸の警備をやっているわけではない。半兵衛の縄張りは江戸のごく一部に過ぎないが、いちおう幕府の役人と連携もしている。幕府の下級役人で警察みたいなことをする人間を同心というのだが、半兵衛と仲の良い同心が一人いる(名前もついてない脇役だが)。
さて、同心もそんなに数がいるわけではなく、町人による自身番というのもある。商家の息子などがやっている、まあ自警組織のようなものである。半兵衛の知り合いに、伊助という自身番の若者がいた。血気にはやった性格で、半兵衛の腕前を知って弟子入りし、三年かけて免許皆伝と言われるまでになった。この伊助が諸藩剣術指南を狙っての辻斬りをひそかに繰り返していたので、半兵衛は止めた。伊助はその後、凄腕の辻斬りと戦って死んだ。
第八話 裏長屋のお玉
半兵衛の娘、さおりの友人であるお玉という裏長屋の少女が、売られて遊郭に入る話。チャンバラが出てこない、こういう話もある。最後のページでお駒が再登場して、今は女郎はやめて飴の行商で暮らしている、という話をする。
第九話 乱丸の用心棒
乱丸というのは陰間である。陰間というのは、知らない人の方が多いだろうと思いますが江戸時代の男娼のこと。女性の客も取るが、主な客は坊さん。乱丸は売れっ子なのだが、命を狙われている。今度はストーカーが相手ではなく、乱丸の兄が、武家に生まれた身で陰間に身を落とした乱丸を恥じて殺そうとしているのである。乱丸を助ける代わりに、kのあいだ死んだ夜鷹に経を読んでくれる坊さんを紹介してもらおうとする半兵衛だったが……。乱丸もまたのちに再登場する。
第十話 江戸の大火
ところで時代は徳川吉宗の時代である(まだ将軍になったばっかり。本人が出てくるわけではないが)。名前しか出てこないが奉行は「大岡」だそうである。あの人だ。まあそれはいいとして、江戸で大火があった。付け火である。それはよくある話なのだが、木材問屋の木曽屋の庄右衛門という男が、先月大量の木材を購入していて、大火で大儲けをしていたという事実を同心が突き止めた。これは庄右衛門による計画的な付け火ではないか、と同心は睨む(どっかで聞いたような話ではあるが)。ところが、その庄右衛門自身も、大火の日から行方不明なのである。同心に頼まれ、大火の真相を探りに行く半兵衛であるが……
結局、真相はあっけなかった。火付けは火付けだったのだが、ただの兇漢の犯行で、計画性はなかった。庄右衛門は大火の日に普通に焼け死んでいたことが分かった。つまり、大火はあったが、陰謀などどこにもなかったのである。虚しく物語は終わるが、半兵衛の日常は続く。
第十一話 お房さんの仕事?
お房という町人の女房が急に家を空けることが増え、金回りがよくなった。娼婦の真似でも始めたのではないかと人は噂したが、お房は凡庸な女である。実は字の読めない旗本に本の読み聞かせをしていたのだが、プライドの高い旗本はそれを秘密にしていた。結局その秘密は露見してしまうのだが……。
漫画「もっこり半兵衛」2巻の感想
この巻では「江戸の大火」という話が一番好きである。なんか、大岡越前とか暴れん坊将軍とかで見たことがあるようなないような話が展開されるのかと思ったら全然違うところに着地して、虚しい風が吹いて終わり、というのがたまらない。
半兵衛は剣を取ったら無敵だが、それだけではどうにもならないこともいくらでもある時代の話なのだ。
もっこり半兵衛
月並半兵衛はある藩の剣術指南役。あることで脱藩し、江戸へ。ひょんなことで江戸の夜廻りの仕事を月一両ですることに…。それから八年。家族は、こまっしゃくれた八才の娘さやか。夜鷹の協力も得て江戸の夜の悪を退治するのだ。
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