漫画「もっこり半兵衛」ネタバレ感想!恐れられた人斬りの夜回り物語!

もっこり半兵衛

かつて『ジャングルの王者ターちゃん』(週刊少年ジャンプ)、『狂四郎2030』などで知られた徳弘正也の現在(2019年春)の執筆作品である。現在3巻まで出ているのだが、世知辛い事に3巻は紙の単行本が出ず電子書籍版のみとなっている。

個人的にはプッシュしている作品なので、こうしてご紹介する次第。

漫画「もっこり半兵衛」あらすじ

江戸の夜の町に提灯を持って夜回りをして歩く浪人がいた。名は月並半兵衛。剣の達人で、呼ぶ人は「人斬り半兵衛」と呼んで彼を恐れる。一本のストーリーがあるわけではなく、連続して登場するキャラクターはいるが各話完結で物語は展開していく。

漫画「もっこり半兵衛」ネタバレ

第一話 月並半兵衛だよオレは!!

まずは主人公と周囲の人々の紹介である。半兵衛はさおりという娘とともに安長屋に暮らしている。年は一話開始時点で38歳。なんで浪人なのに夜回りなんかやっているのかというと、失脚した大老・柳沢吉保が暗殺されかかっているのを通りすがりに助けたところ、江戸の町のために月一両(あと提灯と蝋燭)で夜回りをしてくれと頼まれたのである。ちなみに年十二両というのは年収としてはたいした金額ではない。貧乏である。1話は2話以降に続いていて、たまたま泥棒をひっとらえて身ぐるみを剥いだところなんとこれが女だった。

第二話 米屋の米米(まいまい)

例の泥棒は米問屋から出てきたのだが、どうも米屋の娘が義賊気取りで金を持ち出し、貧民に配っていたらしいということが分かる。だが、貧民というのは決して善良な存在ではない。娘(米米という名前)が貧民の集団に襲われかけていたところを半兵衛が助け、娘は半兵衛に懐くようになる。

第三話 人斬りの異名

半兵衛の過去が語られる。近藤某という、とある藩の剣術指南役をやっている男が、やっぱりとある藩の剣術指南役だった頃の半兵衛を知っていたのである。半兵衛の仕えていた殿様はだいぶ頭がおかしかったらしく、半兵衛も殺人狂になりかけていた。それに嫌気がさして脱藩して江戸に出てきたのだ。なお、半兵衛が現在差している刀は鞘に見せかけた木刀。

第四話 半兵衛と夜鷹

半兵衛の過去篇がまた別の人の口から語られる。要するに藩主の気まぐれで人斬りをしまくった半兵衛は、藩の中で人斬り半兵衛と嫌われるようになり、嫁さんにも愛想を尽かされてしまう。さおりという娘は半兵衛の妻の子だが、実は半兵衛の子ではないのである。今の半兵衛は人斬りは控えている(控えているだけなのでやるときはやる)が、そういう風になったのは友人である夜鷹たちがたしなめてくれたからである。

第五話 おひさの仇討

仇討ちのために夜鷹に身を落として仇を探している女の話。半兵衛は主体的には動かず、女を庇って銃で撃たれたりする。冴えないししまらないが、そういうところもこの漫画の「らしさ」なのである。

第六話 提重のお駒

提重というのは一種の娼婦である。菓子売りの恰好をして、武家屋敷などを回り、売春をする。それはいいのだが、お駒という提重が旗本の三男坊に懸想されストーカーされて困っていた。それに関わることになった半兵衛は、三男坊を斬り捨てようか或いは絞め殺しでもしようかと悩む。しかし旗本の侍を殺してはまずいのである。時代背景的に。で、お駒と三男坊を心中で川に飛び込ませ、お駒だけを助けるという算段を半兵衛は練る。計略は見事に当たり、お駒は無事に商売に戻ることができたのであった。ちなみにお駒は2巻以降も出てくる。

漫画「もっこり半兵衛」感想

もっこり半兵衛

単に剣が強いから何でもできるとか、人情があったかいとか、そういうところに一筋縄で落とし込まないところにこの作品の奥深さはある。

とりあえず3巻までご紹介していくので、どうか買ってくださいませんでしょうか。打ち切られたら困る。


もっこり半兵衛

もっこり半兵衛

原作・著者徳弘正也
価格627円(税込)

月並半兵衛はある藩の剣術指南役。あることで脱藩し、江戸へ。ひょんなことで江戸の夜廻りの仕事を月一両ですることに…。それから八年。家族は、こまっしゃくれた八才の娘さやか。夜鷹の協力も得て江戸の夜の悪を退治するのだ。

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