巻頭に登場人物紹介があるのだが、数えると24枠もある。
というわけで、16巻である。
不滅のあなたへ【16巻】あらすじ
今巻も難解である。
ストーリー的にはそんな劇的というほど劇的なことは起こらないのだが、キャラクターの心の流れを把握するのがとても難しい。
登場人物もやたらと多くて、かなり前の方からの伏線が急に活きてきたりもするし。
不滅のあなたへ【16巻】ネタバレ
さて、フシが「私を愛して」と言われた場面の直後からである。フシには愛というものを理解するだけの精神性は今でも無いと思うのだが、そう言われたからとりあえず抱きしめてみた。そうしたら、そのノッカーは自分の素性を語った。
かつて歴代守護団の当主の中に居た、そしてカハクに宿っていた、あの個体であるのだという。
そしてそのノッカーは言った。「わたしたちはただ、あなた(フシ)とともに生きたいのだ」と。
しかし、フシはそれを拒絶する。いろいろ言ったが、突き詰めれば「気持ち悪い」からだという。要するに、理屈はともかくとして感情が受け入れないのである。
苦悩するフシ。とりあえず仲間たちと会い、相談してみる。一番精神的な面で頼りになる存在は、ボンである。まるで教導者といった風情で、フシを教え導く。「ノッカーは悪い奴らだよな」というフシの言葉を、ボンは肯定した。
その後、フシはガールフレンドであるミズハの母のイズミを殺害しようとした。といっても、中に入ってるのはノッカーである。
イズミである要素は肉体だけ。肝心の魂は幽霊の状態になっていて、ボンとコンタクトを取れる。だから敵だといえば敵なのだが、ミズハがその偽の母親に取りすがった。殺さないでくれ、と言って。
結局、フシはイズミになりすましているノッカーを殺すことができなかった。そのノッカーには確かに心があり、感情があり、そして人間性というものが備わっていた。殺せなかった、というフシを、しかしボンは否定しない。「人間には感情というものがある。だからそれでいいんだ」と言って。
そこからしばらく、イズミとミズハの生い立ちに関する回想シーンがさしはさまれる。
いちおう、教団の末裔だから今でも活動しているのだが、イズミはそれをカルト宗教のようなものと認識しており、嫌っていたのだそうだ。それに対する反発があって、ミズハに対する子育てもうまくはいかなかった。自分で自分のことを、毒親だ、と言い放つ幽霊であった。
次に問題となるのは例の「観察者」である。今は人間になっている、という話だったが、必ずしもそうでもなかったらしい。
ノッカーに襲われるが、軽く返り討ちにしてしまった。今でも超常の力を使えるのである。受肉はしているのかもしれないが、ほぼ神そのものの力である。その事実を知って、フシは驚きあきれる。ノッカーを全滅させるから協力しろ、と言う。だが観察者はそれを拒絶する。そんなことは無意味だ、というのである。
その後は、なんかきなくさい感じの学園シーンが延々続いて、いちおう今巻は終わり。次巻も現代篇の続きであるらしい。
不滅のあなたへ【16巻】感想
いまさらになって気付いたというわけではないが、大今良時という作家は本当になんというか、「技巧派」なんだなあという気がする。とにかく、人間の心の流れというものを書くのがとてもうまいし、そして巧妙なのだ。
しかしそれはいいとして、この作品は本当に最終的にどこへ着地するのだろう。
このまま「未来篇」まで突入したとしても別に驚くにはあたらない感じではあるが、そうなったとして、やっぱり着地点は筆者ごときの目では見えてこない。楽しみ半分不安半分という感じではあるが、まあとにかく、待て次巻、ということで。
不滅のあなたへ
何者かによって”球”がこの地上に投げ入れられた。その球体は、情報を収集するために機能し、姿をあらゆるものに変化させられる。死さえも超越するその謎の存在はある日、少年と出会い、そして別れる。光、匂い、音、暖かさ、痛み、喜び、哀しみ……刺激に満ちたこの世界を彷徨う永遠の旅が始まった。これは自分を獲得していく物語。
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