満州アヘンスクワッド【2巻ネタバレ感想】モンゴル人集団との邂逅!

満州アヘンスクワッド(2)

満州アヘンスクワッド』最新2巻である。

満州アヘンスクワッド【2巻】あらすじ

満州アヘンスクワッド(2)

言っては悪いが片目に傷があることを除けば優男な日本人の青年(今巻表紙参照)が、暗黒街の帝王にのし上がるまでを描いていく作品であるわけだが、今巻は主に組織の地固めとして仲間を集めていく巻である。

麻薬の売人をやっている、超記憶能力を持った天才少女が一人と、通訳兼護衛のモンゴル人青年が仲間になり、またモンゴル人集団と協力関係を樹立するのだが……まあ、詳しいことはネタバレの欄で語るとしよう。

満州アヘンスクワッド

満州アヘンスクワッド【2巻】ネタバレ

満州アヘンスクワッド(2)

くだんの天才少女というのは、リーファの知己である。外見上の年齢は勇の妹と同じくらい、つまり子供。リーファがいたのと同じ組織の、別の幹部に仕えている。

名をリンと言い、日本人である。リーファは率直にリンに対し「仲間になってくれ」と要求するのだが、断られる。リンはもともと両親に売られた身なのだが、能力があるので麻薬の密売人にしては稼ぎがあり、両親に仕送りをするつもりで金を送っており、いずれ両親と再会する日を夢見ている。

そういうわけで、リーファについていくわけにはいかない、というのだ。

だが、実はリンの両親は既に殺されていた。リンを置いて日本に逃げようとしたために組織に始末されていたのだ。

そのことを知って絶望したリンに、勇が救いの手を差し伸べる。リンは年のわりにませているところがあり、「口説かれている!?」と誤解した挙句に、けっきょくリーファと勇についてくることになる。

次に、勇を狙っている、組織から放たれた殺し屋が出てくるのだが、勇と直接対決するところまではいかず、勇の妹と弟の機転に負けて勇には逃げられている。死んでもいないので、あとの巻でまた出てくるであろう。

さて、組織に追われる身になってしまったことが分かったので、一味は移動する。新天地は熱河省、満州の西の端、万里の長城と接する地である。土壌が阿片栽培に向いているんだそうだ。

警戒するべき相手は組織のほかにも関東軍というのもいるわけだが、この熱河省には関東軍の手は届かない。なぜなら、モンゴル民族のテリトリーだからである。つまり、勇らがここを拠点にする以上は、彼ら遊牧の民を味方につけることがどうしても必要になる(ちなみに、到着した時点で既にリーファ経由のコネはあり、芥子畑の土地を売ってもらったりしている)。

なんだかんだで交渉はうまくいったかに見えたのだが、何らかのきっかけでモンゴル人たちの態度が一変し、追い返されてしまう。

何を失敗したのか、リーファでも分からない。だが勇が調べて分かったことには、勇がひとりのモンゴル人の足を踏んでしまったのがまずかったのである。

モンゴルの風習では、足を踏むことは敵対行為を意味するので、仲間うちで間違って足を踏んでしまったときはすぐに「握手」をしなければならない。それをしなかったから勇はモンゴル人たちを怒らせてしまったのである。

で、モンゴルの伝統的な挨拶の品である「フールグ」という嗅ぎ煙草を手土産に持って行ってどうにか許してもらった一行、通訳兼護衛のバータルという青年をつけてもらうことになる。バータルはナンパな性格だが、腕利きである。

それから少しあと、作った阿片を運んで鉄道に乗っていて関東軍の憲兵の臨検を受ける羽目になる。

ここで活躍するのがまずリンである。
記憶力がものすごいリンは憲兵たちの名と顔を記憶していて、はったりを利かせる。憲兵たちの後ろ暗いこと(女遊びで浪費癖があるだのなんだの)に軽く触れ、「うちのボス」がお怒りにならないようにした方がいいわよ、みたいなことを言う。

うちのボスとは勇のことなのだが、勇はリンに事前に言われていた通り一言も喋らず、雰囲気だけで憲兵たちを呑んでしまった。

ただし、下っ端の憲兵はそれでよかったが、憲兵たちのリーダー(伍長)はそうもいかなかった。で、伍長はバータルが列車から突き落として始末したのであった。

その後、リー・ヤオリーという女優(中国人ということになっているが、実際には日本人で、本名は山内洋子)が逃亡しているのを匿う話になり、その途中で2巻は終わりとなる。

満州アヘンスクワッド【2巻】感想

満州アヘンスクワッド(2)

まだ何とも、感想がどうというほどのところまで話は進んでいないのだが、勇がハッタリだけで「ボス」を演じて(いや、実際にもうボスなんだけど)下っ端憲兵をビビらせるシーンは先の期待が持ててなかなか良いと思いました。といったところで、次は2021年2月発売予定の3巻をお待ちください。


満州アヘンスクワッド

満州アヘンスクワッド

原作・著者鹿子 / 門馬司
価格693円(税込)

「満州で一番軽いものは、人の命だ」時は昭和12年。関東軍の兵士として満州にやってきた日方勇は、戦地で右目の視力を失ってしまう。「使えない兵隊」として軍の食糧を作る農業義勇軍に回され、上官に虐げられる日々を送るも、ある日農場の片隅でアヘンの原料であるケシが栽培されていることに気づく。病気の母を救うためアヘンの密造に手を染める勇だったが、その決断が自身の、そして満州の運命を狂わせていく…。

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