新シリーズをご紹介する。といっても、まだ1巻が出たばかり。LINEマンガという媒体で人気が出て、単行本化の運びになったようだ。
先輩はおとこのこ【1巻】あらすじ
ざっくり説明すると「男の娘もの」である。
割と流行りのジャンルなのでそんなに珍しいものではないが、主人公が「女装を趣味とする男性」で、そして「それに片想いして追っかける女の子がヒロイン」という構図になっている。まずは告白から始まって、あとは流れとしてはひたすらヒロインの押せ押せという感じ。
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先輩はおとこのこ【1巻】ネタバレ
主人公は高校生、2年B組花岡まこと。男として生まれ、男としての肉体を持つが、学校では女子の制服、つまりセーラー服を着て日々を送っている。
で第一話で、蒼井咲（あおい さき）という女の子に手紙で呼び出され告白される。咲はまことが男だという事実を知らなかったので、ウイッグを脱いで（まことの長髪はウイッグなのである）、自分は男なのだということを告げる。
すると言われた。「男の娘！最高じゃないですか！女の先輩も男の先輩も楽しめるなんて！」
咲はいちおう初手で振られたのだが、まったく諦める様子がない。いままで人を好きになった経験がない（男も女も、ということだと思われる）まことに対し、「先輩の初恋の相手をわたしにしてみせます」と挑戦状を叩きつけるのであった。
さて、重要なキャラクターがもう一人いる。りゅうじ。まことの幼なじみ（幼稚園以来）の親友で、名前からお分かりのように男。隠し撮りしたまことの写真を生徒手帳に忍ばせていたりするが、いちおう表向きは「男性同士なので恋愛対象ではない」と称している。咲は「ぜったいまこと先輩のことを好きであるに違いない」と推測しているが。
さて、あとひとつ重要な話がある。
まことと咲（とついでにりゅうじ）は徐々に仲良くなっていくのだが、その過程で重要な事実を咲は知ることになる。自宅に訪れて分かったのだが、まことは家では女装をしていないのである。なぜかというと、母親が女装趣味に否定的であるため、母親の顔を立て、自分が女装趣味である事実を隠しているからだ（よく隠せるものだと感心するが、学校で女装している事実を親が知らないのである）。
その事実を知った帰り道、りゅうじと合流して3人で花火をするシーンが描かれ、とりあえず1巻は終わり。2巻に続く。
先輩はおとこのこ【1巻】感想
「男の娘もの」はいまやポピュラーなジャンルであるため様々な切り口があるのだが、この作品はまず、（少なくとも今のところ）非常にピュアである。
そもそもまことが「女が好きな男だが、女装をする」というタイプであるのか、「男が好きな男で、女装もする」タイプであるのかが現時点では不明瞭だが（どうも前者っぽいが）、いずれにせよ他者に性愛感情を向けたことがないようなので、そういう話もまったく出てこない。
もう一つ特筆すべき点をあげると、まことは割と周囲から好奇と偏見の眼で見られている、という事実がはっきり書かれていることがあげられる。当たり前のように女装する男が出てきて当然のように周囲に溶け込んでいる作品というのもあるのだが、この作品はそうではない。
母親にすらカミングアウトできないという、わりと生々しい性的少数者（セクシャルマイノリティ）の立場の難しさが描かれている。
とはいうものの、絵柄は基本的にポップで可愛い系である。リアルタッチになるときとデフォルメタッチになるときの落差がわりと激しくてそこが楽しい。
恐らくはこの先、女の子（咲）とまことが恋愛する話の流れになっていくのではないかと予測するが、まことの自意識が最終的にどういうところに落ち着いていくことになるのか、興味の尽きないところである。
先輩はおとこのこ
「次にくるマンガ大賞2021」Web部門第3位受賞の話題作！可愛いものが大好きな男の娘・花岡まことは、後輩女子・咲に「まことが女性だと勘違いしたまま」告白される。そこで、まことは自身の性別は男性だと告げ「好きな人はできたことがないから」と告白を断ってしまう。しかし、咲は男の娘という事実に対して「男女両方の先輩が楽しめる」と喜んでしまい「先輩の初恋の人になってみせます」と、まことを振り返らせると宣言するのだった。
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✅ 先輩はおとこのこ【2巻ネタバレ】女装を止めて…普通を目指すことへの悪戦苦闘が始まる！？
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