無能なナナ【6巻ネタバレ感想】主人公の立場が劇的に変わる注目巻!

無能なナナ(6巻)

無能なナナ6巻である。この報告をするのは珍しいことではないが、本作品もアニメ化が決まったそうだ。

無能なナナ【6巻あらすじ】

前巻の紹介で書いた通り、舞台は孤島から本土に移動する。

もっとも本土といっても、閉鎖された施設の中である。当人たちがどう感じているかはともかくとして、別に島暮らしがテーマの作品だったというわけでもないので、作品の雰囲気はそういう面ではあまり変わらない。

ただ主人公・ナナの立場は劇的に変わってくる。表立って体制に反逆して革命の狼煙を上げるというところまではいかないのだが、自分の思惑でいろいろと策謀するようになるのである。もっとも、今巻も能力者とのバトル自体は続く。詳しくはネタバレへ。

無能なナナ(5巻)

無能なナナ【6巻ネタバレ】

無能なナナ(6巻)

さて、同僚であるモエの前で「私はもう誰かの言いなりにはならない」と宣言してしまったので、モエに「それは反逆です!鶴岡さんに言いつけます!」とか言われる(当たり前ではあるが)。だがモエはあんまり賢いわけでもないため、割とちょろっと丸め込まれてごまかされてしまう。

それはいいとして、今巻でスポットライトが当たるのは三島コハルという能力者。一度も能力を級友のだれかに見せたことがないそうで、その力は秘密のヴェールに包まれているが、本人は「たいした能力ではない」とうそぶいている。

このコハルが、今までの連続殺人事件(ほかの級友たちの間では、表向きは連続殺人事件とは認識されていないが)についてナナの仕業であると確信し、寝込みを襲った挙句にナイフで攻撃を仕掛けてくる。

ナナは一応まだクラスのリーダーであるという建前なので、その場から逃げ出してみんなにそれを急報するのだが、教室に駆け込んでみるとコハルはそこにいた。つまり完璧なアリバイがあるというわけである。あるが。

このトリックの「タネ」は簡単に明かされる。コハルには実は双子の姉妹がおり、入れ替わり立ち替わって学校に通っていたというのである。能力は、「お互いの記憶を共有する」というだけのものであるという。

さて、そのあたりのことが一通り説明された後、一行は本土に上陸する。軍の基地の中、基地の中といっても基地で暮らすための街まである巨大な施設なのだが、そこの中で暮らすということになる。外に出ることも一応許可されるらしい。

さて、自分のしてきたことについて疑問を感じ始めているナナ、上司の鶴岡にそれを洗いざらいぶちまける(心を許しているのである)のだが、「当たり前だ、お前は悪いことをしてきたんだ 今更心変わりなど許されるはずがないだろう」とか言われ、一週間以内にもう一人殺せ、さもなければお前を殺す、と言われてしまう。

さて、コハルについてであるが、最終的にはナナに罠にはめられ、追いつめられる。んで、能力については自分から打ち明ける。そのコハルを、殺したくないのでナナは逃亡させようとするのだが、モエに密告された結果として鶴岡に現場を押さえられ、コハルは撃たれてしまう。

そのときコハルの真の能力が明らかになる。実は双子の姉妹などおらず、すべては幻術だったのだという。虫の息のコハルに、ナナはやむを得ずとどめを刺した。これでなんとか密殺はされずに済む、というところで、6巻は終わりである。

無能なナナ【6巻の感想】

無能なナナ(6巻)

この作品は、最初から面白いのだが、同時に最初から「これ完走できるのか?」と不安にさせられる作品でもあった。アニメ化されるくらいだから人気はあるのだろうがそれでもその不安はいまだになくならないのだが、「同級生を殺しまくっていったらそのうち話がうまく転がらなくなるのではないか、どう話を持っていくんだろう」という疑問については一応の解が示されたようだ。

しかし、難しいかじ取りを迫られるシナリオメークである。果たしてどうなることか。今後ともこの作品には注目していきたい。


無能なナナ

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