無法島【4巻】あらすじ
非常に重要な伏線が一つ明かされる。
主人公カイトにかけられた家族皆殺しの疑惑であるが、結局濡れ衣だったらしい。なんとなれば真犯人は島にいたのである。詳細は後述。
ジンボのグループは存続の危機に陥る。
まず、離反して生まれた新グループが二つほど出る。一つは流れでなんとなく発生した逃亡者によるコロニー、もう一つはジンボの政権をひっくり返すつもりで策謀していた、計画的に動いているグループである。
こちらも詳しくは後述するが、ジンボはそれでどうするかというと、離反者のグループに対してどうこうするよりもカイトのグループへの攻勢を強める。それが彼にとって吉と出るか凶と出るかは分からない。
無法島【4巻】ネタバレ
さて。カイトの家族を殺した真犯人、そしてジンボを裏切って新グループのリーダーとして君臨しようとしている男、いずれも3巻で「ストーカー君」と呼ばれていた彼である。しかしまずはその話に至るまでの流れを書いていこう。
カイトのグループのところに、またジンボのところから数名の兵隊が送られてくる。何の策もなくやってくるわけではなく、今度の連中は防具を付けている。木製の簡単な盾に、胴巻き。こんなもんでもあるとないとでは大違いであるが、最終的にはこいつらも撃退されてしまう。
兵隊たち、リーダーはジンと言うのだが、彼らが戦意を失ったあと、カイトたちは生き残りを解放する。殺しをしたくないということもあるが、「ジンボのところに帰らず、島は広いのだから独立して生活しろ」とそそのかすのである。
ジンボの影響力をそぎ落とすことが目的というわけである。討伐するにも労力がかかるわけだし。で、ジンたちは逃げて行った。
その後、ジンボのグループがあんまりしつこいので、カイトたちは逆に偵察に向かった。着いてみると、ジンボは新しく加わった死刑囚たちとどつきあいをしているさなかであった。そのすきをついて、カイトの仲間のひとりがジンボたちの食糧庫に火を放つ。間一髪だったが放火にも逃走にも成功する。
そして、それにさらにタイミングを重ねて動いたのがストーカー君とその一党である。
食糧の調達をジンボたちから一手に任されていたので、家畜とかそういうものを盗み出して山に逃げた。ジンボら港に集っている連中は、次に船が来る(最低でも一ヶ月は待たないといけない)まで、何らかの手段で新たに食糧調達をしなければならない。
危機的状況である。誰がって、ジンボがだ。餓死はしないかもしれないが、このまま求心力を失ったらこれまでの行状その他からして誰かに殺されるであろう。ストーカー君はジンボを失脚させて後釜に坐るのが狙いで動いているのである。
ところで説明が前後したが、ストーカー君の過去である。
カイト本人にではなく、仲間に対して、カイトの家族を殺したことについて語っている。嘘をつく動機もないし本当であろう。カイトの方はといえば、そんなことはつゆ知らず、真犯人を殺してやりたいと息巻いている。
で、追い込まれたジンボたちのグループからカイトのグループへの大攻勢が始まり、仲間の女のひとり(魔女じゃない方)が生け捕りにされたというところで、次巻に続くとなる。
無法島【4巻】感想
正直なところ、はっきりと「犯人ではない」と明言されていなかったので、この四巻に至るまで主人公カイトを「やっぱり殺人犯なのではないか」と疑っていた。そんなことはなかった。
そしてまた、まあそんなところではないかと思ってはいたが、ジンボを打倒しても物語にエンドマークは打たれなさそうである。新しい指導者が台頭してきた。殺人鬼なのはみんな一緒とはいえ、一筋縄ではいかなさそうだ。では、5巻の紹介もお楽しみに。
無法島
20××年、政府は増え続ける凶悪犯に対し、試験的に流刑制度を復活させた。死刑に相当する凶悪犯62名が送られた島の名は、通称「無法島」――。家族を惨殺され、無実の罪を着せられ、この島へと辿り着いた一人の青年。あまりにも過酷な現実が、いま動き出す…。累計330万部超の大ヒットサバイバルコミック「自殺島」。そこでは語られなかった前日譚を描く、衝撃の話題作!!