えー、本作は小説のコミカライズ作品である。原作はライトノベル、それも、いわゆる今流行りの「なろう小説」というやつだ。
漫画「神達に拾われた男」あらすじ
主人公・竹林竜馬はしがない中年のサラリーマン。詳述はされていないがお約束のパターンとして独身男であり、うだつのあがらないブラック企業勤務のサラリーマンである。
で、ある日突然死んだ。過労死かと思ったら、直接的にはそうではない。死後の世界で神様(三人いる)が教えてくれるのだが、ベッドに寝たまま何度かクシャミをしたら寝床から転落し、頭を打って、打ち所が悪くて死んでしまったのだそうだ。
なんでも、神様が竜馬の人生の苦労だか努力だかに免じて、異世界に転生させてくれるのだという。別に魔王を倒せと要求されたりはしない。なんだか良くわからない理屈で移民を募集しているみたいな感じの事情があり、行きさえすればそれでよいらしい。
で、異世界に送り込まれた。姿も少年のそれとなり、竹林竜馬改めリョウマの新たな人生が始まる。なんかほんわかとした剣と魔法の異世界で。
漫画「神達に拾われた男」ネタバレ
異世界転生ものでよくあるパターンで「既にその世界に存在する人間(貴族の御曹司とか)の身体を乗っ取ってそれと成り代わるという典型的なやつがあるのだが、リョウマの転生はそういうのではない。身体自体は、神様が作ったボディであり、魂(と言っていいのかどうかは分からんが)だけの状態で異世界に送り込まれ、新しい人間の身体を手に入れたわけである。
で、新しい世界に身分一つあるわけでもないので、とりあえず街には近づかず、野良暮らしが始まる(それが実に3年間も続く)。こういうのを、昨今の流行りでスローライフ系という。
順番立てて説明すると、カテゴリの大きい順にライトノベル→なろう系→スローライフ系である。ちなみに昨今の流行りとしてはなろう系の下に追放もの、悪役令嬢などもある。もっと新しいのもあるのかもしれないが筆者もそこまでは把握していない。
リョーマは基本的に万能で、魔法も使えるし何でもできる感じなのだが、メインで使う能力は「テイム」、従魔法である。モンスターを従えるというやつだ。ものすごく雑な説明をするとドラゴンクエストVの主人公がやっているアレだと思っていただければだいたいそんな感じだ。
スライムたちは飼い方によって色々な進化をするので、洗濯機の代わりになるスライム、モンスターを狩るのに使えるスライムなど、何でもござれである。実に便利。
さて、そんな生活を3年も続けるわけだが、ある日、貴族の一行が旅の途上で怪我人を出して困っているのを、リョーマは偶然に見つけて助けた。
貴族は公爵であると名乗った。ヤサ男だが、あとで判明することには妻子持ちである。
この貴族たちにコネができ、また友誼をはぐくむようになったリョーマは、彼らにくっついてこの世界の街に足を踏み入れる決意を固める。1巻はそこまでである。
漫画「神達に拾われた男」感想
コテッコテのなろう系、コテッコテのテンプレチート(という言い回しをする。主人公が強かったり便利な能力をたくさん持っているという意味である)だ。夾雑物(きょうざつぶつ)は少なく、ほんとうに純粋まじりっけなしのテンプレチートスローライフ異世界転生である。
そういうものを受容として求めている層には大いに受けているのだそうで、実際この通りコミカライズが2巻も出ているというわけだ。
テンプレチートもので陥りがちな陥穽として、「することがなくなって話の進行が鈍る」という問題があるわけであるが、とりあえず街に出るという大目標があるので2巻の話は大丈夫であろう。とりあえず、コミカライズ単行本は現在2巻まで出ている。そこまでご紹介しよう。
神達に拾われた男
日本の中年サラリーマン竹林竜馬は、死後、三柱の神に協力を求められ、子どもの姿で異世界へ転生! 森で一人、のんびり暮らし始めた竜馬は、魔法でテイムしたスライムたちの研究にのめり込んで行き…。「小説家になろう」発! 意外と便利に使えるスライムたちと、まったり第二の人生を謳歌する、異世界スローライフファンタジー!