漫画「月曜日の友達」ネタバレ!胸がざわつく危なっかしい青春物語!

月曜日の友達

ジャンルはガールミーツボーイだそうである。青春漫画というには、やや恋愛的色彩が強いような感じ。でも恋愛、という言葉をあえて使いたくない。

もっと淡い感じ。そういう雰囲気の作品だ。作者のことは知らなかったが、こういう作風を昔から得意としている人らしい。

漫画「月曜日の友達」あらすじ

主人公の名前は水谷茜。

中学校に上がったばかりの少女。だが子供っぽい性格で、どこか「中学生である自分」に馴染むことができない。そんなある日、学校で、どことなくミステリアスな雰囲気をまとった少年と出会う。月野透。同学年の少年。

ある夜、学校に遊びに行ったら、透がいた。聞けば自分には超能力があるような気がするからそれを目覚めさせるための練習をしていて、茜にも協力してもらいたいのだという。

こうして、二人は毎週月曜日の夜、学校で会うことになる。

漫画「月曜日の友達」ネタバレ&感想

月曜日の友達

この作品、展開されるストーリーだけを追ってしまえばひどく単純である。

少女と少年が逢瀬を重ねるうちに親しくなっていくだけだ。

春の終わりに茜が「私たち、友達になろう!」と言い出し、夏は学校の外でも会うようになり、まあもうガールフレンドとボーイフレンドという関係だよな、そして秋が来ようとしている。そこで1巻は終わり。まだ読んでいないが2巻で秋と冬が描かれ、終わりだそうである。

さて、じゃあそういう単純でありきたりなガールミーツボーイを描いた凡作なのかと言えばそれはぜったいに違う。

おそろしく心をざわざわさせられる作品だ。

青春、というものの描き方にもいろいろあるが、この作品は青春というものの「危うさ」に筆さばきの重みが置かれているような気がする。

なんというか、この二人の関係は進展しているしうまくいっているのだが、それでも危ういバランスの上に成り立っていて、ちょっと横から力を加えたらバランスを崩して決壊してしまいそうな、そういう危うさがあるのである。そして、そこが「いい」のだ。

さて、最初の方からもう少し展開を掘り下げてみるとしよう。二人の初対面は、階段の踊り場。ふと、肩がぶつかる。目が合う。透き通るような美しい少年の瞳(透は色白で、女顔の美少年である)。なんとなく透のことが気に喰わなくて、食ってかかる茜。だけど読む側からすれば分かる、これはもう彼が気になり始めているのである。

透は超能力がどうたらというような子供っぽいところはあるが、言うほど奇人変人というわけではない。常識的なことも言うし、茜に対して気遣いらしきものもできるし、弟や妹の面倒を見ていたりするし、傷つく心も持っているし、年相応の苦悩や葛藤を抱えていたりもする。

というか、透のそういう一面一面を少しずつ茜が掘り下げていく描写が、関係の進展そのものというわけである。

ところで初めて夜の学校で会ったのがある月曜の夜で、次の週の月曜の夜、茜はほかの友達に連れられてカラオケに来ていた。しかし、「毎週月曜日に学校で会おう」という透の言葉が気になってしかたなく、頭の中が透のことでいっぱいで、結局カラオケボックスから逃げ出して学校に駆けつける。そうすると透が最高の笑顔をして待っているのである。

なんかもうこのへん、ほんとうに胸がざわざわして仕方がない。

ところでなぜ月曜日の夜かというとちゃんと理由がある。透の家庭の事情で、別居している父親が月野家の下のふたりと会う日が月曜日の夜なのだそうだ。それで、その時間は透は外に出ているというわけである。

夏の終わり頃になると、茜の独白はこうなっている。

「はやく、 次の月曜日がこないかと焦がれてしまう。」

メロメロでラブラブじゃねえか!と思うが、多分この娘まだ自分の恋愛感情に自覚はない。そういうところが危なかっかしくて良いのである。

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