漫画「ゲレクシス」は稲中卓球部などを描く古谷実先生の作品。2巻完結のコメディとSF要素なのかなぁ(笑) 入り混じった不思議な感覚に陥る作品となっています。
シュールで摩訶不思議…
独特な世界観に引き込まれていきます。
最初は40歳の冴えないおっさんの恋物語かと思いましたが中身は全然違います。インパクトのある表紙を見てもらえばわかりますが、人と呼べない存在になり、芽生える友情や目的を作りながら物語が進行。
そして、読者を裏切るかのような結末を迎えていきます。
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漫画「ゲレクシス」ネタバレ
主人公は40歳までバウムクーヘン一筋の職人である大西たつみ。いよいよ禿げ上がりそうな頭に決して恵まれた容姿ではない男である。面白いのが大西の店で働くバイトである倉内ゆう子。
いつも店長である大西をいじっている。
この二人の掛け合いが非常に面白いので注目して欲しい。
初恋の相手に触れらたら人外へ…
事の始まりは大西が倉内にある相談を持ちかける。それが40歳になって好きな人ができたといった相談。つまり大西の初恋である。初恋相手は公園にいつもいる女性。
そんな話を聞いた倉内は大興奮。
すぐに公園に向かい、初恋相手を見に行くことに。これが摩訶不思議な物語の始まりとなる。
公園に着いた二人。
その女性は大木の下に立っていた。しかし、倉内には見えない。倉内には見えないが声を掛けてみろと大西の背中を押す倉内。
勇気を振り絞って大西は女性に声をかける。
声をかけた女性が振り返ると美人であったが次の瞬間、顔がおにぎりを逆さまにしたような意味不明な顔になる。もうここから段々とSF的な展開へ。
この異型な存在の背景話を聞いた後、人間に触れられるか、試してみたいと言う変なの。許可する大西だったが触れられた瞬間…
大西も異型な存在になってしまう。
まさかの脱皮…(笑)
説明不可能な現象に見舞われる大西。どうやらこの姿になると周りの人間から見えなくなるらしい。倉内も突然、大西が消えたので逃げたと思い、探しに公園を立ち去ってしまう。
ちなみにこの公園にいた異型な存在は今後、モウソウといった名前で呼ばれる。
大西は人間に戻る方法を模索する。モウソウは同類ができたことを喜ぶ。そんな事をしているとモウソウの頭部が体からもげるのだ。頭部から体が生えてくる。
大西ももげそうになるが必死で体を支えて頭部がもげることを阻止する。
モウソウは今までと体の自由が違うことに気づく。以前は寒さや暑さ、空腹や喉の渇きなどを感じながったが頭部がもげてからは感じるように。
モウソウが喜びながら後ろを振り返ると大西の体だけが地面に転がっていた。
大西も脱皮していたのだ。
頭部がもげて体が生えた状態で再び登場する大西。
腹が減った二人はバウムクーヘンを食べようと大西の店へ向かう。
新しい仲間と共に人間に戻る方法を模索
大西の店に向かうがそこに店はなく辺り一面が林であった。そして何故か、自分たちの周りも林に囲まれてしまう。もうその場所が山になっているのだ。そこへ自分のことを正気と呼べ…といった新しい異型の存在が現れる。彼はここから正気といった名前で呼ばれる。
大西、モウソウ、正気はこれから3人で行動して水を求めて山を彷徨う。そこで人が住んでいる古民家を発見。突撃して水を恵んでもらおうとするが、古民家には毛で覆われている姿をした異型の存在が住んでいた。
彼は自分のことを純平と言い、大西達に知っていることの全てを語りだす。
実は脱皮した大西達の姿は人間から認識できるようで人間に認識されると死んでしまうようだ。
さらに山へ探索に出ていた正気から衝撃の事実が判明していく。
正気は木と会話したらしく現在の状態を教えてもらったらしい。それによると大西達の状態はゲレクシスと言い、この世にいてもいなくても良い比率が完全な半々になった人間が稀にゲレクシス状態に陥ると。
漫画「ゲレクシス」結末
木の話によれば待っていればいつか人間に戻れる日はやってくるらしいが、いつになるかはわからないとのこと。そして3人は話のわかりそうな倉内に助けを求めることで一致団結して集落へ侵入して携帯を奪おうとする。
ここでトラブルが…
夜中に集落へ侵入するが立ちションをしているとオッサンに姿を見られてしまう。人間に見られたら数日以内に死亡する設定なので3人は咄嗟にその場を離れて古民家のアジトへ。思い思いに泣き叫ぶ。
死ぬ前に大西のバウムクーヘンを食いたいと言ったことで3人は意を決してヒッチハイク。なんとか大西の店まで到着するのだ。それ以降、倉内を呼び出して事情を説明、さらに店の売上金を使ってビールやらカレーや数日ぶりに贅沢な食事をして宴をする。
宴も終わり寝静まる一同。
大西の夢の中で純平が現れて意味深発言の後、目を覚ますと大西は倉内と恋の相談をしていた喫茶店に人間の姿をして戻る。
その後、公園に急いで向かったがモウソウや正気の気配はなかった。
不可思議な現象後、1年が経過。
以前のように店でバウムクーヘンを作る大西。ゲレクシスになる以前のような生活。ただし、毎日公園に行くことだけは欠かさない。
店を閉めて倉内と別れの挨拶をして公園を向かう大西。モウソウや正気のことを思い浮かべると目の前が暗転。気がつくとゲレクシス状態で東名高速道路の上にいた。
お終い。
漫画「ゲレクシス」感想
本当に独特の世界観がある作品。奇想天外過ぎて一回読んだだけでは、ついて行けない世界が広がっています。もう最後とか意味不明…(笑)
まさに漫画だからこそ、表現できるような手段で描かれた作品の印象を受けました。
読む人によって大きく解釈が変わる漫画。ただのギャグSF漫画に感じる人もいれば、哲学を感じる人もいる。誰一人予想し得ない展開を見せていく摩訶不思議な古谷ワールドが広がっている作品です。
笑いありの独特な世界に浸りたい方に是非、お勧めの1冊です!
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