『不滅のあなたへ』もはや10巻、ついに2ケタ巻数である。
漫画「不滅のあなたへ」10巻あらすじ
この巻は概略を見るより細かくストーリーの流れを追った方が分かりやすいと思われるので、このままネタバレに進もう。
漫画「不滅のあなたへ」10巻ネタバレ
前巻の終わりで、フシが大きな成長を遂げた、と書いた。
しかし10巻から改めて振り返ってみると、それは「成長」というのとは異質な何かだったのではないかという気がしてならない。
フシだが、地上に「根」のようなものを伸ばし、3キロメートルほど知覚範囲を広げることができるようになった。それくらいならまだいいが、人間のかたちをしている本体の部分というのも不明瞭になって、変幻自在という感じである。ボン王子は概要を知って「まるで人間から遠のいてしまったようだ」と嘆じている。まあ厳密には、そもそもフシは最初から人間であったことなど一度もないのではあるのだけれども。
物語の骨子が、フシとその仲間たちによる、ノッカーとの闘争であることそのものは変わらない。ボン王子も独自に動き始める。どういう低意か、「フシと同じ不死者の軍団を作る」などと言い出す。何か企んでいるらしい。よく分からないがとりあえず軍隊のようなものを招集し、志願者を募っている。腐っても元王子であるので、むかしの部下などが大勢集まっているようだ。
中でも選び抜かれた三人がフシと対面する。カイ・レナルド・ロウル。ハイロ・リッチ。メサール。ボンはフシに、この三人を「獲得」するようにと言う。フシはそういうことは嫌がる(人間離れしてしまった感のあるフシだが、そういうあたりの感性は変わっていない)。
なお、フシの能力であるが、無機物も生み出せるので、「建物をぽんぽこ生み出す」ということもできるようになっている。要塞だって作れる(ノッカーにどこまで有効であるかどうかはともかく)。完全に超人というか神の領域に足を突っ込みかけている。いや、だから最初から人間じゃないんだけども。
その能力を使って、街一つをそっくりフシの「端末」に変えてしまう計画が始まる。さすがに時間はかかるので、昼夜兼行で数カ月がかりの作業ではあるのだが。
ちなみに、街がまるごと神経端末に繋がってしまったので、そこにいる人々の心や感情なども読み取ることができるようになっている。さすがのフシも情報量が多過ぎて混乱が生まれ始めているらしい。大丈夫なのだろうか。
さて、ボンはフシが眠っている間に観察者を呼び出す(観察者は普通の人間には普段は見えないが、霊能者であるボンには見えているのである)。そして観察者の目的を聞く。観察者は言う。
「フシはいずれ私の代わりになる。その時私はいなくなる」
相変わらずこいつもよく分からない存在である。
さて巻末、いよいよノッカーの襲撃が始まる。ノッカーの襲撃に備えて城塞都市の各ポイントに分身を配置していたフシなのだが……その中の一体、魂が入っていなかったはずのマーチの肉体が、突如として目を開く。まさか生き返ったのか?というところで、よく分からないまま次巻へと続く。
漫画「不滅のあなたへ」10巻の感想
もともとこの漫画は難解なのだが、今巻は輪をかけて難解であった。ちょっと噛み砕きようがなくて飛ばしているシーンもたくさんある。もっとも、分からないから面白くないとかいうことでは全然なく、ワクワクするような面白さの漫画であることに変わりはないのだが。
10巻にもなったことだし、つまり作者最長シリーズであるし、そろそろこれが代表作であると言ってもいいんではないかな?などと思う次第である。
不滅のあなたへ
何者かによって”球”がこの地上に投げ入れられた。その球体は、情報を収集するために機能し、姿をあらゆるものに変化させられる。死さえも超越するその謎の存在はある日、少年と出会い、そして別れる。光、匂い、音、暖かさ、痛み、喜び、哀しみ……刺激に満ちたこの世界を彷徨う永遠の旅が始まった。これは自分を獲得していく物語。
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