4巻にしてはじめて、巻頭にキャラクター紹介とあらすじが置かれるようになった。
「観察者」の目的は、「この世界を保存する」ことであるらしい。
そして、多分本筋に絡むことはないんじゃないかと思うが、酒爺とピオランはむかし恋人同士だったのだそうだ。
漫画「不滅のあなたへ」4巻あらすじ
4年間、フシは酒爺のもとで、グーグーの義兄弟として、一度も変身することなく人間らしい生活をした。家事も人並みにこなせるようになったし、言葉も流暢に、そして明晰に話せるようになった。ようやく、人格というものが備わったという感じである。
もっとも、人間ではない「何か」でしかないということに変わりはないのだが。
さて。
まあだいたい予測はできていたのだが……グーグーが死ぬ。ノッカーとの戦いの中で。
漫画「不滅のあなたへ」4巻ネタバレ
その日はリーンの誕生日であった。16歳の誕生日で、親が決めたいいなずけ(リーンは嫌がっている)と初めて会う日でもある。
リーンは4年間ずっと知らなかった、グーグーが仮面をかぶるようになったのは自分を助けて大怪我をしたためである、という事実をひょんなことから知り、グーグーに対して抱いていた恋愛感情を自覚するようになる。
で、その直後にノッカーの襲撃である。前回(4年前)グーグーの火炎放射で敗れたので、身体の表面を石化させたり、岩を操ったりする能力を手に入れていて、大変な苦戦になる。
ノッカーそのものはどうにか追い払うことに成功するのだが、問題が二つ。マーチの姿を奪われたままになってしまった。そして、グーグーがリーンを庇って死んだ。
グーグーの死と同時にフシはグーグーの姿に変身できるようになる。その変身したグーグーの姿で、フシは悩む。この姿でリーンと顔を合わせたら、彼女を傷つけることになるのではないかと。
まあ、そうなったからそれでどうだというわけではないのだが、感動するに足ることは、最初はただの石ころ(比喩でもなんでもなく本当に単なる石ころ)だったフシがそんなことを考えて悩んだりするくらいまで複雑な精神性を有するようになった、という点である。
フシはそして再び旅に出る。今度は漫然とではない。
「愛する者、罪なき者をノッカーの災いに巻き込みたくない」という明白な意志のためにである。
ちなみに、自分の生みの親である「観察者」に「お前が作ったのなら何とかしろ!」と言って食ってかかったりもするようになった。反抗期である。まったく実に成長したものだ。
ちなみにピオランだけはまだついてくる。のだが、ノッカーが出ても被害が及ばないようにどこそこの島に渡ろう、と言っていたら、ピオランと共に、騙されたのかなんなのか、フシはコロシアムのある囚人のための牢獄の島に送られてしまった。
そのコロシアムで優勝すればピオランを助けだせると言われたフシであるが、最初の戦いで斧で頭を割られてしまう。フシは人間ではないのでそんなことは平気なのだが、「死んだふりをした方がいいのだろうか でも優勝しないといけないんだけど」と考えている。相手は相手で、何本剣を刺してもフシが明らかに死なないので困り始めている。
そんなところで5巻に続く。
漫画「不滅のあなたへ」4巻の感想
いろんな意味ですっかり少年漫画らしくなった。主人公フシ君が「俺は何者なんだ 俺は何のために存在するんだ」などと、アイデンティティで苦悩したりなんだりするようになったからである。
謎めいた感じの不思議さは薄れたが、漫画としての完成度は相変わらず高い。この先はどうなっていくのだろうか。まだまだ楽しみが続くようで何よりだ。
不滅のあなたへ
何者かによって”球”がこの地上に投げ入れられた。その球体は、情報を収集するために機能し、姿をあらゆるものに変化させられる。死さえも超越するその謎の存在はある日、少年と出会い、そして別れる。光、匂い、音、暖かさ、痛み、喜び、哀しみ……刺激に満ちたこの世界を彷徨う永遠の旅が始まった。これは自分を獲得していく物語。
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