漫画「終わった漫画家」ネタバレ感想!人間性が堕落している3人のラブコメストーリー!

終わった漫画家

作者はけっこうキャリアがある作家である。

タイトルから受けるファーストインプレッションとは違って、「終わった漫画家による自伝的漫画」というわけではない。

「終わった漫画家」をテーマにした、
漫画家が主人公の現代日本が舞台のラブコメ、と言った感じだ。

漫画「終わった漫画家」あらすじ

主人公は二人いる。

ひとりは漫画家志望の女子高生。凡庸で、特に画力がまだ壊滅的だが、そこそこの才能はあるいは秘めているかな?程度の人間。

もう一人は「終わった漫画家」。

デビュー時はそこそこブイブイ言わせていて、まだその頃の金は貯金で残っていて、そこそこイケメンで、今もいちおう仕事はある、つまりぜんぜん終わってないんだが、なんといいますか、自分の才能と将来に限界を感じている。自分は終わった、と思っている。そういう漫画家である。

漫画「終わった漫画家」ネタバレ&感想

終わった漫画家

漫画家はある日、決意する。「結婚したいから女性アシスタントの募集でもするか」と。

なんていうか、漫画家としての力量がどうたら以前に、発想が人として終わっているのだが、で、応募してきた女性が二人。

ド素人の、小金持ちを捕まえて結婚しよう、漫画家とか金持ってんじゃないかな?と思っている巨乳美女(頭の中身は割とスカスカ)である。もう一人は例の女子高生だ。女子高生の方は、三流でもなんでもプロの漫画家を踏み台にして一山当ててやる、という野心だけは抱いている。

駄目な漫画家と巨乳女と小娘のやりとりによって日々は展開されていく。

巨乳女は漫画家に好意を抱くようになり(顔は割といいし、金は持っているので)、駄目な漫画家にアプローチをかけ始める。漫画家のほうはすっかりその気で、というかアシスタントとして役に立つわけでもなんでもない(お茶くみすらしている様子がない)この女を雇っているのは結婚相手として見ているからである。

女子高生の方は、「三流でも絵はうまいし仕事は速いんだなあ」などと感心してはいるが別に恋愛感情を抱いているわけではない。ただ巨乳女のほうでは勘違いして勝手に恋のライバルだと思っている。で、二人の仲はおおむね険悪である。

巨乳女はかなり何も考えていないので、まったくド素人の発想として「女子高生さんの原作を漫画家さんが原稿にするなんてのはどうでしょう?」とか言い出す。割と突拍子もなく。

「なんで俺が素人の原作で漫画を描かにゃならんのだ」と本音では思いつつも、巨乳女の申し出を無下にしたくはない漫画家と、自分の野心を実現するチャンスだと思っている女子高生の利害の一致により、漫画は本当に描かれることになり、そして新人賞などに投稿される。

ちなみに終わった漫画家、終わってる割には芸達者で、「いかにも漫画家志望の未熟な半人前が描いたっぽい原稿に見せかけて原稿を描く」みたいな真似ができる。

なんていうか、人間性はともかく売り方次第では十分プロで通用するんじゃないかこの人と思うのだが、とにかくそうなるのである。

さて、ここで時間がいったん飛んで、どこかの編集部から投稿作に関する連絡が来る。

その電話をとったのは巨乳女であったので、悪意的な対応をしようとするのだが、編集者は食い下がり、お時間がお取いただけないようでしたらこちらからご訪問したいのですが、などと言い出す。1巻はここまでである。

2巻だが、出る保証はないらしい。らしいが、「多分2巻は出ると思うし、2巻で完結だと思います」みたいなことがあとがきには描いてある。

この漫画、基本的にろくな人間が出てこない。

能力よりも人間性として終わってる三人組の物語である。

だが、先を読みたいと思わせる力はある。そういうあたり、これの「作者」は「終わってない」んだなあ、と、しみじみ思う。ちなみに作者自身も「私が終わってるという意味の漫画ではありません、別に」みたいに描いている。まあ、そうだなとは思う。

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