漫画「ドラゴン、家を買う。」ネタバレ感想!落ちぶれドラゴンがマイホーム探すファンタジー作品

ドラゴン、家を買う。
ドラゴン、家を買う。
作品名:ドラゴン、家を買う。(1)
作者・著者:多貫カヲ / 絢薔子
出版社:マッグガーデン
ジャンル:少年マンガ

漫画「ドラゴン、家を買う。」あらすじ

主人公・レティは落ちこぼれのドラゴンである。ひ弱で、臆病で、その上頭もあんまりよくないときている。

1話冒頭でドラゴン族の群れを追われることになったレティは、安住の地を探し始める。具体的には、マイホームである。というわけで、ドワーフの街を訪れ、家を作ってくれと頼もうとしたレティであったが……

速攻で捕獲され、解体されそうになるのであった。

命からがら逃げだしたレティは、放浪の末、建築士をやっている物好きなエルフがいるという噂を聞きつけ、どうにかそのエルフ、ディアリアと出会うことに成功する。

ディアリアがレティに差し出した名刺には、こう書いてあった。

「一級建築士・宅地建物取引主任者・魔王 ディアリア・メル・マルソン」

こうして、何でそんなことをしているのか具体的な理由は説明されないが不動産屋を営んでいる酔狂な魔王と、落ちこぼれドラゴンのコンビによる、マイホーム探しの旅が始まるのであった。

漫画「ドラゴン、家を買う。」ネタバレ

まずは建て売りからご紹介、という話になり、最初に案内された物件が「フォール神殿」。名前と見た目は神殿だが、それっぽく造って見せかけているだけで実際には別に宗教施設ではなく、地下三階まである建て売りダンジョンである。ちなみに築二十七年。

レティは一通りフォール神殿の中を案内されるのだが、罠だらけのダンジョンには住みたくない、ということで、この物件は見送りとなった。

二軒目は「死者の館」。築年数は二百年越えだが、修繕すれば住める、ということで、とりあえず泊まってみることになる。幽霊が出たり、なんだりで、臆病なレティはパニックに陥るのだが、結局のところそれらはすべて、家主である幽鬼のサミュエル卿とその部下たちによる、肝試しパーティーだというオチであった。

この物件のメリットは、ダンジョンとして魅力が無いので勇者(この世界には勇者という存在がいて、罪もないモンスターたちに乱暴狼藉を働く)や探索者がやってくることがない、という点なのだが、レティの嗜好にはあいにく合わないので、この物件も見送りとなった。

三軒目は新築物件である。ディアリアの采配により、屋敷はつつがなく完成し、「レティの館」と名付けられた。

問題は支払いである。レティは現金は持っていないが、新しくできた冒険スポットであるので勇者がやってくるからそいつらの装備を剥いで売ればよい、という話になる。別にレティが戦う必要はなく、戦闘担当のモンスターも斡旋してもらえる。

レティは落ちこぼれとはいえドラゴンという高貴な種族である。従ってカリスマ性だけはある。多くの冒険者がレティの館に挑み、返り討ちにされ、噂を聞きつけた様々な種族がさらにこの地を訪れ、というプロセスを繰り返すうちに、レティの館はいつの間にか「炎竜王の館」と呼ばれるようになっていた。

レティは自分に与えられた虚飾の栄光に耐えられなくなり、ストレスで家出した。

ちなみにレティの館の代金そのものはディアリアはきっちり回収している。ディアリアにとってはこの結末は予測通りのものであったらしく、二人は再び、レティの安住の地を探して旅に出ることになる。

というところで、2巻に続く。

漫画「ドラゴン、家を買う。」感想

ドラゴン、家を買う。

よく出来たファンタジー・コメディである。全体的に、話のノリも世界観も軽めの仕上がりとなっている。冒頭、卵番を命じられていた(ドラゴンの卵は貴重なお宝らしい)レティが、冒険者に卵を攫われて怒られるところで「でもあの卵 画面スクロールして戻ってくれば何度でも復活するじゃないですか」と抗弁している、と言えばだいたいの雰囲気はお分かりいただけるだろうか。

いやそれにしても、レティは本当に無能である。でかい翼があるのに空は飛べない、泳ぐことすらできない、もちろん魔法の一つも使えない。人間に化けたりする能力もない。ないない尽くしである。本当に図体がでかいだけの存在だ。

唯一の取り柄?といえば、落ちぶれてもドラゴンなので、解体すれば高く売れるらしい。「ドラゴンの心臓は貴重」とか、そういったような理由で。本人は死ぬことが前提となるが。

作者(原作と作画で2人いる)は新人で、これが初商業作のようである。それを思えば有望株と言っていい。掘り出し物の作品であった。今後に期待したい。


ドラゴン、家を買う。

ドラゴン、家を買う。

原作・著者多貫カヲ / 絢薔子
価格550円(税込)

生きていくには家が要る。人間だろうと、モンスターだろうと。つかめ、夢のマイホーム! 貧弱ドラゴンの住まい探し×ファンタジー。 臆病者すぎて一族から勘当された、か弱きドラゴンの子・レティ。勇敢さとは無縁の彼は、安心安全な“家”があれば生きていけると考える。エルフやドワーフ、ゴブリンなど多様な種族が生きる広大な世界で、夢のマイホーム計画は成就するのだろうか――。住まい探しファンタジー、堂々開幕!

今すぐ試し読みする


※移動先の電子書籍ストア「BookLive」にて検索窓に「ドラゴン、家を買う」と入力して絞り込み検索をすれば素早く作品を表示してくれます。

漫画「ドラゴン、家を買う。」2巻のネタバレ感想!展開新たに広がりを見せた第2巻!