『電人N』第4巻。この巻で完結である。
電人N【4巻】あらすじ
世界は電人Nの手に落ち、いきなりディストピアSFみたいになる。監視用ドローンと警備ロボットが全世界をうろつきまわり、ちょっとでもレッフェや神崎みさきの悪口を言おうものなら即、死刑という世界だ。
ちなみにNが計画しているライブというのはドームライブなのだが、気合の入ったことに、東京ドームなどを使うのではなく専用ドーム会場を一から新設する。
で、レッフェのライブは実際に開かれる。客は、無作為に選ばれた一般人や、各国の要人などである。明らかにどっかで見たような実在の各国元首そのものの人々の姿も見える。一方、スドーは何をしているかというと、無事回収に成功した例の人形と合流している。
例の人形は世界を支配している方のNとは異なる、独立した自我を持っていて、暴れまわるもう一人の自分に対してはっきり、怒りと敵意を示している。
電人N【4巻】ネタバレ
レッフェはもともと売れない三流のアイドルである。このライブに臨むために厳しいレッスンを受けはしたが、そもそもそんなに才能のない子たちであるし、それでなくても人類の存亡がかかっているという厳しい舞台である。上演中に、マイクを落としたり、歌詞をとちったりするメンバーが現れる。
支配者の方のNは、容赦なくライブ中のメンバーを処刑した。犠牲者の数はライブが進むごとに増えていく。しかし、神崎みさきは衣装を血に塗れさせながらも歌い続けた。その姿は、真に人を感動させる力を持ったものだった。
一方、スドー。状況を監視していたのだが、支配者Nがライブの視聴に夢中になっているため、世界に張り巡らされた監視用ドローンや警備ロボットの動きが止まっている、ということが分かる。おそらく、ライブ中だけが支配者Nを止めることのできる唯一のチャンスだろう、とスドーは言う。
人間に過ぎないスドーにもはや対抗手段はないので、コンピュータネットワークを通じ、人形Nが支配者Nに対して接触、説得を試みる。だが言葉は届かなかった。仕方がないので、スドーは最後の計画を実行に移すことにする。
「神崎みさきを殺害する」のである。
そうすれば支配者Nも動揺するだろう。ライブ中に、ことを終えなければならない。
で、これも事前にスドーが手配していたのだが、元刑事だった人物(Nに同僚を殺されている)が、スドーから送られた拳銃を持ってライブの舞台に登場する。神崎みさきは、事態を悟り覚悟を決めた表情になる。銃声が鳴り響き、みさきは倒れる。
支配者Nはパニックに陥るが、その直後、人形Nによってその精神を破壊されて滅びた。そして、人形Nは自分自身の精神をも自ら破壊した。電人Nは死んだのである。
だが、神崎みさきは死んではいなかった。元刑事自身も知らなったが、彼が撃ったのは空砲だった。それが撃たれる直前、みさきの目の前のモニターに「銃声が聞こえたら倒れてください」という表示が現れ(人形Nの仕業と思われる)、それに従ったのだという。
そして1年後。みさきはアイドルをやめ、介護士として日々を送っていた。レッフェの伝説のライブは、人々にとって禍々しい事件ではあるものの、確かに神崎みさきがアイドルとして輝いていた瞬間として記憶されてもいたのであった。終わり。
電人N【4巻】感想
残された謎も伏線もなく綺麗に終わっている。文句なしの完結である。結構いい作品だった、と言っていいと思う。
まあ、最後が「愛と希望と正義の勝利」みたいな感じになっているので、サイコスリラー作品として考えた場合そこが好みの分かれるところではあるのかもしれないが。というところで、『電人N』御紹介の筆を置かせていただく。
電人N
ある日、俺は電気人間になった――。しがないコンビニ店員・那須忠太の唯一の心の救いは、アイドルのVR映像を観ること。不幸な家庭環境のもと高校を中退し、バイト先でも虐げられている現実を、画面の先の神崎さんはいつも癒してくれる。しかしある時、飲んだくれた母との諍いをキッカケに、彼の体にとんでもない異変が発生し‥‥!?『アポカリプスの砦』『食糧人類』の最強タッグが放つ、衝撃の“電人”サイコスリラー!!
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✅ 電人N【1巻ネタバレ感想】人間vs神に近い存在が対決するサイコスリラー!
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