漫画「五佰年(いほとせ)BOX」ネタバレ感想!500百年前の世界に干渉…驚愕の出来事が…

五佰年BOX(1)

漫画「五佰年BOX」あらすじ

主人公は叶多という名の現代日本人の青年。真奈という幼馴染の片想いの女性がいる。ある日、真奈の家の蔵の掃除を手伝っていたら、不思議な箱を見つけた。開けてみると、何か精巧な、小さな「人間の村のようなものがあり、人間が動いている」。

オモチャにしては出来過ぎである。その中で人が殺されそうになったりしているので、助けたりしてみたのだが、とんでもないことになんと。

世界が改変されてしまった。

真奈が消え去り、真樹(まさき)という男が代わりに存在していた。その真樹は自分の幼馴染なのだというのだが——。

漫画「五佰年BOX」ネタバレ

ネタバレと銘打っているのだからざっくばらんとネタバレを書く。なお、これを書いている時点で筆者は2巻をまだ読んではいない(出てはいる)。

その箱だが、「500年前の世界」に繋がっている箱である。ただし、タイムマシンとはちょっと違う。干渉することはできるが、向こうに行けるわけではない(水を流し込んで火事を消すくらいのことはできる)。

ただ問題は、500年前の「この世界」と繋がっているため、過去を変えると現在も変わってしまう。いわゆる「バタフライエフェクト」である。

作中でも説明があるのだがバタフライエフェクトについて作者の理解なりに説明しよう。

バタフライエフェクトとは?

長い時の流れの間には、ほんの小さな変化が無限にも近い変容を引き起こすことがある。(あくまで思考実験的なもので実証的根拠があるわけではない)。たとえば、一説に、何十億年も前の地球にタイムマシンで飛んで草を一本引き抜いたら、それによって哺乳類が発生しなくなるかもしれない。こういうのをバタフライエフェクトという。蝶の羽ばたきが地球のすべてに影響する、くらいの意味でバタフライエフェクトという。

さて。500年前の世界に干渉できるのはまあいいとして、一度干渉してしまったら、元に戻すことはできない。

それが問題である。

叶多は真奈が好きなので真奈が生きている世界線を取り戻したい。どうすればいい?分からない。一巻時点ではとりあえずいろいろ試してみよう、程度である。

主要登場人物は5人いる。三人までは既に書いた。あと二人は、500年前の世界の中の少女。叶多の存在を認識しており、神かなにかだと思っている。もう一人は、真奈の婚約者だった男性。叶多と出会い、協力関係を持つようになる。

もう一つ問題点がある。真奈を取り戻したい、その世界線に戻りたい、最初はそれだけだったのだが、変更された世界線の中、叶多の頭の中に真樹との記憶が生まれ始めるのである。

幼馴染。親友。真奈の世界が取り戻されれば彼は消えてしまうのではないか?叶多は悩み始める。そのへんで1巻は終っている。

漫画「五佰年BOX」感想

五伯年BOX(1)

この作者はこれがデビュー作だそうだが、画力、構成力、キャラクターを立てる力、いずれを見ても一級のそれを持っている。

バタフライエフェクト自体は古くより知られている概念であり、それを利用したSFもあるが(たとえば、そのまんま『バタフライエフェクト』という題の映画があったりする)、その取り扱い方は巧妙で、新人にありがちな未熟さはまったく感じさせない。また一人、なかなかに将来有望な新人に出会ったという感じだ。

おそらくこの作品は何十巻も続く巨編にはならないのではあるまいか。どう謎を回収し、収束させていくのかそれは分からないが、数巻程度で綺麗にまとまるんじゃないかな?という雰囲気がいまのところなんとなくある。

まあ、とりあえず既に2巻は出ている。近いうちに、2巻についてもご紹介したいと思うところである。こうご期待。


五佰年BOX(1)

五佰年BOX

原作・著者宮尾行巳
価格660円(税込)

遠野叶多(かなた)は、幼なじみの真奈の家から奇妙な箱を見つける。箱の中には実際の人間が生活し、よく見るとそこは中世の日本らしき世界だった。好奇心で観察を続けるが、ある時、箱の中で少女が野盗に襲われているのを見てしまい、思わずその野盗を殺してしまう。動揺した叶多は真奈に相談するため彼女の家に向かう。だがそこで真奈の父親から思いもよらぬ事実を告げられる。「うちには真奈なんて娘はいないよ」と。

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