はじめに。表紙を見ていただけばお分かりのようにこの作品は「図書館」というのを特殊な古い漢字一文字で書くのだが、閲覧環境によっては文字化けなどすることもあろうかと思うので、作中の「図書館」という単語はすべて「図書館」と開いて記述させていただく。
漫画「図書館の大魔術師」あらすじ
主人公シオ=フミスは「耳長の混血児」である。ホピ族とヒューロン族という二つの種族の血を引いているのだが、この二つの種族の混血者は歴史的事情から非常に珍しく、そして別に尊重されたりするわけではなくむしろ嫌われ者である。
一巻のストーリーは、主に世界観の説明を兼ねつつシオの幼少期における「カフナ」との出会いと、そして13歳まで成長したカフナになるための試験を受けに行くところまでである。カフナとは何か、というのはネタバレの項で説明しよう。
漫画「図書館の大魔術師」ネタバレ
非常に重厚な世界観を持った作品なので、それを説明するだけで大変なのだが、まずは大雑把にカテゴリから説明していく。分類で言えばいわゆる、(転移・転生を含まない)ハイ・ファンタジーである。魔法がある。剣は……あんまり出てこないな。
それより、本が重要なものとして扱われる世界観であり、そして作品である。
大陸の中心に中央図書館と呼ばれる巨大な図書館があり、そこの司書たちのことを「カフナ」という。司書は中央図書館以外の地方の図書館などにもいるが、カフナと呼ばれるのは中央図書館の司書たちだけである。カフナは書物の専門家であると同時に、その多くが魔術師も兼ねている。
さて。シオの村には図書館がある。小さな地方の図書館とはいえ、本が貴重である世界なので、図書館があるというのは大変なステータスだ。しかし、混血児として差別を受けているシオは図書館長をやってるおっさんにいじわるをされ、図書館に入れてもらえない。しょうがないので館長の娘(シオに惚れてる幼なじみの少女である)からこっそり本を貸してもらっている。
そんなこんなで物語の世界に憧れの翼を羽ばたかせていたシオのもとに、図書館の視察ということで、カフナがやってくる。4人いるのだが、一番重要なのはセドナ=ブルゥという青年。ひょんなことからシオの友人になり、迫害されているのでいじけていたシオの目を開かせ、「君は君の人生の主人公であれ」みたいなことを言ってハッパをかけるのだ。
いちおう事件としては、館長が手に入れた魔術書(魔力が込められた本。劣化すると暴走する危険な代物)が巻き起こしたトラブルを解決するというものが差し挟まれるのだが、それについてはこう紹介するにとどめよう。それより、セドナとの出会いによってシオはカフナを目指すことを決意する。
もともと姉(この姉がよく分からない。姉は混血児ではないのである。片親が違うのか、それとも血の繋がりはない姉なのか、作中で説明はない)の尽力で学校には通っていたのだが、それだけでは司書試験のための勉強をするのに足りないので、シオは石工として働きつつ、独学に励むことになる。
そして時は流れ13歳になり、試験に出発、1巻ではそこまでが描かれる。
漫画「図書館の大魔術師」感想
日本の漫画史に残る、ものすごい大作になる予感がする。そういう作品である。現在3巻まで出ていて、そこまで読んだ上での感想ではあるが、久々に、滅多にないほどの衝撃を受ける作品であった。
まず絵がすごい。単に漫画としてうまいというだけではなく、それはもちろんそうなのだが、絵画的描写もうまいし、なんというか漫画を使った「演出のレベルが高い」のである。
外したくないからふだん滅多にこんなことは書かないのだが、この作品はきっとアニメになったり映画になったりなんだりして、広く世に知られるに至るのではないかと思うし、またそうなるべきであると筆者は思う。
と、ちょっと筆が先走り過ぎてしまったが、とにかく3巻まで出ているわけなので、3巻まで紹介していくことにしよう。お付き合いいただきたい。
図書館の大魔術師
アムンという小さな村に暮らす耳長の少年は本が大好きであったが、耳長で貧乏だった為、村の図書館を使うことができなかった。そんな少年は差別が存在しない本の都・アフツァックに行くことを夢見る。ある日、少年は憧れのアフツァックの図書館で働く司書(カフナ)と出会う。この司書との出会いが、少年の運命を大きく変えることに──。孤独な少年が未来を切り拓く、異世界ビブリオファンタジー堂々開幕!!
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✅ 漫画「図書館の大魔術師」2巻ネタバレ感想!悪魔の筆記試験がスタート!